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私のトナカイちゃん  (ネタバレ注意)

観ました。(Netflix配信)

色々思いの紆余曲折はありましたが面白かったです。
あくまでも私個人の感想ですが、<自分探し>と<再生>の物語だと思いました。単なるストーカーものではない、というレビューを多く見てはいましたが、確かに斜め上をいく作品。推理、サスペンスものになりがちなストーキングものではありません。主演の方の実体験と知りましたが、ヒット作となったようですね。

紆余曲折というのは、序盤は普通のストーカー女性の怖さが描かれますが、中盤では加害女性になぜか固執し、執着、シンパシー、もっと言うと歪んだ愛着に似た気持ちを抱いてしまう男。それは彼が自身に満ちた人間ではなく、どこか卑屈で臆病、と言う何重にも悲しさと複雑さを持ち合わせた気質なので、単純な被害男性という構図にならなかったのだと。

またネトフリお得意の性描写が毒々しくありますし、薬物模写も多いです。お国柄の違いもありますが、気持ちの良いシーンではないことから、観る気が失せそうにもなりました。しかし起承転結の全てが確かに、独特でオリジナリティのある作りでしたので、最後まで見届けて正解でした。

ストーキング、人生の挫折感、親子の愛、トランスジェンダーなどなど・・・生きていく上で普遍的でもあり、よく聞く話題でもあり、それがこの作品には散りばめられています。(ストーキングについては、もちろんよく身近にあるということではないけれど)  

まあ実際に被害に遭われている方は、恐怖でしかない現象です。

ネトフリのエンタメ作品という意味では、主演の方も素敵でしたし、何よりストーカー役の女優さんが体当たりの強い演技をされています。時折見せる少女のような微笑みや悲しそうな表情もすごいですね。

何が「単なるストーカー作品」ではないのか、興味のある方はぜひ !!


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