21-22シーズン 個人的備忘録

選手評

ロリス

キーピング安定
シーズン後半はビルドアップにも積極的に取り組むようになり、しかもしっかりとキックの質(技術そのものでなく状況判断)が改善
キャリア最終盤とも言っていいであろうに出来ることを増やしてくれるのは好印象

ゴリーニ

印象薄い
レンタルバックだろう

ロメロ

大当たり補強
守備時の状況判断、タックルの上手
特に保持時に相手のプレスを苦にしない冷静さとパス技術がコンテの3CBとしてベストマッチ
離脱が多かったので来期は全試合出場を目指して欲しいところ

ダイアー
20-21シーズンの不安定さを跳ね除けたパフォーマンス
フィジカル能力の低さや保持時の選択肢の多さを考えると、4バックより3CBの中央がダイアーの適正なんだろう
前に出て潰せる場面でも構えてしまうところ、保持時に相手選手を引き付ける前にボールを離してしまうところが課題か
チームのリーダー的に扱われてるので来期も中心選手になりそう
個人的にはダイアーとポジション争いが出来る選手が欲しい

デイビス

コンテの元で花開いた、キャリアハイの活躍
戦術理解度の高さで攻撃時に+1の状況を作ってくれるのがありがたい
外にWBがいることで足が速い選手との直接対峙を避けられたのも彼の弱点を隠してくれてた
左CBの補強は確実だろうが、来期もチームの重要な一員だろう

タンガンガ

怪我が多すぎる
スタメン取れそうもないし、うーん
登録枠的に来期は居そう

ロドン

試合に出られるところに行きましょう

サンチェス

ロメロの離脱が多かったのもあってそこそこ試合に出てる
が、全てにおいてロメロに劣る
特に保持時のテクニックの無さ、判断力の悪さがチームのビルドアップにおいて明確に弱点として露呈してしまうのが辛い
3CBで未来は無いので何処か良いチームを探したほうが良いだろう

ドハティ

不死鳥
シーズン後半でスタメンを奪った
守備能力の低さとか個人として伸び抜けた能力がない等気になる点もあるが、市場価値も無いだろうし売却よりオプションとして持っておきたい
WB獲得しそうだし来期もスタメンって事は無さそう

エメルソン

能力を褒めるところがない
2年目に期待するくらいならフィジカルが強いという下地がある選手等を取ってきて指導するほうがチームとしては強いと思う

レギロン

運動量はあるが軽率なミスが多すぎる
ノンプレッシャーの中で横パスをミスってカウンターを受けたり、フリーで上げるクロスの質だったりでセセニョンに序列を抜かれたよう(ちょうど怪我したタイミングでもあったが)
フロントは積極売却姿勢ぽい、後ろ髪引かれるってこともないぐらいの選手

セセニョン

コンテ就任でホッフェンハイムでやってたWB誕生で追い風
積極的にPA内まで入っていくオフザボールの質や守備強度の高さでシーズン後半にはスタメン定着
来期は取り合えず怪我が無く過ごして欲しい
大外を取らずに内側にドリブルして自ら袋小路に陥る動きがめちゃくちゃ気になる(それに呼応してデイビスがオーバーラップして中が渋滞することも)
大外で勝負できるスキルはあると思うので素直に大外で勝負してもいいのよ

スキップ

コンテ就任時はスタメンだったが、怪我の長期化であれよあれよの内にシーズンアウト
シーズン後半のチームの成熟度が高まってきたところに出場できていないので来期の立場は微妙
怪我の影響もあるしベンタンクールの加入もあって競争は激しい
プレシーズンを如何に過ごせるか、注目

ホイビュア

怪我せず出場してくれるのが本当に有難い
対人能力の高さは勿論、たまに見せる裏抜けが良い攻撃のアクセントになっていた
保持時にボールに寄って来る動きはマイナスポイントが非常に高い(特にアウェイ Man Utd 戦など)
ここは来期しっかりと修正してほしいポイント

ベンタンクール

冬加入の当たり
基礎テクニックの高さと冷静さ危ない場面が少ない
来期はもっと攻撃面で貢献して欲しいかな
安定感あるので来季も343の中央2枚ならベンタンクール+誰かになる気がする

ウィンクス

プレス耐性の無さと対人守備の弱さが致命的
3142のレジスタ役では少し光ったが、まぁ放出
国内移籍より海外挑戦したほうが本人には良さそう

ベルフワイン

上手いのに使われない、フロント3に割って入るのは難しいとはいえ
おなかが痛いクルゼフスキより序列が下のルーカスより更に下
WCもあるしスタメン出場できるところに行くのが本人にとってはベストかな
CL権獲得とPLの5人交代制で出場時間は増えそうだが、本人の気持ち次第

ルーカス

オールウェイズガチャ(ブロックを固めた相手に有効という謎の風潮があるがそんなことは無い)
出場することでチーム守備に必ず問題が発生するので使いづらいし、ソンとクルゼフスキの控えにルーカスが出てくるのはチームとして非常に脆い
来期で30歳になるが、明確な強みがある、残り契約2年とそこそこの値段が付きそうなので投資金に換えたほうがいいように思う

クルゼフスキ

冬の大当たり補強
高い技術力、判断力、運動量とシャドーに欲しいもの全てを兼ね備えた選手
ユベントスさんありがとう…それしか言う言葉が見つからない…
来期もスタメン間違い無しかな、もうちょっと積極的にシュートを打ちに行ってもいいかも

ソン

安定の得点関与能力
だが、ポストプレーの難やブロック構築された相手への選択肢の無さがシャドーとしての適性のなさを露呈させる
スペースの有無での活躍が左右され過ぎるので、もうちょっとオフザボールの駆け引きを増やしたり、潰されないレイオフの連携の練度を上げるなど上積みが欲しい活躍してるとはいえ尖った選手なので、ソンに変わってローテ出来る選手が加入してくれるとチームとして厚みが出る

ケイン

一人でGKまでプレスを掛けに行ったり相手のアンカー放置したりが気になるが、言うことはそれくらい
来期もよろしく


チーム総括


プレシーズンから完成していたチームが予想通りの不調、そして監督解任と昨シーズン終了時点で漂ってた悪い空気をシーズン序盤までずっと持ち越してしまったのが良くなかった
ヌーノの評価に関してはシーズン中、散々スペースでもtwitterでも語ったので割愛
ただ、ポチェッティーノの時代から続いてた夢を終わらせる理由になってくれた副次効果は良い

コンテが就任してから全てが順風満帆だったわけではないが、冬市場の動きが完璧だった
補強については皆も知っての通りで放出の方もデレアリ、ロチェルソ、エンドンベレといったポチェッティーノの負の遺産、言い訳と退路を断って前を向けたことが大きかった
背水の陣ですな

戦術面

コンテ就任後しばらく週2回の試合スケジュールで仕込む時間がほとんど無かったとはいえ、最終的にブロック守備は概ね構築出来るようになった
弱点としては相手が433や532でアンカーポジションを置くときにSTが着くのか、CMFが着いてCBがスライドするのかは曖昧だった
後述するプレッシングスイッチの問題とも関連して決まり事がなかったのかも

プレスの方は問題大有りで、誰がスイッチをいれるのか分からないまま半端に1−2人でプレスを掛けて躱されて前後分断、数的不利で崩されるシーンが散見され練度の低さを見せる形になった
タックル自体は上手い選手が多いと思うのでここを修正できれば、かなり強いチームになるんじゃないかな

ビルドアップはもっと簡単に可能なはず
3CBという構造上CBはパスコースが多いのでもっと長くボールを持ち相手を引きつけないと前線の数的不利を作ってしまうだけになってしまう
外側のCBの更に外にWBがいる構造上4バックのようにSBをプレスで狙われるということも無いのでもっと各々ボールを持ち、相手を動かして自らパスコースを増やすべき
相手を動かして空いたスペースを自分が使えなくとも、味方に利用可能なスペースを広げることで相手の対応を遅らせることがゴールチャンスに繋がっていくはずだ
また、WBやCMFが低い位置を取ることによって相手のプレスをタイトにしてしまいCBが難易度の高いプレーを要求される場面も多かった(所謂プレスをハメられている状態)
これはCBの選択肢が多いという強みを捨て去る最も起こってはいけないことだと思うのでしっかりと高い位置を取りボールに寄ってこないように修正してほしい
相手のプレスがCBに対して発動してからが3CB強みを最大限に活かせる状況だということをしっかり認識して頂きたい
後の先というやつですよ

カウンターはケインに加えてクルゼフスキも溜めてパスを出せるという能力の高さでより強力になった
クルゼフスキ加入前はケインが激しいマークで潰される=カウンター失敗という図式が成り立っていたがそれを脱出
この点はリーグ屈指の攻撃力といってもいいかもしれない

来季に向けて

この記事を執筆中にENICから£1億5000万の増資が発表
パラティチが担当してるスカウト部門のオーバーホールなどにも使われるのだろうが選手補強に力を入れそうなのが窺える(他部門に投資しても本来それに使われるはずだった資金を回せるしね)
フロントにとっても今シーズンのCL権獲得は予想以上だったんだろう
ともかく三者面談の前に強力なカードをチラつかせるどころか叩きつけてきたレヴィの手腕には脱毛・・・いや脱帽

コンテの去就だが増資の発表前から個人的には楽観視している
就任時には頑なに具体的な目標を口にしなかったし、他クラブとの差の言及が多かったが、結果的にはCL出場権も獲得し彼の野心にも添う形になった
クロップとグアルディオラが長期政権を築きプレミアリーグを席捲している今の時代に’タイトルを狙えないチームに興味がない’と言いながらも就任したコンテは当初から長期目線なのでは無いかと邪推
現実にいくら資金があろうと全ての取引が成立するわけでは無いので、この夏にリヴァプール、シティと対抗するスカッドを作るというのは非現実的
と、もろもろの要素をみながら思考

今夏の補強についても心配より期待の方が高い
ロメロ、ベンタンクール、クルゼフスキと直近の補強も確かな戦力になっており、コンテ-パラティチ間の擦り合わせも順調そうに見える
CL権確保とプレミアリーグの交代枠拡大で声を掛けられる選手も増えそうだ
監督の意向での補強を危険視する風潮もあるが、どんなチームでも監督のマージンは大きいのは事実
出場機会がなければ居ないのと大差は無い
とりあえず、’無名の若い選手を買ってスパーズで成長させながらCL権も狙う’なんて都合のいいストーリーは今のハイレベルすぎるプレミアリーグでは不可能
スタジアムにサポーターを入れることも可能になった今、安定した収入も期待でき、そして何よりリバプールとシティの覇権が続きそうな中、トップ4とその上を狙う上で今夏の補強は非常に重要だ
フロントも増資という行動で決意表明をしてるように、ここからより高い位置へ食らい付いて行けるかどうか勝負のシーズンになる

ENICの増資やコンテが見せてくれたサッカー、そして何よりCLへ帰還出来たこと
あらゆる要素が未来を明るく前向きにさせてくれる

長く暗い冬が終わりようやく、本当の夏がスパーズにも訪れそうだ

堺屋本舗

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