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コブクロ「晴々」がエモすぎる件

コブクロにハマってしまった。
そして、「晴々」という曲に出会ってしまった。
この曲の歌詞がいかにエモいかということを語ろう。

なんぞやその曲、という方へ

コブクロは恐らくご存知の通り、めちゃデカいボーカル(黒田俊介さん)とちょっとちっちゃめでギターを持ってるボーカル(小渕健太郎さん)からなるフォークデュオである。
そんな彼らの、20周年アニバーサリーソングというのが「晴々」だ。作詞・作曲は小渕さんが担当した。
その歌詞が、彼らのストーリーと重なって非常にエモいのだ。
では考察へ…

(晴れ 晴々)
君の声を届けたい
溢れ出す想い 空に並べれば (晴々)
今も 遠くで聴こえる
共に駆け抜けた時の 足音

頭サビ

この部分は、カッコ内が小渕さんのコーラス、そのほかが黒田さんの主旋律というパート分けになっている。
まず、「君の声を届けたい」。
そもそもコブクロは、小渕さんが黒田さんの声に惚れ、黒田さんが小渕さんのギターに惚れて結成に至った、いわば相思相愛デュオなのだ。
だから、「君」は黒田さんで、その声を「届けたい」のはやはり小渕さん自身なのだろう。

それから、最後のフレーズ。
「共に駆け抜けた時の 足音」
2人が、二人三脚で何十年も一緒に駆け抜けてきた時のことをきっと表している…のだが!
それだけではなく。
「時の足音」
これは、コブクロが2008年にリリースしたシングルのタイトルである。曲名を歌詞に入れるとは、さすがにエモい!

名も無い命の塊が アスファルト押しのけて
ここにしか咲かない花の 蕾に変わった
描いた自分を塗り潰せずに
心のDOORを叩いた

1番Aメロ

前半2行は小渕さん、後半は黒田さんというパート。
まず最初の行だが、どこかで見覚えが。

名も無い花には名前を付けましょう
この世に一つしかない
冬の寒さに打ちひしがれないように
誰かの声で また起き上がれるように
土の中で眠る命の塊 アスファルト押しのけて

「桜」冒頭部分

そうです、彼らの代表曲「桜」の最初のほう。
それをぎゅぎゅっとしたのが、あの1行だ。

そして2行目。「ここにしか咲かない花」は11枚目、「蕾」は14枚目のシングルとしてリリースされたヒット曲。

後半の「描いた自分」というのはきっと、路上ミュージシャン時代に思い描いていた、大きなステージで歌ったりする自分のことなのだろう。その夢を塗り潰せずに、「叶えるんだ」と心に決めた、みたいなことかなと。
ここでも、今までの曲が登場する。
「心」は28枚目、「DOOR」は9枚目のシングルだ。時系列順ではなく、歌詞として意味が通るように作られているのがわかる。

虹の真下へ 伸びてく轍
今と未来を繋ぐ 奇跡のバトン(HELLO)

1番Bメロ

今度は、2人でワンフレーズずつパートを交代している。
ここにはたくさん曲たちが詰まっていて、まずは17枚目のシングル、「虹」。そして「轍」はセカンドシングルだ。
「今と未来を繋ぐ」の部分は、「桜」のカップリングである「今と未来を繋ぐもの」から取っているのだろう。
「奇跡」は26枚目シングル、「バトン」は「ONE TIMES ONE」のカップリング。
カップリングも忘れない。そんな小粋なところもまたいい。
……あれ、HELLOってなんだ。
調べてみると、「HELLO, NEW DAY」という歌がある。これ、かな?

強く握りしめたまま
ポケットの中 潰れそうだった夢(晴々)
君が解いてくれなきゃ
育つことのなかった MY LIFE & DREAM
(晴れ 晴々 晴れ 晴々 晴れ 晴々)

1番サビ

いよいよサビへ。ここは、個人的に一番好きなパート。
Bメロの「描いた自分 塗り潰せずに 心のDOORを叩いた」はどちらかというと黒田さんサイドという印象がある。希望と勇気を持って胸を叩き、小渕さんにデュオの結成を持ちかけた…。そんなイメージ。
対してこちらは、小渕さんサイドな気がしてならない。
小渕さんは、路上時代はとっくにメジャーデビューの夢を諦め、いわば趣味としてギターを弾き歌っていたそう。(YouTubeでの本人談)
しかし黒田さんと出会い、「一緒に組みたい」と言われたことで一度は消した夢を共に見るようになった。
だから、もし2人が出会わなかったら、2人の夢は育つことはなかったのかもしれない。

ちなみに、「LIFE」という曲もある。その歌詞がまた良くて…。
てか歌詞のことしか言ってないな?

もう俯かないようにと 今日を生きるんだと
顔を上げてみるけれど 流れが速すぎて
片隅で歌う 願いの詩を
この街 全てに

2番Aメロ

前半2行、小渕さんのパートは見覚えが…ない。どこかの歌詞ではないのか、もしくは知らないだけか。「これはこの歌だよ!」ってもしあったら、教えてください!

後半の黒田さんパートは、「願いの詩」。5枚目の両A面シングル、「願いの詩/太陽」から。
「この街」というのはどこだろうと考えてみる。やはり、黒田さんの故郷で2人が出会った大阪か、さらに都会で人の流れが速そうな東京か。もしくは小渕さんの故郷の宮崎か。

どんな空でも 蒼く優しく
この世界を照らし続ける 光(HELLO)

2番Bメロ

「どんな空でも」はアルバム「5296」の収録曲。
そして、「蒼く優しく」は15枚目のシングルだ。
「あの太陽が、この世界を照らし続けるように。」という歌が21枚目のシングルとしてリリースされていて、「光」はアルバム「grapefruits」に入っている。
全てのタイトルが「光」を修飾しているのだが、本当に不自然さがない。小渕さんの作詞力には感服するばかり。

君の声が届くなら
僕は 風にでも鳥にでもなる(晴々)
いつも 向かい風探し
また飛び立つのさ ココロの羽で

2番サビ

一番最初の歌詞「君の声を届けたい」同様、ここにも小渕さんの想いが溢れているのが感じられる。
相方の声を届けるためなら、どんなことだってできる。そんな決意がここには表れているのだろう。
そして、「風」というのは4枚目のシングル。鳥…はないが、「Blue Bird」という曲ならある。これのことかな?
最後に「ココロの羽」は、何だかよくわからないがベストアルバムに収録されている。←

というか、飛び立つのに「追い風」を探すんじゃなくて、わざわざ「向かい風」を探して飛ぶ、というのがすごくかっこいい。

君の声を届けたい
全てを越えてく力に変えて(晴々)
長い 助走をつけて
昨日を踏み切り跳んだ 足跡
明日へ 明日へ

ラスサビ

ついに終盤。ここにはたぶん曲名は登場しておらず、「明日へ向かっていく」という意思の感じる歌詞となっている。
最初の「足音」から「足跡」に変わっているのがなんか気持ちいい。
昨日を踏み切り台にして、明日へ。
コブクロらしい、優しくもあり力強くもあるメッセージが込められている。

最近好きになったくせに何分かったように話してんだ、と自分でも思っているのだが、とってもいい歌詞であるのは変わりない。

とにかくこの曲は、
小渕さんから黒田さんへ”言葉のプレゼント”
黒田さんから小渕さんへ”歌でのメッセージ”
まるでそんなやり取りが交わされているのかな、と感じるエモーショナルな歌なのである。

晴々(晴れ晴れ)・・・1.空がすっかり晴れ渡っているさま。
           2.少しもわだかまりがなく、気持ちがさっぱりとしたさま。

ここまでお読みいただきありがとうございました。
mico


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