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向き合っても変えられないこともある。だが向き合わずに変えることはできない。

今年は自分の考えや思いをもっと発信するのを目標にしていたはずが、
気づけば半年過ぎてしまいました。
アメリカで育ったけどアメリカ人ではない、日本で生まれたけど正直日本人としてのアイデンティティを持っていない私の意見です。
これは私個人の意見だし、いろんな意見があると思う。
暇だったら読んでください。

題名は作家James Baldwinの言葉を借りました"Not everything that is faced can be changed, but nothing can be changed until it is faced."

今世界で大きく報道されている米国差別について。
黒人に対する暴力は最近始まったことではない。
George Floydさんが繰り返した”I can’t breathe(呼吸ができない)”という言葉も過去に何人もの人が言い残した。

米国では黒人に対する暴力の歴史は数百年にも渡り、その中で差別は社会の構造に組み込まれてきた。
奴隷制度。人間として扱われてこなかった歴史。
奴隷制度廃止後も続いたいろんな形での差別。
今も終わりが見えない差別。

日本で報道されているGeorge Floydさんのニュースではあまり触れられていないが、現場にいた4名の警官のうち、一人はアジア系アメリカ人。
このニューヨーク・タイムズのサイトで動画で詳しくGeorge Floydさんが亡くなるまでの全貌が解説されています。(英語ですが)

黒人が受けてきた差別や暴力とは比ではないが、アジア人もアメリカではマイノリティ。
アメリカで生活していた頃、自分の見た目(アジア人)に対して差別されたことが何回かあった。
小さい頃に差別される衝撃は一生忘れられない。
差別は本当に汚くて悲しい。
でも多分私も無意識で誰かにそのような思いをさせたこともあるはず。
このアジア系警官は、抵抗しない黒人が意識を失っていく中、何もしなかった。
アジア系と黒人系の人々も米国の歴史において複雑な関係性をもっている。

結局、何が言いたいかというと、当たり前だが、差別って本当に複雑。
いろんな投稿をシェアしたり、連帯を示すのはすごく大切なことだと思う。
Black Lives Matterの運動に賛同するとともに、賛同しているからこそ勉強をする必要もある。
差別の構造を作り上げた歴史を、当事者が語る歴史を知る。(こういった本や資料がどれぐらい日本語へ訳されているかは分かりませんが)
そしてアクションをとる。
マイノリティに対する差別を変えるためには、マジョリティの力も必要。

最後に、日本ではどうなんだろう、と考えたり。
日本でもいろんな形での差別がある。
「外国人」に対する反応が白人の場合とそうでない場合の反応の違いにびっくりすることもある。
「美白」商品にびっくりする。肌は白くないと美しい、と言ってもらえないのでしょうか?
2020年なのにまだまだいろんなマイノリティの人々の権利が認められていないし、いろんな偏見や差別を目の当たりにする。

差別とはその場所の歴史とか文化とかいろんな要因があってできるものだと思う。
なので他の場所での差別を理解しようとするのはなかなか難しい。
このニュースをきっかけに、日本でも、日本特有の差別を話題にして
差別が少しでも減る動きが始まったらいいなー、と思う。
違和感を感じたり、「違う!」って思った時にちゃんと勇気を出して意見を言える人になりたいな。

このニュースを見て、繰り返される差別を見て、怒りを感じた。
そしてAudre Lordeの言葉を思い出した。
怒りを感じてから、それをどうポジティブな行動に変えていけるのか。

“Anger is useful to help clarify our differences, but in the long run, strength that is bred by anger alone is a blind love which cannot create the future. It can only demolish the past. Such strength does not focus upon what lies ahead, but upon what lies behind, upon what created it - hatred... “
-Audre Lorde
「怒りは私たちの違いを明確化する際には役立つ。しかし長期的には、怒りが生み出す力は未来を創り出す力を持たない。過去を撃ち壊すことしかできない。怒りが生み出す力は未来ではなく、その怒りの背景にある物、怒りを作り出した憎しみに焦点を当ててしまう。」

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