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ファンを大切にする組織で共有したい「共感」「愛着」「信頼」を強める方法

michinaru株式会社で学生インターンをしている若林です。

「変化を起こす挑戦者を創る」というミッションの元、新しい事業を生み出す人や組織づくりについて日々勉強をしています。

今週は佐藤尚之さんの「ファンベース」という本を読みました。

 
日本で起きている、人口減少や高齢化といった現象は企業にとって新規顧客獲得を困難にしています。お客さんとなり得る人口の母数がそもそも減っているのと同時に、高齢者は自身の健康への不安や老後の出費に備え、お金を貯めこむようになるからです。

そんな状況の中では「ファンベース」がより重要になってくると佐藤尚之氏は主張しています。

「ファンベース」とはファンを大切にし、ファンをベースにして中長期的な売り上げや価値を上げていく考え方です。

今までの記事では、新規事業をどのように生み出せば良いのか。というテーマで記事を書くことが多かったのですが、今回の記事では新規事業を生み出した後、ファンとなってくれた人とどのように向き合っていくのか。という視点で書いていこうと思います。

企業の経営者や人事の方に限らず、企業活動に関わる全員の人に読んでいただきたい内容となっています。この考え方が頭の中にあることでビジネスはより優しく、心のこもった取り組みになるのではないかと読みながら感じました。

そして、ファンを大切にすることが新規顧客の獲得を目指すよりも売り上げにつながるといった論理的な側面もあります。

それは「パレートの法則」によって説明ができます。

パレートの法則とは自然現象や社会現象など様々な事例に当てはめて語られる法則でもあるのですが、ビジネス的には「全顧客の上位20%が売り上げの80%を生み出している」といった意味合いで使われます。

ファンベース_図

そして企業においてファンと呼べる方々は全体のお客さんの20%ぐらいの少数派だと言われています。

つまり、その少数派であるファンを大切にする施策を打った方が売り上げにもつながるということです。

そのため、今回の記事では
「ファンの支持を強くする方法とは?」という問いを立て

1.ファンが好いてくれている価値自体をあげ「共感」を強くする。
2.ファンが愛してくれている価値を他に代えがたいものにして「愛着」を強くする。
3.ファンを惹きつけている提供元(企業)の価値をアップさせ「信頼」を強くする。

という3つの章で答えていこうと思います。

売り上げを上げるために「ファンベース」を行う。と考えるとなんだか冷たい感じがしますが、「ファンがどうしたらもっと喜んでくれるのか。」という思いやりから生まれる取り組みだと考えられると心が暖かくなりませんか。

そうすれば、ファンベースはとても楽しい取り組みになると思います。

それではそれぞれ紹介していきたいと思います。

1.ファンが好いてくれている価値自体をあげ「共感」を強くする。

1.ファンの言葉を聞いてフォーカスする。
ファンベース施策を考えるための出発点となる大切な取り組みは「ファンたちが愛しているポイント」を知るということです。ここで注意していただきたいのは、企業本位で考える価値とファン本位で考える価値は異なるということです。

そして、アンケートやインタビューではその価値はわからないことが多いです。なぜなら、ファン自身も「どこを愛しているか」をわかっていないことが多いからです。

この価値を知る上で最も適する方法はファン・ミーティングであるといいます。ファン同士の会話に潜む熱のこもった言葉や、ファンとの直接の対話によって企業や商品の「どこが愛されているのか」ファンに寄り添って知ることが大切です。

2.ファンであることに自信を持ってもらう。

ファンは実は自信がないことが多いです。「この商品が好きな自分ってイケテルのか」「この商品のファンって言って笑われないか」など意外と自信がないのです。

そのため、ファンやユーザーの声、有識者へのインタビューなどをきっちり自社サイトなどに載せて、用意しておくことが必須です。SNSやブログでのユーザーの声も自信につながります。マス広告もファンが友人に紹介する際の自信につながります。


3.新規顧客よりもファンを優先して喜んでもらう。
企業キャンペーンなどでよく見られるのは、ファンを喜ばせるものよりも新規顧客獲得を目指すものです。しかし、これからの時代発想を変えてファンを一番大切にする習慣を身につけなくてはいけません。
クルマメーカのマツダはロードスターの新車発表会をファン・ミーティングで行ってます。こういった取り組みによってファンは「マツダはファンを大事にしてくれている!」と共感を強めてくれることになります。

以上3点が共感を強くする方法でした。企業側にとってファンがいかに大切か、そしてどれだけ心を込めて商品を作っているのかを伝える取り組みが重要ですね。

2.ファンが愛してくれている価値を他に代えがたいものにして「愛着」を強くする。

1.商品にストーリーやドラマを纏わせる。
ストーリーやドラマは商品を「モノ」から「コト」に変え、日々の生活で手放せない大事な品にしてくれます。

友人や恋人からプレゼントをもらって嬉しいのは、プレゼントを選んでくれた「想い」や「時間」を感じ取ることが出来るからですよね。

同じように企業も生活者の課題を解決するためにどれだけの「想い」があったか。どれだけの人がそのプロジェクトに携わり、どのくらい「時間」をかけたのか。そして、どのくらい生活者のために試行錯誤し「努力」したのか。

そういうストーリーやドラマがファンに伝わることで、商品を使うときにファンはそれを思い出して心が温まるし、愛着を持ってくれるようになるのです。

謙虚であることも大切ですが、創業ストーリーや苦労物語、開発ストーリなどはファンのためにももっと前面に出して、アクセスしやすくしておくことが大切です。

2.ファンとの接点を大切にし改善する。

ファンはあらゆる接点を見ています。手抜きも不誠実も全て見られています。そのため、企業はすべての施策・接点・活動において、誠実であることが必要です。店舗での接客やコールセンター、SNSといった全ての接点を出来るところから改善していき、忘れられない「体験」を生み出すことが大切です。
ユーザーの商品に対する悪い評価に対しても誠実に向き合い、改善を進めることが出来れば商品の改善にもつながるし、ファンの評価も上がっていくことが多いです。

3.ファンが参加できる場を増やし、活気づける。

ファンが気軽に参加できる場を作り、想いを共有し、企業や商品ブランドの体験を増やしていくことは確実に「愛着」を強くしていきます。

そして商品ではなく、価値を軸にコミュニティをつくることが大切です。

例えば、ランニング・シューズのコミュニティを作りたいなら、シューズ好きではなく、ランニング好きに注目するべきです。ランニングにおけるそのシューズメーカーの課題解決や提供価値を軸にコミュニティを作ると、それを支持しているファンが集まりやすいです。逆にシューズ自体を軸にしても、バラバラな価値観を持ったシューズ好きが集まるだけなので、メーカーのファンは集まらず、盛り上がりは望めないと思います。

以上の三つが「愛着」を作る上で大切な取り組みでした。

商品や人をどうすればもっと、お客さんの喜ぶ形で届けることが出来るか。その視点は企業にとってだけでなく、お客さんにとっても嬉しい体験になるのではないでしょうか。

最後に「信頼」を強くする方法を書いていきます。

3.ファンを惹きつけている提供元(企業)の価値をアップさせ「信頼」を強くする。

 ネットやSNSなどで「企業に本当の姿」がすぐに明らかになってしまう時代です。真の意味での企業の評価・評判を上げなければなりません。そのためには丁寧かつ地道に培われた「信頼」を獲得していきましょう。

1.それは誠実なやり方か、自分に問いかける。
世の中には、利益を追求して不誠実な取り組みを行っている企業が、数多く存在しています。
一度検索しただけなのに、どのサイトを見ても追いかけてくる、しつこいリターゲティング広告。無料期間が終わる前に通知の来ない、自動更新のお試しプラン(一ヶ月無料)

それは誠実なやり方なのか、ゼロから考え直してみてほしいです。

そして、失敗したことや不祥事は隠さずにサイトに残しておくことも大切です。

ファンはそういう誠実な企業の態度を必ず支持してくれます。そして、彼らこそが売り上げを支えてくれているのです。不祥事などの苦境の時に支えてくれるのは彼らです。

そのため、ファンに対して常に誠実な態度で向き合っていくことが大切です。

2.本業を細部まで見せ、丁寧に紹介する。

信頼を強くするためには、本業において「この企業の商品は間違いない」ということをもっとアピールすることが大切です。
そのためには、商品力や品質の根拠となる研究開発や製造工程、制作過程などを細部まで見せることが大切です。
製造工程や制作過程を見せることで、「この企業の商品は間違いない」「あそこはちゃんとしている」といった信頼を強くすることができます。

サイト内で商品やコンテンツの製造工程、開発者や製作者、技術者の顔を出せたら出すようにします。また、工場や研究所、仕事場など商品が作られる現場をリアルに訪れたファンに案内・説明できる体制にしておくことも重要です。

3.社員の信頼を大切にし「最強のファン」にする。

ネットやSNSの普及により企業の内部事情も全て見えてしまうようになった現代においては、社内=社外と考えるべきです。つまり、社内の共感=社外の共感であり、社内の愛着=社外の愛着であり、社内の信頼=社外の信頼です。社員たちの感情がそのまま、外に出ていくと思った方がいいです。

そのため、企業の信頼を作るためには社員の信頼を作ることがかかせません。

企業の信頼を作るためにはまず、創業の志、そしてミッションを共有し直すことが必要です。そして本業周りでも社員の信頼を作っていきましょう。
「お客様第一主義!」と声高に言っているのに、内部では「ノルマ必達!」と言うような矛盾の多い企業になってはいけません。

社員に対しても誠実に、「最強のファン」を社内にも作っていきましょう

以上3つが「信頼」を強くするために大切な取り組みです。
信頼されるには社外に対しても社内に対しても、対しても常に誠実であることがなによりも大切なのですね。

「ファンベース」を読んでみて

最後まで読んでいただきありがとうございました。

今回の記事では「ファンの支持を強くする方法とは?」という問いを立て

1.ファンが好いてくれている価値自体をあげ「共感」を強くする。
2.ファンが愛してくれている価値を他に代えがたいものにして「愛着」を強くする。
3.ファンを惹きつけている提供元(企業)の価値をアップさせ「信頼」を強くする。

という3つの章で答えてきました。

お客さんを売り上げを上げてくれる対象として捉えるのではなく、1人の友達や親戚のような存在として捉えることが何よりもファンベースのスタートになるのではないかと読んでいて感じました。

全ての企業がお客さんを大切にする世の中になったら、私たちの生活はより豊かに心温まるものになると思います。

この記事を読んでくれた読者の皆様にとってこの記事が、優しさを取り入れた新規事業開発、そしてその後の顧客との関わり方を見つけるヒントになっていたら嬉しいです。

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