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ちょいちょい書くかもしれない日記(微妙エアコン)

室内の空気の調整が難しい時期が到来した。
温度湿度計を見ると、まあ快適温度の範囲に入ってはいるのだが、私にはやや暑い。
あと、湿度が微妙に高い。
こういうとき、エアコンのリモコンで、オートを選ぼうか、冷房を選ぼうか、除湿のほうがいいか……と迷うのだ。
オートを選ぶと、今の時期だけは、「冷房してほしかったのに、暖房に舵を切ってしもたんかー!」と驚くことがある。
勿論、こちらで調節するのだが、私とエアコンの間に横たわる、暗くて深い川の存在を感じる一瞬だ。
冷房と除湿はどっちでもまあいいのだが、つけると、私には快適だが猫には肌寒いという厄介な事態に陥りがちである。
君たちは好きなところ、心地よい室温の場所で寝ておくれよと思うが、猫が仕事部屋で寝たいと言ったら、もうそれは決定事項であり、圧倒的マイノリティの私には、彼らが快適な室温に甘んじるより他がない。
結局、「あっつ……」と呻きながら、無印良品の、デスクに置ける小さな扇風機でバランスを取る日々である。

夜になると、秋の虫が盛大に澄んだ音を響かせるようにもなった。
私が暑い暑いと言っている間に、秋はひたひたと忍び足で到来してはいるのだ。
日没後、ゴミ捨てなんかで外に出ると、確かに少し涼しい。
湿度は高いのに、土は昼間の暑さでカラカラになっており、相変わらず水まきは必要だ。
でも、あまりにも雨が降らないので、そこには確かな罪悪感がつきまとう。
水、大丈夫かな。庭に使ったりしても平気かな。
雨水を貯めるためのポリバケツも、とっくにすっからかんだ。
豪雨で大きな苦しみを受けた地もあれば、乾ききって困惑する地もある。
上手くいかないものだ……としみじみ思う。

今朝は、幸いにも叔父叔母からの電話はなかった。
なかったのに、午前6時にパチッと目が覚めてしまい、閉口した。
そういうところよ、私。
気圧の加減か体調がよろしくないので、必要最低限のことだけ済ませて横になり、気づけば午後になっていた。
勿体ない週末の過ごし方だが、今は特に行くべき場所もない。
次の仕事の準備をし、明日の用事に必要な書類をダブルチェックし、この1年あまり、これまでの人生になかったくらいたくさん使った実印もバッグに入れた。
そういえば、この実印を作ってくれたのは、大阪下町の小さなはんこ屋さんだ。
店主は、父方の祖父母から付き合いがある人だった。
「ハンコが運勢を左右する」などというスピな考えを否定しながらも、おのれの仕事を司る神聖なものの存在は信じる、という絶妙なバランス感覚の持ち主だと聞いた。
これぞという印を彫るときは、吉日を選び、その日に向けて精進潔斎し、魂を込めて彫り上げるという人だったそうだ。
実印を彫ったとき、一度も会ったことがない私について、母に「とても遅いけれど、必ず結婚かそれに準じるようなことはしますよ。50過ぎるかもしれんね。いいご縁を得るのに、時間がかかる。名字はたぶん変わらんね。変わるようなら僕が彫り直すけどね」と言ったらしい。
正直、信じてはいないし、そうなってほしいとも思っていないが(人のご縁は大事にしたいが、生活の大きな変化はもはや面倒臭いのである)、そんなビジョンを得ながら彫った印か、と思うと感慨深い。
彫り直すと言ってくれた店主はもう亡くなったそうだが、はてさて、私のこの先は、どうなることやら。

こんなご時世なのでお気遣いなく、気楽に楽しんでいってください。でも、もしいただけてしまった場合は、猫と私のおやつが増えます。