「サンタさんがちょっと来た」という嘘に、ピュアな息子が信じてしまった。
子供はピュアだ。大人が何気なく言った言葉にも綺麗な心で反応する。
我が家にはもうすぐ6歳になる息子がいる。そして12月といえばクリスマス。毎日プレゼントを楽しみに待っているのである。
先日、3歳になった娘を祝うため誕生日ケーキを買ってきた。といっても市販のロールケーキ。ケーキ屋さんでは高くて買えないので、スーパーで買ってきたロールケーキに自分たちで飾り付けをした。
妻が仕事場で余ったシールを持って帰ってきたので、夜な夜なそれを星型に切り抜き、翌日の誕生日ケーキの装飾にしようと考えていたが、実際に切ってみると小さくてイマイチだったのでケーキに飾ることはなかった。代わりに3の形をしたローソクとハッピーバースデーのプレートをロールケーキに飾った。
ボツになった星型のシールは捨てるのが勿体なかったので、セロテープの台に貼り付けた。特に意味はなかった。
すると本日息子がセロテープを取り出したときに「なんか星のシールが貼ってる!」と凄く興奮気味に駆け寄ってきたのである。
息子は暇があれば色鉛筆で絵を描いたり、セロテープを取り出してはアマゾンのダンボールを切ったり貼ったりと色んな工作をする。
なので今日もセロテープで何か作ろうと取り出したら、いつもは付いていない星のシールを発見したわけだ。
「ママー!ママーーッ!なんか星のシールが付いてる!!」と息子。
私の妻はその絡みが面倒だったのか、適当に「サンタさんが様子を見に来たんじゃない?」と返答。
すると息子は「え!サンタさん!?…え!!?来たの?」と凄く嬉しそうな笑顔を見せた。
私も妻もその純粋さに心を打たれて、適当に言ったことが後に引けなくなり、「うん。良い子にしてたからシールを貼って帰ってくれたんじゃないかな?」と嘘に嘘を重ねる形になった。
もう息子は嬉しくて仕方ないのか「すごいー!こんなキレイなシール…嬉しい…」と凄くうっとりした表情でシールを見つめるのである。
私も妻もその息子が可愛くて、そしてピュア過ぎて大笑い。本人は信じ切っているので、このままクリスマス当日までサンタさんが家に様子を見に来るという設定を続けることを決めた。
またクリスマスが近づいたら別の場所に星のシールを貼ってあげよう。
そんな息子はセロテープをずっと抱きかかえたまま夜を過ごしていた。
「サンタさんが切ってくれたのかな?」とか、「こんな綺麗なシール見たことない」とか「良い子にしてたからくれたのかな?」とかずっと一人で想像を膨らませている。
挙句の果てには「おもちゃ貰うよりずっと嬉しい!」と元も子もないことを言い出す息子。これはこれで凄く心が綺麗である。彼はおもちゃを貰うより、こういうことをしてくれたサンタさんが好きだと言いたいのであろう。本質を感じ取る気持ちをこのまま忘れずに成長してほしい。
ちなみにセロテープに付いた星のシールをずっとなでなでしている。
そして彼はずっと笑顔でセロテープに付いた星を見て、うっとりしながら眠りについたのであった。
サンタさんとは誰が発案したのか、子供にとっては最高の夢だろう。私も子供の頃はクリスマスツリーが家に出ると頭の中はサンタさんでいっぱいであった。
毎日が嬉しくして楽しみで、一番好きな時期だったかも知れない。
今日の息子の顔を見て、自分も子供頃はこんな顔をしてたのかな?と懐かしい気持ちになった。
当日のプレゼント、喜んでくれるかな?
それでは、また!
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