『hana -1970 コザが燃えた日-』〜沖縄返還50年にふさわしい快作
千秋楽当日券で滑り込み。間に合ってよかった。スタンディングオベーションと4度の熱狂的なカーテンコールも納得の今年の代表作に躍り出た一作。これがビリーと同時にかかっているのだから、オミクロン禍でも豊作の1月だ。
返還前の沖縄で起きた民衆暴動。娘を亡くした傷の癒えない母と取り巻く不思議な家族。事件そのものさえ知らなかったが、 #なべげん の #畑澤聖悟 さんは、難しい時代の空気を直截的に、家族の普遍的な愛を絡めた濃密な人間ドラマに仕立て上げた。
#栗山民也 さんの演出は絶叫と静寂を闇と光を硬軟自在に駆使して重厚。#松山ケンイチ のしなやかでいて骨太なオーラが大劇場を二階最後列まで完全に支配していた。#余貴美子 さんのおかんの優しさと慟哭には涙しかない。途中コロナで休演を余儀なくされたが、役者は精気と心意気を漲らせて、これからの大阪、仙台公演でさらにレベルアップしていくに違いない。沖縄返還50年の年に、語り継ぐべき歴史を描く快作となった。大拍手。