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旭堂南湖「河津町で行ったところ」(7日目)

六日間の日程を終えて、後はチェックアウトをして、大阪に帰るのみ。
0時に布団に入って、しばらくしたら、外から町内放送が聞こえてきて、津波注意報が出たから、避難して下さいという。
続いて、スマホのエリアメールで、静岡県沿岸に津波注意報が発表されたという。
部屋から綺麗な海が見えた。海は近い。
こういう時は逃げたほうがいいのか? 宿のご主人も起こしに来ない。注意報だから大丈夫だろうと、そのまま寝ました。
翌朝起きて、ご主人に聞くと、高台にあるから安全だという。自宅なら、ハザードマップを見て、大体地形などが分かっているが、旅先で緊急の時は、慣れていない分、対応が遅くなるなあと思いました。
事前に旅先のハザードマップを見ておくことも大事ですね。

チェックアウトをしてから、港へ。船で大阪に帰ります。船に乗り込んで、やがて、出発の時刻。汽笛と共に、船が岸を離れます。甲板に出て、
「最後に和田さんと、もう一度会いたかったなあ」
と思っていると、港を走ってくる和田さん。手に持った手ぬぐいを大きく振っている。
「あっ、和田さん。和田さんーーー」

というところで、目が覚めました。
映画『伊豆の踊り子』の名場面ですね。夢オチのところは『男はつらいよ』のパターンでしょうか。

さて、本当にチェックアウトして、ご主人に稲取の朝市まで、車で送って頂けることになりました。

稲取の朝市は、同じ河津町の旅人、北林さん三浦さんも行っていましたよね。内田さんの旅人日録にも出てきました。

みかんが大阪に比べて随分安いので、買いました。

港には、もやい石がありました。
伊豆稲取駅まで歩きます。
お寺がありました。
北林さんも、三浦さんもお寺に吸い込まれていましたね。
私もやっぱり吸い込まれます。

しあわせというものは、一人で決して味わえないものです。

伊豆稲取駅から電車に乗ってると、行きは雨で見えなかった伊豆大島がきれいに見えました。

熱海で新幹線に乗り換えて大阪へ。シートにもたれながら、河津町での日々を思い返します。


河津町では色んなところを回りました。そのほとんどが和田さんに連れて行って頂きました。和田さん、有難うございました!

執筆時間が足りなかったり、構成を考えて、後回しにしている内に、掲載せず、七日目の旅人日録になってしまいましたので、行った場所を紹介します。


河津八幡神社

河津三郎力石像があります。
河津三郎が殺された場所が伊東市の二日目で紹介した「河津三郎血塚」です。
像の前には、手玉石もあります。
これでお手玉して遊んだのでしょうか。
そして、二人の息子が十郎、五郎。

相撲の技で河津掛けというのがありますが、河津三郎が最初にやったと言われています。そういう由来があるから、現在でも子供相撲大会が行われているそうです。


河津三郎の足湯


河津八幡神社の近くに足湯もあります。
河津三郎が実際、ここで足湯をしたということではなく、ただ名前を借りているだけだと思います。でも、ひょっとすると、昔もここに足湯があったかもわかりません。

桜の季節は、足湯をしながら、花見ができるそうです。綺麗でしょうね。

階段には、絵の書いた石があります。
町のいたるところにあります。

この石のことは、北林さんの旅人日録をお読み下さい。素晴らしい文章でしたよ。


踊り子温泉会館

露天風呂あり、サウナあり。お湯から上がった後は、甘茶も頂きました。
前にはやっぱり大きな木。


旧天城トンネル

百十七年前に作られた総石造りのトンネルで、石を一つ一つ積み上げて作ったそうです。
映画『伊豆の踊り子』にもこのトンネルが出てきますね。

昨日の怪談会でも、一番名前が出たのが、このトンネルでした。
中に入ると、ビュービュー風が吹いていて、ゾクゾクッと震えました。


新町の大蘇鉄(ソテツ)

河津町は大きい木が本当に多い。こちらは推定樹齢六百年。国の天然記念物です。


お万の井戸


蘇鉄の隣には、お万の井戸。お万さんは徳川家康の側室で、徳川頼宣と、徳川頼房の実母にあたります。つまり、水戸光圀の祖母で、徳川吉宗の曾祖母となります。
そのお万さんが、この辺りに住んでいたそうです。ということは、井戸も使ったのでしょう。樹齢六百年の蘇鉄に聞けば、知っているはずなんですが、蘇鉄は何も語りません。


竜宮伝説の地・今井浜

竜宮伝説というのは、七百年以上前、鎌倉大地震があった頃、海の沖合に炎が見えたそうです。近頃、この地に新しい神社ができた。その氏神様にお灯明を上げるために、竜神が現れたのだろうと村の人は考えた。それ以来、竜神を信仰するように、村は豊かになったそうです。

綺麗な海です。


河津桜の原木

河津町といえば、河津桜。その原木です。少しだけ桜が咲いていました。


小鍋神社

小鍋神社の後ろの見えるのは、工事中の新しい道路。
小鍋神社の由来も面白い。
文覚上人が、源頼朝に、父・義朝の髑髏を見せながら、挙兵を勧めた。義朝の髑髏はこの地に埋めたそうです。後に、頼朝が家来二十名程と、この地に父の供養のためにやってきた。村人は大勢に料理をふるまうために、鍋を探したがなかなか見つからない。ようやく大小の鍋を持ってきた。そこで大鍋を持ってきた者の地名を大鍋、小鍋を持ってきた者の地名を小鍋とした。


子守神社(ねのかみじんじゃ)

子守神社は大鍋(地名)にあります。
狛犬の顔が可愛い。
三浦さんに見てほしかった。


わさび田

生まれて初めて見ました。和田さんは、わさび収穫体験をしたことがあるそうです。土の中から、わさびを抜くと、よくミミズが一緒に出てくるそうです。それだけ土が豊かなんでしょうけどね。ちょっとびっくりしますね。

これも和田さんから教えて頂いた情報。
わさびをする時、ガリガリとすればピリッと辛くなって、チンタラチンタラすると、ボヤーとした味になるそうです。
また、わさびを食べて、鼻がツーンとした時は、鼻から息をすれば、ましになるそうです。
やってみると、確かに、ましになりました。
河津町の生わさびは美味しいですね。


峰温泉大噴湯公園

座ると温かい、温泉入あったかベンチもあります。
おしるこや甘酒の缶を買って、お湯で温めることもできます。湯が三十メートル程、噴き上がります。綺麗な青空の日は虹が見えることがあるそうです。きれいな青空だったのですが、私も和田さんも、虹は見えませんでした。

ゆるキャラ「フントー君」

フントー君は、奮闘努力する人を応援してくれるそうです。受験生や、スポーツ大会で優勝を目指す人にはぴったりですね。


河津町、いい思い出がいっぱいです。
最後に(まとめ)の記事をもう一本出して、私のマイクロ・アート・ワーケーションは終了となります。

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