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本屋の旅行コーナー

本屋の旅行コーナーに人が群がっていた。
ついにこんな日が戻って来たのかと思ったのと同時に、1年前のことを思い出した。


旅行会社を退職して1年、あの時の旅行コーナーは閑散としていて、見にくるのは私のように旅行ができない寂しさを埋めたい人ばかりだったような気がする。

私は代わりに海外旅行のエッセイを買っては読みを繰り返していた。
私たちは時代や世界情勢によって動かされている。なんとも言えない気持ちになった。


コロナ前と今の自分を比べて、コロナによって私は自分の生きたい道を見失ったのかと思っていた。でも、決してそんなことはなく、私の旅行への気持ちは変わっていなかった。

『旅に出て、新しい自分や新しい感情を知ってほしい。』

『その土地の素晴らしさを知ってほしい。』

という気持ちだ。

私はすっかり、旅行のプロでは無くなってしまった。でも、旅が人生に与える影響は底知れない。
旅がある人生とない人生とじゃ何もかもが違う。
そんなことを私は知っている。

また、自由に旅に出られる日が訪れます様に。そして、新しい感情と出会えます様に。

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