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臨床実習を通じて「地域包括ケア」を深めていく

今年度、まちだ丘の上病院(まちおか)にて、地域の医学部6年生のクリニカルクラークシップ(診療参加型臨床実習)を受け入れています。


新型コロナウイルス感染症の影響で、患者さんとの対面での臨床実習などは限定的になりますが、それでもオンラインを用いてライブでの臨床体験や、多職種カンファレンスの参加、ヨリドコ小野路宿(https://yoridoko.com/)という開放的な空間や里山を用いた地域診断などを行うなど、工夫して実習を行っています。


なぜ、まちおかの様な小規模な医療機関でも実習を受け入れるか?

それは、主に以下の様な理由があります。

①「地域を支える」医療機関の役割として、地域の未来を支える医療者の学びに関わっていくが病院のミッションでもあるから

②地域で活躍する専門家に、地域の魅力を実際に体験してもらいたいから

③自分たちの取り組みを、若者に「伝える」というワークを通じてより深めていくことができるから


その中で、藤井の役割としては、主に「地域包括ケアシステム」というものについての大切さを伝えていくこと、を担当しています。

「地域包括ケアシステム」については、厚生労働省の資料によると、

「団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供されるシステム」

となっています。

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ここについては、あらためて議論を深めることはしませんが、その中で、藤井が伝えたかったことは、

「地域包括ケアシステム」というものが、無機質な”システム”ではなく、有機的なシステムとして捉えるという視点。

今回は、地域診断を実際に一緒に体験してもらい、実施した地域を実際に歩いて体感してもらうこと、そして、地域の「地域包括ケア」事情に詳しい、地域包括支援センターの方にも協力いただき、地域の現場で活躍する専門家の視点から感じていることなどを具体的にレクチャーいただくことを行いました。

まちおかから徒歩10分くらいの小野路宿の宿通りにあるヨリドコ小野路宿までの散策なども、貴重な地域を肌で感じる経験。

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今回、実習を通じて、一人の学生さんがまとめてくれたレポートにとても印象的な言葉がありました。

それは、

「地域を一つの生き物と見る」という視点。

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医学における一人の患者さんへの臨床について、

「診断」⇒「課題抽出」⇒「治療」という一連の流れを教わるが、これに当てはめて地域に向き合っていくことができるのではないかということに気が付いた、とまとめてくれた。


今回の実習を通じて、今までほとんど地域というフィールドに出たことがない医学生や若い医療者に、少しでも地域の面白さを伝えることに加えて、地域を知ったうえでそれをどう目の前の臨床にも生かしていくか、というエッセンスを伝えていくことに手ごたえを感じることができました。

地域包括ケア研究所やまちだ丘の上病院が実践しようとしていることを少しでも多くの医療従事者や地域に関わる方に、伝えながらも、私たち自身も引き続き学んでいきたいと考えるよいきっかけとなりました。


ヨリドコ小野路宿の中で開設する訪問看護リハビリステーションヨリドコは、引き続き地域で活躍する専門家(看護師、理学療法士)を募集しております。


ご興味がある方は、ぜひ、一度ヨリドコへ遊びに来てください!


よろしければ、サポートお願いできますでしょうか。いただいたサポートは、「あたたかな地域社会」の実現のために使わせていただきます。