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カリフォルニア州、2035年にガソリン車等の販売禁止

今日の日経新聞夕刊1面トップ記事は、日本の自動車メーカーのHV(ハイブリッド車)に大いに影響を与える記事でした。

その記事の内容を紹介する前に、これまで私が投稿したEV(電気自動車)に関わる投稿について紹介します。

紹介する3つの記事を読むと、世界でなぜEV化が進んでいるか、EV化に日本がどのように対応しているかが概ね理解できると思います。

1. これまでの電気自動車に関する投稿

1-1)なぜ、電気自動車だとカーボンニュートラルになるのか?

自動車のライフサイクル(「原料掘る」→「原料運ぶ」→「作る」→「運ぶ」→「使う」→「捨てる・リサイクル」)を考えると、ガソリン車と電気自動車では、「使う」部分では、確かに電気自動車はCO2排出量が少ない

しかしながら、他のライフサイクルでは一概にそうとは言えないことが分った。

電気自動車の「使う」部分をカーボンニュートラルにするには、各国の電源構成を「再生エネルギー」や「原子力」にシフトする必要がある。

残念ながら日本は、その点、EUに大幅に遅れを取っている。

トヨタは、完全EV化の弊害が大きいと見て、EV、ハイブリッド、FCV(水素と酸素で発電する燃料自動車)等も手掛けるフルラインナップメーカーとしての戦略を取っていた。

自動車産業の状況を鑑み、レクサスを全タイプEV化目指す等の新たな戦略を打ち出した。

1-2)電気自動車について、日本の現状の課題や疑問に思うことを整理してみました!

今、私がEVについて、思っている課題と疑問を4つ挙げ、それらについて簡単に説明した。

EVは本当にカーボンニュートラルとなるのか。
その国の電源構成が、再生可能エネルギーと原子力で賄われない限り、カーボンニュートラルにならない

1回の充電での航続距離はどれくらいか。
ハイブリッド車は航続距離1,500キロ超のものもあるが、現行EVのフル充電の走行距離は、250キロから650キロです。

ただし、EVの航続距離は実用的には大きな問題はない。

日本の充電設備は、今後増えていくのか。
経済産業省は、EVのインフラ整備のテコ入れのため、急速充電器を設置する費用について、新たに駐車場や商業施設も補助対象に加えている

日本の新車販売に占めるEV比率は他国と比較し非常に低いが、EV充電器の設置率(1台当たり)は、意外にもそんなに低くない。
世界平均0.12、日本0.10、中国0.17、アメリカ0.06、イギリス0.07、ドイツ0.07、フランス0.10

充電時間はどれくらい掛かるのか。
日産リーフの場合、急速充電であれば約40分でフル充電できるが、コンセント式の普通充電器の場合、8~16時間かかる。

ヨーロッパや中国では、2035年ガソリン車販売禁止の方針が示されている。

日本は、EVのための充電器のインフラ整備はもちろんのこと、再生可能エネルギー化の推進も合わせて進めないと、世界から置いて行かれることになる。

1-3)日本は電気自動車で世界を席巻できるか?: 全固体電池の特許数について

全固体電池は、自動車の航続距離を2倍に延ばせたり、充電時間を3分の1に抑えたりすることができる可能性がある。

この次世代電池の本命とされる「全固体電池」の特許は日本勢が優勢である。

この全固定電池の特許数の上位5社中、トヨタ、パナソニック、出光興産、村田製作所の日本勢4社が占めており、今後のEVの日本のシェア拡大の追い風になる。


2.米カリフォルニア州、2035年にハイブリッド車も販売禁止【日本経済新聞2022.8.26夕刊、電子版】

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この記事は、カルフォルニア州の環境当局が、2035年にガソリン車のみで駆動する新車の販売を全面禁止する新たな規制案を決定したという内容です。

この規制値では、2026年式では35%ゼロエミッション車(以下、ZEV)、2030年式では68%ZEV、2035年が100%ZEVという具合で、2026年から開始するようです。

この規制では、ガソリン車はもちろんのこと、ハイブリッド車もZEVと認められないとのことです。

【コメント】

EU、中国に続いて、アメリカのカルフォルニア州が2035年ハイブリッド車を含むガソリン車の販売禁止を決定しました。

カルフォルニア州は、現在、ハイブリッド車が州内の新車販売の10%強を占め、今後の日本車販売の影響も大きいと思います。

もともと日本車のハイブリッド技術に対抗できないEUや中国が、主戦場をEVに変えようとしていました。

さらに、アメリカもガソリン車の全面販売禁止に舵を取って行くとますます日本の自動車メーカーは素早い対応が迫られます。

トヨタは、もともとカーボンニュートラルへの対応として、EV、ハイブリッド、FCV(水素と酸素で発電する燃料自動車)等も手掛けるフルラインナップメーカーとしての戦略を取っていました。

しかしながら、EUや中国の動きを勘案して、昨年12月、レクサスを全タイプEV化目指すという一大発表を行いました。

このカルフォルニア州の規制により、トヨタおよび他の日本の自動車メーカーの今後の戦略から益々目が離せなくなって来ました。

日本の技術力でこの難局を乗り切って欲しいと強く思っています。


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