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30年ぶり飛鳥旅

前日、長谷寺へ行き、桜井駅前のホテルに宿泊。せっかくだから飛鳥まで行こうかな、いやこのまま帰ろうかなあ…と8時半ごろホテルを出る。その日の気分で行程を決められる、それがひとり旅のよいところ。さんざん迷った挙句、とにかく甘樫丘か、それとも桜井市博物館ぐらいは!と思い近鉄桜井駅→橿原神宮駅に出たところ、赤かめバスを発見。

橿原神宮駅前から飛鳥駅までを結ぶのが赤かめバスだ。ダイヤは、平日は1時間に1本、土日祝は30分に1本。レンタサイクルに自信のない中高年(=私)にはもってこい! しかも、甘樫丘、飛鳥資料館、飛鳥大仏、岡寺、石舞台古墳、天武持統陵、高松塚古墳…と飛鳥の見どころにはちゃんとバス停がある。便利だし、1日フリー乗車券だととってもお得!

バスに乗り、「とにかく、すぐに帰るとしてもココだけは行っておこう」と甘樫丘に向かう。飛鳥を一望できる場所。30年ぶりの飛鳥だ。とりあえず眺めたい。そのあとどうするかは、その時に考えよう。なんせ、バスは30分に1本来るんだから。

門ができてますがな!

バス停から少し歩くと、甘樫丘入口には立派な門ができていた。びっくり。昔はぬかるみでねえ…ってか、ここは誰の土地?みたいな場所だったのにね。

道がキレイ!遊歩道だ!

30年前は、野道を固めて丸太で整備した階段?だったような気がするんだけど…。きれいになっただけではなく、カーブを多くしてあるから坂も急ではない。ゆるり・だらりとした坂を、わっせわっせと登っていく。朝早いから、まだまだ元気だ。

着きました!丘の上!

真ん中の大きい屋根が飛鳥寺か?
おお。この石板は30年前もありました。

この日(10月14日)は、稲刈り日和。あちこちの田んぼで、稲刈り機がグワーッと音を立てていた。実った田んぼの色合いが目にうれしい。紅葉じゃなくてもOK。田んぼと瓦屋根の取り合わせが美しい。ザ・日本の秋、というところか。
飛鳥寺とは反対方向を見ると…

中央奥に見えるのは…

わー!二上山だー!
中学生のころ、叔父に連れられて二上山の間の道を歩いたことがある。シブい旅行してんなあ。「昔の人が歩いた道を歩く」っていうのは、胸に響く経験だった。あの街道ももう一度歩いてみたいなあ。
古代への郷愁と同時に、自分の子どものころへの郷愁にもかられる風景だ。

上り坂だったので、お水を飲んでしばし休憩。秋の風が心地よい。

帰りは、「雑草ゆう草はないき!」(by万太郎@らんまん)を絵に描いたような道だった。丘をめぐる道は「万葉の植物園路」として整備されているので、植物好きな方は十分楽しめそうだ。

しいたけ?

くぬぎの上方には、しいたけによく似たきのこが住んでいる。「猛暑のため毒キノコが多いよ、今年は」と聞いたけれど、本当だろうか。いずれにせよ、かなり高いところに住んでいたので、採集はムリ。

さぎ草みたいだが、違うかな。
この実はなんだろう?
何本も直立している様が目を引く。
がま。久しぶりに見たぞ。
なぜこの形に?と不思議。
自分でドライフラワーになってはった。
あじさいはあちこちに住んでいる。
弾けて花が咲いたのかな?
花が先?実が先?(実が先なわけないわな)
小さいけれど自己主張の強そうなコ
苔むした小橋。いい感じ
日常にはこんな小橋はないなー


さて、またバスに乗って、今度は石舞台古墳へGO。この時点で、まだ10時過ぎたばかり。宿泊すると、スタートが早いのでヨイですな。観光客もほどよく少ない。ここから帰ってもだいじょうぶだ(まだ迷ってる…)。

きたきた!
ここにも門が出現(笑

あっちゃー。石舞台なんて、なんにもないところにポツンとあったのよ。入場料が必要というのが信じられない。

おらおら!古墳といえばこれじゃ!
飛鳥といえばこれじゃ!

大きいよねえ。迫力あるよねえ。「のぼらないで」と書いてあるけれど、やっぱりのぼってみたい気がする。オラオラ感が蘇我馬子っぽいと思うのは私だけ?
これぞ「飛鳥の雄姿」でございます。

もちろん、中にも入る。こんな大きな石をどうやって組んだのかなあ。どこから持ってきたのかなあ。ここで眠ってたのはほんとに馬子かなあ。ワクワクする。いわゆる「お墓の中」的な薄気味の悪さは全くなく、あっけらかんとしていて、そこも石舞台の良さだと思う。

この角度で見ると、また別の迫力が
飛鳥時代に触れる

飛鳥で発掘調査をしていた人が井戸跡でを掘り当てた。で、その水を飲んで「飛鳥時代の水はおいしい!」と満面の笑みを浮かべている…という写真を昔々に見た。うらやましかった。時を超えてるじゃん!と思った。
石舞台古墳にはこうやって触れられる。飛鳥時代の人がよっこらしょと運んだ石に、今、2023年に触れられる。それがとってもいいところ。

さてさて、高松塚古墳に立ち寄って帰ろうかなあと思い、バスに乗った。そこからの話は別の記事として投稿する。

結局、名古屋に帰り着いたのは18時だった。ちっとも早くない。思いっきり弾けて遊んでるよねえ。ひとりだからできる、てきとー・ふらふら・なりゆき旅だった。

夏の終わりの赤とんぼ氏。元気でね!

※タイトル上の写真は、おみやげの埴輪まんじゅう。馬と家の埴輪を模した形で、なんだか愛らしい。素朴。飛鳥駅前の観光案内所で購入した。


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