FS/ISのバディ体制を組んだら、パイプラインが2倍近く伸びた話
こんにちは、Micoworks株式会社インサイドセールスチームManagerの浜田です。
私たちインサイドセールスチーム(以下、IS)の主な役割は、マーケティングチームが供給したリードの温度感を高めてアポ設定を行い、フィールドセールス(以下、FS)へトスアップする「リードナーチャリング」です。
今回はISにてエンタープライズ開拓を進める上での試行錯誤と、最終的にはパイプラインが2倍近く伸び、なおかつ商談創出数や受注単価もアップした実践例をシェアしたいと思います。
エンタープライズ開拓をスタート。しかし成果が上がらず苦戦を強いられる
「MicoCloud」のエンタープライズ開拓に伴い、ISメンバーは業界固有の事業環境や、マーケティング課題の理解に基づくアプローチを求められるようになりました。「MicoCloud」はHorizontal SaaSであり、利用目的や活用事例も業界によって変わる部分もあるので、より一段と深い業界知識や課題理解に基づくアプローチが必須となりました。
そのため、ISチームの取り組みとしては、ターゲット業界別にIS担当者を立て、業界特化型にシフトすることで商談数の増加を目指しました。
ところが、しばらく経っても商談数や有効商談率が想定よりも伸び悩み、成果につながらないといった事象に直面します。
エンタープライズ開拓の成果を阻害した3つの原因
ISを業界特化させたのに成果が出ない…。この現象が起きた要因は、「ISチームが単独の取り組みで完結してしまった」からだと振り返っています。
具体的な要因としては、以下の3点だと考えています。
1.リスト内におけるターゲティングの精度が曖昧
まず、業界ごとの商材の性質やマーケティング部の組織体制により、「MicoCloud」による価値貢献度が異なるという事実があります。
そのため、ターゲットリストの作成には深い商材理解や業界への知見が求められます。当初、その点をモニタリングできておらず、画一的な条件でリストの精査を行い、商談化率が上がらないといった課題がありました。
2.個別商談に対する連携不足
FS/ISの情報共有のため、定期的に全体MTGは実施しているものの、FSもISも一定の組織規模に拡大してきたため、個別商談の詳細をすべて把握することは困難です。
商談数が増えるにつれて、個別商談の状況、課題の共有はSlack上のやりとりに止まってしまい、一つ一つの商談について深くまで踏み込んだ相談・連携が不足し、結果的にISのアプローチ精度が高まらない事象を生んでいました。
3.商談実施後の振り返り不足
商談実施後の振り返りについて、IS単独でSalesforceの商談ログを確認し、失注理由や次回アプローチについてテキストのみで確認していました。
成果へつなげるためには、担当したFSメンバーと共に商談内容を振り返りながら、「どのようなアプローチをすればよかったのか」「今後はどのように改善すべきか」と、客観的に見て、深掘りしながら改善策を考えるアクションが足りていなかったことも反省点のひとつです。
FS/ISがタッグを組み、アプローチを開始
その振り返りを活かし、2023年10月にFS/ISがタッグを組み、業界/企業ごとの解像度を高めていく動きをとりました。 特定の業界ごとにFS 1名/ IS 1名でバディを組み、週に2回 MTGを実施。主に以下の3つを議題として取り扱っています。
①リードクオリフィケーション
エンタープライズ開拓において重要なことは「選択と集中」です。リスト化した見込み顧客の中から、さらに契約につながりそうな企業/人をあたります。社員やボードメンバーと接点があるのか、優先順位はどうするかなどを協議できるので、高精度なリストをスピーディに作成できます。
②商談化前の個別アプローチの相談
特定の企業に対するアプローチについて、商談を前に進めるには何が必要か、どのようなアプローチを行うべきか、提案内容はどうするかといった、有効商談率の向上を目的とした議論を行います。
③ISがトスアップした商談をFSがフィードバック
ISがターゲットの反応や温度感、良かった点、悪かった点などをFSに共有し、商談後の振り返りを実施。改善点を洗い出し、成功に向けた戦略へとつなげます。
このように、チームの垣根を超えた密に連携できる体制を作ることで、今までよりスピーディかつ最適なアプローチができるようになりました。
商談のパイプラインは約1.8倍、IS一人当たりの商談創出数が1.2倍に伸長
取り組み後の成果としては、FS/ISの連携により創出した商談のパイプラインは前Q比で約1.8倍に伸長し、IS一人当たりの商談創出数が1.2倍に増加しました。この結果から、FS/ISの連携が密になったことで、お客様に刺さるアプローチがしっかりとできていることを実感しています。
そして、THE MODELのような分業型組織で成功するケースも多々あるかと思いますが、私たちのように「大手企業×特定業界」に顧客層を開拓している場合、ターゲット領域の中で確実性高く商談を獲得する必要があります。
決して簡単なことではありませんが、今回の経験を通して、自社のサービスや目標に合わせてその都度、戦略と組織を編成し、迅速かつ柔軟にレベニューチームを最適化させていくことが成功のカギになると感じました。
FS/ISの連携により、営業効率がぐんと上がる
IS活動を成功に導くためにもっとも重要なのは「顧客理解」ですが、IS単体で顧客理解を深めるには限界があります。顧客解像度を高めるためにはFSと連携し、直接フィードバックをもらいながらトークをブラッシュアップすることはとても有効だと感じています。
今後は、ISとFSだけではなく、マーケティング、CSも巻き込みながら、弊社のカルチャーの一つであるWOW THE CUSTOMERの実現をしていきたいと考えています。