アウトサイド・イン・アプローチ

前回からSDGs関連キーワードである下記2つについてまとめています。

・バックキャスティング思考
・アウトサイド・イン・アプローチ

今回は2つ目の「アウトサイド・イン・アプローチ」について私が思うことを簡単にまとめてみます。なお、前回まとめた「バックキャスティング思考」と、そもそもの発端である「SDGs経営」についての記事は下記になります。

アウトサイド・インとは
アウトサイド・インとは「SDGコンパス」にも記載されているビジネス用語です。(「SDGコンパス」はSDGs経営の導入手順書になります。)

「アウトサイド・イン」の考え方は、SDGs目標などの社会的課題にフォーカスし、その問題解決に対して自社は何ができるかを考える。そこからビジネスを組み立てる考え方になります。
ビジネスの考え方は時代とともに移り変わってきました。マーケティングの領域になりますが、古くは自社の製品やサービスを起点に考える「プロダクトアウト」という考え方でした。そこから、市場ニーズを起点に考える「マーケットイン」に変化してきました。そして、「アウトサイド・イン」は、「マーケットイン」を更に拡張し、マーケットの背後にある社会的なニーズ(社会問題)を起点とする考え方になります。

簡単にまとめると、「アウトサイド・イン・アプローチ」とは、「SDGs目標を軸にビジネスを構築しよう。」という考え方になります。

目新しい考え方ではない
「アウトサイド・イン・アプローチ」は、最先端の思考法かというと全然そんなことはありません。昔から普通に考えられていたことです。特に日本の場合は、環境や社会との「和」を重んじる風習がありますので、事業活動として普通に社会に配慮していると思います。「三方よし」という言葉も昔から使われています。それを、これまで以上に社会問題に踏み込んだ形でビジネスを組み立てようと言っているだけだと解釈しています。

「CSR」→「CSV」→「SDGs」
先ほど、マーケティングの視点から、「プロダクトアウト」→「マーケットイン」→「アウトサイド・イン」の変化について説明しましたが、同じように「CSR(企業の社会的責任)」の考え方も変わってきました。「CSR」をボランティアだと捉える方もいたようですが、「CSV(共通価値の創造)」という考え方も普及しつつあります。「CSV」を簡単に言うと「社会課題を解決しながら儲ける」ということです。この「CSV」がさらに進化して「SDGs」になったようにも感じます。なんか、「マーケットイン」から「アウトサイド・イン」への変化と同じように、時代の流れによって考え方が少しずつ変わっただけだとも感じます。

戦略立案に大きな変化はない
「アウトサイド・イン・アプローチ」といっても、外部環境に機会を求めることはこれまでと変わりません。また、いくら外部環境に機会があったとしても、自社の経営資源でビジネス化できなければ話は進みませんし、戦略立案の方法として大きな変化はないと思います。
しかし、多くの企業が外部の環境問題を直視し、その課題解決をビジネスに結び付けられないかと真剣に考えることは非常に良いアプローチだと思います。また、自社の経営資源だけで解決できない場合は外部連携により課題解決を目指すという社会的な方向転換も非常にメリットがあると思います。そして、これらの活動や社会に対する姿勢は、企業が今後の社会と共存していくために必要なことだと思います。

今回は、アウトサイド・イン・アプローチについて思ったことをまとめました。次から次に新しいビジネス用語が出てきて時代についていくのが大変です。私としては、インプットした情報をこのnoteにまとめることで記憶の定着に繋げたいと思います。

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