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書籍「チーズはどこへ消えた?」で発見した“わるいPDCAサイクル思考”、“よいOODAループ思考”

書籍「チーズはどこへ消えた?」は、1998年の初版から全世界で2,800万人に読み継がれた超ベストセラーのビジネス書です。

日本では、大谷翔平選手が「愛読している本」とインタビューで答えたことで、2016年に再ブームが起こったようです。

私も何年か前に読んだのですが、今年成人式を迎える息子の机の上に置いてあったのを見て、再度読んでみることにしました。

この書籍の書評は、ネットに沢山挙げられていますので、私は、この書籍を改めて読んだ結果、代表的なビジネス手法である「OODAループ」や「PDCAサイクル」の活用の参考になると思い、投稿することにしました。

ちょっと、無理矢理のこじ付けになるかもしれないことを、ご容赦下さい。


1.本書籍の要約

この本の要約は、以下の通りです(下↓のwebsiteより引用、一部加筆)。

迷路のなかに住む、2匹のネズミ(スニッフとスカリー)と2人の小人(ヘムとホー)。彼らは迷路をさまよった末、チーズを発見する。チーズは、ただの食べ物ではなく、人生において私たちが追い求めるもののシンボルである。
ところがある日、そのチーズが消えた! ネズミたちは、本能のままにすぐさま新しいチーズを探しに飛び出していく。ところが小人たちは 、チーズが戻って来るかも知れないと無駄な期待をかけ、現状分析にうつつを抜かすばかり。しかし、やがて一人が新しいチーズを探しに 旅立つ決心を…。

大変分かり易い要約と感想を見つけましたので、こちら↓もご覧下さい。


2.わるいPDCAサイクル思考(小人のヘムとホー)

小人のヘムとホーの行動が、どうもわるい「PDCAサイクル思考」に見えてきました。

スライド2

1)計画

❶これだけ大量にあれば、ずっと安泰と考え、チーズがあることが前提の計画を立てている。

❷チーズは、なくならないので、如何に効率的にチーズを食べるかを計画的に進めている。ここでは、チーズが減ることは全く頭にないので、チーズの量を計測することは全く考えていない。

2)実行

❸チーズを効率的に食べるためにチーズの近くに引っ越し、そこで社会生活を行うことにする。
もちろん、チーズはなくなることはないと信じている。

3)評価

❹青天の霹靂で、チーズがなくなったことを発見する。
チーズはなくならないことが前提だったので、どうしていいか分からなくなる。

4)ここで典型的な「PDC型」行動に走る

「PDC型行動」とは、結果の評価ばかりして、改善のための思考が全く働かない状態のことである。

二人は、以下の状態で固まっていまい、どうすることもできなくなってしまったようです。

・次の行動を決定するために打ち合わせ等、長い時間を要する
・何度も何度も、本当になくなったかを確認することに精力を使う。
・自分の計画は間違っておらず、誰かにひどいめにあわされたと、わめき散らす
・そして、またチーズが現れることを期待して、チーズの有無の確認を繰返す

5)結局、二人はどうなったか

(ヘム)事態を見守っていれば、いずれチーズは戻ってくる。その後、どうなったか不明。

(ホー)変わらなければ破滅することになると気付き、チーズを探しに行く。結局、新たなチーズをみつけた。


3.よい「OODAループ思考」(ネズミのスニッフとスカーリ)

一方、ネズミのスニッフとスカーリの行動が、まさしく、よい「OODAループ思考」ではないかと思えてきました。

スライド3

1)観察
❶毎朝、匂いをかぐ等、前日との変化を調査する。
❷その中で、チーズがだんだん少なくなることに気付いていた。

2)方向付け
❸彼らは、いずれチーズがなくなるだろうと覚悟ができていたため、なくなった時にどう対応すべきかという心の準備ができていた。

3)意思決定
❹チーズがなくなったことを確認すると、迷いなく、すぐに新しいチーズを探しに行くことに決定した。

4)実行/改善
❺試行錯誤の繰返しにはなるが、新たなチーズを見つけるために、迷路の中を探し回った。

5)結局、二匹はどうなったか

後からチーズを探し始めてホーよりも早く、新しいチーズをみつけた


4.「チーズはどこへ消えた?」 からのTake Away(学ぶべき教訓)

スライド4

1) PDCAサイクル思考

PDCAサイクル思考にとって、必要なことを、「チーズはどこへ消えた?」の名言から引用すると:

・自分のチーズが大事であればあるほど、それにしがみつきたくなる
変わらなければ破滅することになる
古い従来どおりの考え方をしていては新しいチーズはみつからない

これらの名言から、「PDCAサイクル思考」にとって、重要なのは、「前例や計画に固執せず、 外部環境の変化に柔軟に対応すること」ではないかと思いました。

2) OODAループ思考

一方、OODAループ思考に関わる名言を「チーズはどこへ消えた?」から引用すると:

・常にチーズの匂いをかいでみること、そうすれば古くなったのに気がつく
・新しい方向に進めば新しいチーズがみつかる
・古いチーズに早く見切りをつければ、それだけ早く新しいチーズがみつかる

これらの名言から、「OODAループ思考」にとって、重要なのは、「常に観察し、状況に応じて素早く新たな行動に移行すること」ではないかと思いました。


5.最後に:この書籍は、「OODAループ思考」の指針だった!?

この書籍を、久しぶりに再度読んだ結果、私は、「チーズはどこへ消えた?」 は「OODAループ思考」 の指針ではなかったのか⁉と考えるに至りました。

スライド5

なぜならば、最後の結論(引用↓)である6つの名言は、いずれも「OODAループ」を如何に回すと効果的かということを言い当てていると思ったからです。

・変化は起きる      ・変化を予期せよ
・変化を探知せよ     ・変わろう
・変化を楽しもう     ・進んですばやく変わり再びそれを楽しもう

私は、OODAループ思考の特徴として、先の投稿で、❶臨機応変、❷即断即決、❸状況のUpdateという3つのポイントを挙げていましたが、これに加えて「楽しむ」も入れなければと思いました。


今回は、独断と偏見をもとにした「チーズはどこへ消えた?」を読んで感じた私の意見や感想を記載しました。

皆さんも是非、一度、本書籍を読んで頂きたいと思います。多分、全然違った学びをこの書籍から得るのではないでしょうか。




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