空も飛べるはず/Spitzのコード進行考察
はい、どうもミックナイスです。
私は普段はギタリストとしてギターを弾いたり教えたりしているんですが、音楽と触れ合う中でもっとも僥倖と思える時はコード考察をしている時なんです笑
異性に対するフェチズムが各々あるように音楽に対してもフェチズムがあり、このnoteを通じて少しでも多くのコードフェチあるいは興味を持つ方と出会えたらと思います。
さて、そんな本日のコード考察は前回に引き続きSpitzの楽曲でこちらもミリオンセラーになりました、空も飛べるはずの考察をやっていこうと思います。
コード進行はこちらです。
空も飛べるはず Key C
Intro
C G - Am - C G - Am
C G - Am - F - %
Aメロ
II:C - Dm - G - Am
F - C - D7 - G:II
Bメロ
Am - % - FM7 - %
Dm - Em - F - G
サビ
C G - Am - F G - C
F G - Em Am - D7 - G
C G - Am - F G - C
F G - Em Am - F - G
Inter
Am - % - F - %
Am - % - F - %
Dm - Em - F - G
コード進行を全体で見た時にほぼダイアトニックに収まる進行になっており、チェリー同様セクションが変わった最初のコードはメジャーコードからマイナーコードへ、マイナーコードからメジャーコードへと色分けがはっきりされているものとなっていますね。
ではセクションごとにコード進行を見ていくと…
Introではメジャーコードのトニック(C)で始まりドミナント(G)を経由してマイナーコードのトニック(Am)に落とすという悲しい解決を使っています。
メジャーコードの明るい雰囲気からドミナントの不安定感をマイナーコードの暗い雰囲気に着地。
牛丼屋でテイクアウトして帰り道に職質にあってしまって家ですっかり冷め切った牛丼を食べるような絵が私には浮かびました笑
Aメロでは前半4小節では悲しい解決を、後半4小節ではⅡ7コードが出てきています。
AメロでフォーカスしたいのはⅡ7です。
Ⅱ7の出現条件として考えられるのは主にセカンダリードミナントorドッペルドミナント(ダブルドミナント)となります。
今回のパターンは元々ⅡmだったものがⅡ7に変わったドッペルドミナントです。
ノンダイアトニックコードを見た時に、そこでしか使えない音(今回のD7ならF#)がメロディに使われるか、あるいはコードの響きとして使いたかったかに分かれますが、この楽曲での使われ方は後者です。
Ⅱ7をⅡm、つまりDmで伴奏をしても歌メロの邪魔はしません。
Ⅱmを4和音(Ⅱm7)にしてⅡ7との構成音の違いを見ると3rdがメジャー3rdなのかマイナー3rdなのかになるので、おそらくここでのⅡ7の使用は伴奏を暗くし過ぎない又は明るさを足したかったのかなーと考察。
Bメロは全てダイアトニックコードなんですが前半の2小節のAmの構成音(ラドミ)のベース音としてF(ファ)の音を足すとFM7になります。
よく私がボイシングの話をする時に変わりゆく世界の中に変わらないものを残すということを口にするのですが、それはコード進行の流れでも同じで俯瞰的にコードの流れだけを聴いても何か同じ意思というか意味があるように感じます。
そしてBメロの後半4小節もベース音が上昇してドミナントに向かうことによって次セクションへの期待感を煽れます。
サビは悲しい解決からの451系のコード展開、そしてⅡ7も出てきます。
451系はファンクションで見るとSD→D→T→Tになるのでパターンは以下の通り。
Ⅳ(Ⅱm)→Ⅴ→Ⅰ→Ⅰ
Ⅳ(Ⅱm)→Ⅴ→Ⅲm→Ⅵm
Ⅳ(Ⅱm)→Ⅴ→Ⅰ→Ⅵm
Ⅳ(Ⅱm)→Ⅴ→Ⅵm→Ⅵm
Ⅳ(Ⅱm)→Ⅴ→Ⅵm→Ⅲm
他にもⅣ→Ⅴ→Ⅲ7→ⅥmやⅣ→Ⅲ7→Ⅵm→Ⅰ7や偽終止を使ったⅡm→Ⅴ→Ⅲm7(♭5)→Ⅵ7などあるんですが、それはまた別のnoteでご紹介します。
今回の空も飛べるはずでの451系は上記の上2つを使っています。
サビの6小節目から8小節目が3625の4度進行になっているのでキレイな響きの中でメロディの押し引きがあってⅡ7に繋げています。
この後再びイントロに戻り2コーラスに入りInter→サビの流れになります。
この時代の曲は構成もシンプルで個人的には好きです。
今回出てきたⅡ7について次回はまた別の曲で書こうと思います。
宜しくお願い致します。
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