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ちょいちょい書くかもしれない日記(完成)


月曜から始まったリフォーム工事が、突貫作業で土曜に終わった。
トイレ兼洗面所兼水仕事スペース兼猫トイレ置き場、略してトイレは、とても陽気で、メンテナンスしやすい空間になった。
便器もお店にあるみたいなタンクの小さなものになった。蓋がセンサーで勝手に開くのだけは、猫が開けまくって水遊びする未来が見えるので、あとで止めようと思うが、何しろ見栄えがスッキリした。
ようやく工事が終わり、ホッとするかと思いきや、ずっと内扉の向こうに誰かが作業している音や気配があったので、静かになった我が家が妙にもの寂しい。
孤独とは特に結びつかない、不思議なタイプの寂しさだ。

トイレがスッキリしているうちにと、配管洗浄もお願いした。
考えてみれば、家を建ててから一度もやっていない。
最近、少しだけ各所の流れが悪くなっている気がしていたので、ちょうどいい機会だ。
二人組の業者の細いほうのお兄さんが、とても話が上手い。
立て板に水とはこのことか、という滑らかな説明をしながら、水回りをまずはすべて確認して、作業にかかる。
家の中でも外でも、洗浄を行うそうだ。
まずは家の中を……と言っていたのに、準備をしに外に出たきり戻ってこない。
あれー? と不思議に思いつつ待っていたら、「外がえらいことになっていたので、まず外を洗浄してきました」とのこと。
えらいこととは?
「まあ、あとで見せますけど、管の中に木の根っこがモジャモジャ入り込んで、そこに流したものがどんどん絡んでました」
ヒエッ!
「まあ、珍しいことじゃないんで」
そうなの!? 木の根っこ、そんなに排水管を狙うものなの?
「ほら、下水って栄養たっぷりじゃないですか。植物はそれに気づいて、何とかして根っこを突っ込んでくるんですよ」
ああ……なるほど、言われてみれば!
実際、ポリ袋にぎっしりと、物凄いボリュームの根っこが詰めてあった。
なんてこった。植物、強いな。家庭排水が、お食事どころ的イメージなんだな。
でも、何度か根を切って「ここはダメ」と教えると、多くの植物はある時点で諦めてくれる、とお兄さんは真顔で言っていた。まじか。
「いいタイミングでしたよ。早晩、家じゅうの排水の流れが悪化していたでしょうね」
ああ、洗浄をお願いしてよかった……! 台所の管にも少しだけ、詰まるタイプのカビが来ていたそうだが、それ以外は問題なしで、「凄く綺麗ですよ」と誉めてもらった。
お兄さんは最後に、「これはお願いなんですが、トイレは絶対に、どんなときも『大』で流してください。『小』のボタンは存在を忘れて」と念を押していった。
最近の節水トイレは流す水量がとても少なくて、それがトイレットペッパーの質(分厚いとか、溶けにくいとか、そういう要素)によっては、配水管が詰まる原因になっているそうな。
なかなかままならない話だった。

探検がはかどる猫たち。

こんなご時世なのでお気遣いなく、気楽に楽しんでいってください。でも、もしいただけてしまった場合は、猫と私のおやつが増えます。