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あたたかい言葉に触れる

青山美智子さんの『木曜日にはココアを』が好きです。
続編『月曜日の抹茶カフェ』も読んでみたかったことを、いま参加しているメンバーシップのnoterさんのおかげで思い出して買ってみました。

1章ごとに語り手の視点が変わっていくことによって、描かれているシーンが同じなのに違った感動が味わえて…
前章だけでなく前作の『木曜日にはココアを』の伏線も回収されていたりして、読めば読むほど深みが感じられる物語。

「マーブルカフェ」を起点にご縁がつながっていく。じーんときたのは「10. カンガルーが待ってる (神無月・京都) 」の章のマスターの言葉です。

「…(略)さかのぼっていくと、繋がっている手がどこまでも無数に増えていくんだ。どの手がひとつでも離れていたら、ここにはたどりつけなかった。どんな出会いも、顔もわからない人たちが脈々と繋いできた手と手の先なんだよ」 

「でも一番素晴らしいのは、遠いところで手を繋いできた人たちが、自分がどこかで誰かを幸せにしてるかもしれないなんてまったくわかってないことだね。それがいいんだ。自分の身の回りのことに取り組んだ産物が、あずかり知らぬ他人を動かしたってことが」 

青山美智子『月曜日の抹茶カフェ』より

 人はひとりで生きているわけではない。
何かを成し遂げるときだけじゃなくて、ただ生きているだけでも繋がりは広がっていく。

ご縁って、起点のはっきりしている直線的なものではなく、マーブル模様のように曖昧で変化していくものなんだろうなと思いました。

生きているだけで、存在しているだけで、誰かの何かを繋げているかもしれないんだよ、と妹に伝えたくなりました。
いつも「私は何もできない、存在している意味がない」と悩んでいるので…

そう伝えたからといって彼女の悩みの解決に役立つわけではないですが、あたたかい言葉に触れることは癒しになると思います。

読書っていいなあ、とあらためて感じました😌


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