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最近、気になったSDGsの3つの話題:❶スイス企業が仕掛ける「無水小便器」❷ソニーがプラ包装全廃 ❸ペットボトル再生 日本が最先端

1.スイス企業が仕掛ける「無水小便器」、維持費7割削減できる秘密【ニューススイッチ(日刊工業新聞)website、2022年10月30日】

以前の投稿「世界に誇る日本の技術・商品を9つ挙げてみた」(↓参照)の日本が世界に誇る技術として「❷日本のトイレは世界最先端」の話題を挙げました。

内容は、以下の通り。

「海外の人が日本にきた時、最もビックリするのがトイレだそうです。

日本では当たり前になっている「温かい便座」「ウォシュレット」「綺麗なトイレ」は、日本の最先端技術の一つです。

この他にも、節水・節電、除菌水、陶器の表面をナノレベルで汚れが付きにくくする技術など、世界では類を見ない技術発展を遂げています。」

そんな日本に、スイス企業のウリマット社が「無水小便器」で参入するというニュースです。

この無水小便器の特徴は、

❶本体と交換式カートリッジで構成され、尿が流れ込むとカートリッジのふたが密閉され、においが漏れるのを防ぐ。

❷天然の微生物を通して尿石が発生しにくいようにし、排水管の詰まりを防ぐ。

❸清掃時も水は使わず、微生物の働きを利用してにおいの元を分解する。

その結果、一般の小便器に比べ、水道代などを含む維持費を約7割削減できるという優れもののようです。

これは、まさしくSDGs目標6「安全な水とトイレを世界に」をターゲットとしたもので、「水の確保」や「トイレの整備」を実現しようというもののようです。

websiteの記事の中には、男性用の小便器しか紹介されていませんが、この技術の大便器への展開も期待したいです。

何はともあれ、このスイス企業ウリマット社の日本への参入が、今後どのように推移するか、是非注目したいです。


2.ソニーがプラ包装全廃、紙・竹素材に まずスマホなど【日本経済新聞2022.11.8朝刊、電子版】

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以前の投稿で、海洋プラスチックのごみ問題について説明しました(↓参照)。

海洋プラスチックの8割以上は、陸上で発生し海に流入したもののようです。

そして、河川等を経由して、最終的に行きつく場所が海なんです。

既に世界の海に存在しているといわれるプラスチックごみは、合計で1億5,000万トン(重さでジェット機100万機相当)もあるそうです。

海洋プラスチックによるごみ問題とは、このようにプラスチックごみが海洋汚染や生態系に及ぼす影響を問題視したものです。

5mm以下になったプラスチックは、マイクロプラスチックと呼ばれていますが、人を含む生物の身体や繁殖などに、どのような影響を及ぼすのか、詳しいことはまだわかっていないようです

今回紹介するソニーの取組みは、この人の身体に影響を及ぼす遠因になっているプラ包装を全廃しようとするもので、非常に重要な取り組みです。

ソニーは商品の包装材でプラスチックを全廃するとのこと。

2023年度にスマートフォンなどの小型商品で始め、紙箱や竹などで自社開発した新素材に順次切り替えるようです。

将来的には、テレビなど大型商品も含めてプラ使用をやめるようです。

このような取り組みは、国内企業では、まだ着手されておらず、世界的に見ても先進的な活動のようです。

ソニーのような、先進的で名の通った企業が率先してプラ包装全廃を取り組むことに、非常に意義深いことだと思います。

この取り組みは、SDGs目標14「海の豊かさを守ろう」目標12「つくる責任 つかう責任」に関わるものです。


3.コカ・コーラ社長「ペットボトル再生、日本が最先端」世界経営者会議 ジョン・マーフィー氏【日本経済新聞2022.11.9夕刊、電子版】

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この記事は、アメリカ コカ・コーラ社のジョン・マーフィー社長が、日経フォーラム「世界経営者会議」の講演の中で、

「日本では2022年にペットボトルのリサイクル素材の使用率が50%を超えており、リサイクルでは日本が世界の最先端にある」

と話したという内容です。

コカ・コーラ社は、日本で2030年までに市場で展開するボトルを回収して全てリサイクルすると言っています。

ここで、日本のペットボトルのリサイクルを紐解いてみたいと思います。

3-1)着色ボトルの廃止(㈳全国清涼飲料工業会)

私は、日本のペットボトルのリサイクルを世界に先駆けて推進しているのは、2001年4月の㈳全国清涼飲料工業会が決定した「指定PETボトルの自主設計ガイドラインの改訂」の中で決断した「着色ボトルの廃止」だと思います。

実は、私はこの時の会合に出席していました。

メンバーは、着色ボトルは「消費者が商品を選択する自由を奪ってしまうのではないか」という意見もあり、議論を重ねましたが、最終的には、将来を見越した決定がなされたのではないでしょうか。

その時以来、輸入ペットボトル以外、国内のペットボトル商品から着色ボトルがなくなりました。

それが、リサイクルペットボトルの品質(透明性)を維持して、今や高い比率でのボトル to ボトルが実現しているのです。

3-2)ペットボトルリサイクルの2つの技術

日本国内では、2012年にペットボトルリサイクルの大きな変化がありました。

それは、サントリーがメカニカルリサイクル(物理的なリサイクル)、そして味の素AGFがケミカルリサイクル(化学的なリサイクル)の技術をペットボトル商品に適用しました(↓の記事参照)。

日本におけるペットボトルのリサイクル元年と言ってもいいかもしれません。

実は私は味の素AGFでのペットボトルリサイクルに関わっており、その時は、世界で唯一のケミカルリサイクル技術の適用を果たしました。

◆サントリーニュースリリース(2012年4月12日):国内飲料業界初。メカニカルリサイクル再生PET樹脂100%の“リペットボトル※1”を導入 ―新たな石油由来原料を使わないペットボトルを初めて実用化 ―

◆味の素AGFニュースリリース(2011年11月21日):〈ブレンディ〉ボトルコーヒー 環境配慮型ペットボトル 主力商品全てへの導入開始 〜名称は「フレンドリーボトル」に決定。2012年2月より順次切り替え〜

今のペットボトルリサイクルの主流は、どちらかというと技術的に容易に導入できるメカニカルリサイクルにシフトしています。

「着色ボトルの廃止」から約20年、そして「リサイクルボトルの本格導入」から約10年で、日本が世界の最先端にいるということは、本当に嬉しい限りです。

ペットボトルのリサイクルは、SDGs目標12「つくる責任 つかう責任」目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に関わる取組みです。


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