私にも龍神パワーが?/48歳バツイチだけど運命の人に出会った【29】
能力者Мさんから、たー君に龍神がついていること、私とたー君は前世で姉弟であると霊視してもらったわけですが。弟子の和ちゃんからは「彼氏さんに龍神様付いてるならミチルさんにも影響がありますよ」と言われ……。
霊視してもらった時、Мさんからすごい熱が噴き出してくるような感じがしてたんですよね。
呪文(お祈り?)のようなものを唱えていた最中だったので、私も手を合わせて目をつぶっていたのですが、途中で目を開けてエアコンの位置を確認したくらいの熱量でした。
エアコンは部屋の反対側にあったんで、あ、これМさんから出てる熱なんだと納得したわけです。
鑑定が終わってから、それをМさんに言ったんですよ。スゴイ熱ですよね、って。
そしたらМさん「あ、わかりますか」って。
えっ。あれ、わかんない人もいるんだ。
霊視鑑定は私一人でМさんのサロンに行ったので、たー君のアパートに帰って結果を告げたら、それまで痛風のような痛みがあったたー君の足は、痛みは取れたけど「熱をもってる」状態になったわけです。
そして私も、首すじから背中にかけて妙に熱い。
四月の上旬のことで、まだ暑いという時期でもないのに、熱っぽさはそれからしばらく続きました。
まあ、その時点で49歳ですからね。
首筋が熱いったって、更年期って言われればそれまでなんですが。
しかも、それと同時に生理も止まったんです。
年齢的には生理不順でも仕方ないわけですが、私は三十年弱の間、不順になったことはほとんどなく。
痛みはあっても、遅れることはほとんどなかったんで、
「そろそろ終了のお知らせかな~」
……なんて思ってたんです。
しかし。やっと熱っぽさがなくなった三か月後に生理はまた訪れ、それからはずっと順調です(もう終わってもいいんだけどな……)。
いったいなんだったんでしょうね?
Мさんの弟子の和ちゃん(将来有能な霊能力者になるらしい)から、
「彼氏さんに龍神がついてるなら、ミチルさんにも龍神の影響はありますよ」
……って言われたんですよ。
ということは、この熱っぽさはもしかして龍神様の影響なのか?
そういえば、鑑定から半年後くらいのこと。
店を閉めた私は、一人で駐車場に向かおうとしていました。
すると雨がポツンと一滴落ちてきたんですよね。その日は曇りで翌日が雨という予報でした。
駐車場までは歩いて150メートルだし、傘を取りに行くのも面倒なのでのそのまま歩き始めたら、目の前に車が停まったんです。
たー君の会社の車で、中にはイケイケの阿部君と助手の男性が乗っていました。
「今お帰りですか。○○駐車場ですよね? 俺らも客車取りに行くところなんで乗ってください」
阿部君は、以前はたー君に「マジ、キレていいっすか!」とか言うくらいのイケイケだったのに、曽我の一件があってから結構マジメに働いてくれます。せっかくの申し出なので、ありがたく乗せてもらいました。
そして駐車場に着いて、阿部君たちにお礼を言うと、私は自分の車に乗り込みました。
するといきなり。
どしゃ降りの雨。
ものすごいジャストなタイミングでザーザー降り始めたので、阿部君に乗せてもらわなかったらズブ濡れになっていたところでした。
しばらく雨は降り続けましたが、私がたー君のアパートについた時にいきなり止みました。
ううむ。
このジャストなタイミング感って、なかなか文字にしづらいんですが、私が阿部君なら、
「ママ(私のこと)ってなんか神がかってるんじゃね?」
…と思うくらいのタイミングでした。
すごいタイミングといえばもう一つ。
月曜の二人そろっての休みの日に寿司屋に行き、いつもならそれで帰るのに、めずらしくスナックに行くことになりました。
場所は栄町の「あずさ」。
たー君が原口に殴られて返り討ちにしたスナックです。★参照
数日前に「あずさ」のママに送迎のことでちょっとした行き違いがあったことと、原口の件以来行っていないので、お詫びがてら飲みに行こうと言われたのです。
店に入ると、カウンターに居たのはもともとスマイル代行の大口契約してくれているお客様で、建築会社の社長。
たー君のことももちろん知っています。
話題は曽我が起こしたS&H代行のこと。
ママは原口が飲みに来て「スマイル代行」の悪口を言っていったと話してくれました。
よそでもその話は聞きましたが、極悪二人組は相変わらずネガティブ営業しているようです。
それ以前に原口は、酔っぱらって醜態晒したくせに、よく「あずさ」に顔を出せたものです。
建設会社の社長は、頼まれて一度S&Hを使ったそうですが「曽我はダメだ」と一刀両断。しゃべりすぎる男は信用できない、と言っています。
さすが大きな会社をやっているだけあって、人を見る目ができています。社長とたー君で話が盛り上がって、その後カラオケを始めました。
たー君が松山千春の「恋」を歌っているとき、お客がひとり入ってきました。
なんと原口!
カウンターの一番手前に座りましたが、こちらには気づいていません。
たー君も店の奥側にあるモニターの歌詞を見ているので、原口に気付いていません。
ところが。一番近くにいる私と原口の目が合いました。
私はいつもの着物姿ではないし、髪の毛もおろしていたのですぐには気づかなかったのでしょう。
原口は一瞬目をそらして、もう一度こちらを見ました。信じられないものを見た時って二度見しますよね。あんなカンジ。
私は原口に向かって中指を立てました。
こんなとこに何しに来とんじゃワレ。ぶっ殺すぞ、の意です。
原口は、ちょうど水割りセットを持って戻ってきたママに「また来る」とかなんとか言って、店から逃げるように出て行きました。
……勝った。
たー君が歌っていてよかった。
もし気づいていたら、またしても血を見ることになっていたかもしれません。
それにしても。
小さいとはいえ市内にはスナックは100軒程度はあるはずです。
その中でも「あずさ」はママ一人でやってる地味な店だし、原口が行きつけだとは聞いたことはありません。でもスマイル代行の顧客だし、建築会社の社長の行きつけだから、それを横取りしようとしてたんでしょうね。
それなのに久しぶりに飲みに出たたー君と原口があの日あの時間バッティングするって、すごいタイミング。
なにかの力が働いたとしか思えません。
まあ龍神様の力なのかどうかはわかりませんが、ともかく、ウチの顧客の社長と「あずさ」のママにネガティブ営業をされなくて良かったです。
それから二年ほどたち、曽我と原口のS&H代行は、曽我から爆サイに悪口書かれた坂田が、曽我と同じように、会社の運転手を引き抜いて自分の代行社を立ち上げてしまいました。★参照
曽我がたー君にやったことを、今度は自分の会社の従業員にされたのです。
また、共同経営者である原口も抜けましたが、彼は別の代行社に入ったとたんに大事故を起こします。
そして曽我のS&H代行から運転手を引き抜いた坂田も、元はスマイル代行の人間でしたが、昨年の暮れに再びスマイルから三人も運転手を引き抜きました。高額の給料を提示したのです。
昨年末で三人も辞められてしまったたー君は落ち込みましたが、その一か月後には立ち直ります。
どっちにしろ新年が過ぎたらヒマになる業界なのに、もっとヒマになる事態が起こったわけです。
新型コロナウイルスです。
飲食業が大打撃を受けているご時世に、新しい運転代行社に仕事があると思いますか?
ウチも仕事がかなり減りましたが、運転手が減って、よけいな給料を払わなくていいので、かなり助かっています。
たぶん坂田は、会社を立ち上げたはいいが、実入りは少なく、給料を払うだけでアップアップしているにちがいありません。
こうして、たー君の会社から金を盗み、悪口をいいふらしていた人たちはすべて報いを受けました。
因果応報はあるよ、というお話でした(あれ、龍神パワーの話だったんだけどな……)。
つづく
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