新規事業を生み出す最初の問いとは
こんにちは、ミチナル新規事業研究所の菊池です。
前回から記事のトップ画像に可愛いペンギンが登場しているのに気付いていただけましたでしょうか。
M's Factoryさんが作っているペンギンたちがあまりにもキュートだったため、ファーストペンギン推しのこのnoteとしては、これからたくさん出演いただこうと思っております。
※M's Factoryさんのつくるキュートなペンギンたちはこちら
さて、先日アップした「事業を創るファーストペンギンのはじめの一歩とは」の中で、新しい事業を生み出してきたファーストペンギンに共通しているのは、自分の内側から出発したWHY(その事業をやる理由)があることだと書きました。
いつか新規事業をやりたい、と考える人は「世の中のニーズがありそうなこと」か「自社でできそうなこと」というMUSTやCAN視点で発想しがちです。
私もかつて事業アイデアを考えようとしたときは、ビジネス雑誌を定期購読し、儲かりそうな事業のヒントを探していました。
しかし、ここで大切な最初の問いは「あなたはどんな世界を創りたいか」です。
何ができるか、誰が求めているか、よりもまず「あなた」が創りたい世界を描くことがスタートです。
ただ、、、、「あなたの創りたい世界は何?」と問いかけられても、すぐに答えられる人は少ないです。
仕事で忙しくしている今の私たちの頭の中には「やるべきこと」と「やれること」でぎっしり詰まっています。
『今』の自分の頭の中から探そうとするから見つからないものです。
では、どうすればよいのか。
私がオススメするのは、「タイムトラベル」です。
過去の自分の活動を振り返り、そして、未来の世界を想像する。
過去から未来へと時間軸を動かして、創りたい世界を描いてみましょう。
順番はまず過去へのタイムトラベルから。
小学生ぐらいの頃から印象に残っている出来事を思い出してみます。
できれば紙とペンを使って、時系列で書き出すとよいですね。
嬉しかったこと、楽しかったこと、嫌だったこと、苦しかったこと。
大きく感情が動いた出来事について、その場面をまるで映画のワンシーンようのに周囲の情景と共に思い出してください。
もし、なかなか思い浮かばないのであれば、誰かと一緒にインタビューごっこするもの良いかもしれません。
その時の出来事を、事実だけ追いかけて聞くのではなく、そこで生まれた感情を引き出してください。
「その時、どんな気持ちだった?」はめちゃくちゃ効果的な問いです。
今に至るまで、印象に残った出来事を3つぐらいあげてみましょう。
そして、ここからモードを切り替えます。
過去の出来事に向いていた目線をぐっと離してみてください。
いくつかの出来事から共通して見えてくる自分らしさを探してみましょう。
自分らしさは、自分の「スキ」なこと、「トクイ」なこと、「ダイジ」にしている価値観 の3つから考えると見えてきやすいです。
「スキ」は時間を忘れて没頭できること
「トクイ」は他の人よりも苦もなくできてしまうこと
「ダイジ」は、譲れない想い、価値観 です。
ちなみに、私は「人や物事の裏側には何があるか」を探索したり推測するのがスキです。
ガイヤの夜明けやプロフェッショナルで、登場人物の活動の背景にある想いを知るのも大好きですし、新しいビジネスが立ち上がった背景に何があるのかを知りたいという欲求が人一倍強いです。
「トクイ」は、誰かに何かを伝えるときに、できるだけ分かりやすく、想像しやすく伝えるのがトクイです。これは過去多くの転校を経験して、状況を観察して、その場に適切な立ち居振る舞いを心がけてきたことが影響しているかもしれません。
「ダイジ」にしているひとつに、挑戦すること、があります。これまで積み上げた経験をポーンと捨てて新しいことに挑むことの楽しさと重要性をいくつかの経験から知っていました。
こうした過去の体験の中に、新しい事業を生み出す動機の源泉があったりします。
農家と家庭をダイレクトにつなぐ食のWEBサービスを展開する「食べチョク」創業者の秋元さんも、創業の動機は、子供の頃大好きだった農地が、儲からないという理由で消滅していることでした。
※ビビッドガーデン「食べチョク」は、オーガニック農家と消費者を直接つなぎ、農業の流通課題を解決する(ICC KYOTO 2018)【動画版】
「自分の創りたい未来」を描くときに、これらの「自分らしさ」の発見は大切なエッセンスとなります。
次に、未来にタイムトラベルしてみてください。
ここも、3年や5年先の確実にやってきそうな未来を描くことではなく、20年や30年ぐらい先の「ちょっと想像できない」未来に飛んでください。
そうは言っても、未来予測は様々なところから発表されています。ちょっと調べると、色々なデータが出てきます。
こうした予測される30年先の未来を調べることも大切です。
※こんなサイトの情報が役立つかも知れません
ただデータ収集で終わってはいけません。そこに「あなたの創りたい未来」はありますでしょうか。
データや学者の予測を調べていく中で感じる自分の感情にフォーカスしてください。
すると「関心のある領域の未来」が見えてくると思います。
「食」や「医療」「テクノロジー」などなど。どんな領域の未来に興味関心を持ちましたか?
また、調べていく中で「未来はこうなって欲しい」と「未来はこうはなって欲しくない」が自分の中で沸いてくると想います。
そして、その未来には「誰が喜び、誰が苦しんでいますか」。データから具体的な絵を浮かべて考えてみてください。
未来へのタイムトラベルは、何名かで集まってみんなで調べたデータを集めて、未来を対話してもいいかもれません。
その対話の中で生まれてくる自分の感情に耳をそばだて、自分が創りたい未来のかたちを模索してください。
新規事業の第一歩は、「世の中のニーズがありそうなこと」や「自社でできそうなこと」から考えるのではなく、最初の問いは「あなたはどんな世界を創りたいか」です。
是非、過去と未来のタイムトラベルを楽しみ、あなたの創りたい世界を描いてみてください。
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