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計画作成時のSWOT分析は、ISOマネジメントシステムの手法が優れもの!

1.私とISOマネジメントシステム

 私は、これまで事務局の立場でISO45001(労働安全衛生)、FSSC22000(食品安全)、ISO14001(環境)の自社や関係会社への導入に携わって来ました。

 また、ISO9001(品質)に関しても、他のマネジメントシステムと統合を図り、安全・品質・環境マネジメントシステムとして運営を推進して来ました。

 その中で感じていたのは、ISO(国際標準化機構)のマネジメントシステムは、通常業務そのものだということです。さらには、通常業務の抜け落ちを埋めてくれるツールだと感じていました。

 皆さんもご存じの通り、ISOのマネジメントシステムは、PDCAサイクルに沿った形で構成されていますが、計画の策定に入るまでの準備の仕方が非常に体系立っていて、使い易いと思います。

 この手法は、ISOを導入していない企業にとっても、非常に参考になります。


2.ISOマネジメントシステムは、「組織の状況」理解から始まる

 ISOのマネジメントシステムの構成は、下図の通りで、「労働安全衛生」「品質」「環境」のいずれも基本的な構成は一緒です。

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 いずれの場合も、計画を立てる場合、最初に「組織の状況」を明確にする必要があります。

「組織の状況」とは、❶外部・内部の課題❷利害関係者のニーズ及び期待を理解することから始めます。

 下図の通り、❶❷より、リスクと機会を決定し、そのリスク・機会への取組計画を策定するところから、ISOマネジメントシステムが始まります。

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3.ISOマネジメントシステムの凄いところ

 でも、これって経営や商品開発のマネジメントと全く一緒ですよね。うまくPDCAサイクルを回している企業なら、実施しているはずです。

 しかしながら、ISOマネジメントシステムは、そのSWOT分析を「労働安全衛生」「品質」「環境」それぞれで、きっちり実施します。

 案外SWOTをやっている企業でも、上っ面だけしかやっていない場合が多いのですが、ISOマネジメントシステムは、その結果を計画に反映しなければなりません。

 そのため自ずと、SWOT分析にも力が入って来ます。

 また、利害関係者を明確にして、そのニーズと期待を事前に理解しておくというところも素晴らしいと思います。

 下図に、製造業の利害関係者(環境の事例)を挙げて見ましたが、例えば、自社が環境に対して責任を持って活動しようと思った時、利害関係者を明確にし、どのようなニーズや期待を持っているのかを確認することは、非常に有意義です。

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 例えば、工場周辺の地域住民は、自社の工場に対して、どういう期待を持っているのか。「騒音がないこと」「住民参加イベントの開催」「労働力を提供すること」等々、考えると、「住民参加の環境イベント」が地域活性に非常に効果があると考え、毎年開催するというアイデアも出て来るかもしれません。


 ISOと聞くと、とっつきにくい印象がありますが、普通の業務の流れで問題がないかを確認する上で非常に有効です。

 ISOに取り組んでいない企業の方も、ISOに関心がない方も、一度、ISOの良さを知って欲しいと思います。

 本日は、計画策定までのSWOT分析について、簡単に解説しましたが、今後の投稿でも、参考にすべきISOの手法について紹介していきます。




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