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期間限定のこの幸せ


ごく一般的な内容ですが、死について書いてます。苦手な方は読まないでください。


昨年大晦日、YouTubeで、「我が子を看取る」というタイトルの小児がんの子どもが亡くなるまでの家族を追うテレビドキュメンタリーを見てしまった。

最初から最後までほぼ泣き通しで見た。映像のチカラって強い。

余命宣告をされている子どもだと言うナレーションが入るが、普通の子どもと変わりなく兄弟喧嘩をするあどけない姿。

でもすぐに「頭が痛い」とその子がしゃがみ込む場面(癌が脳に転移)がきて、ついには、同じような姿勢で痛がっているが、今度はうずくまったまま起き上がれなくなり、家族に抱かれているが寝たきりになる場面。

医師が、病気の進行が早いので、24時間以内にその時が来るかも知れませんが誰にもわかりませんと両親に伝え、時間をおいて母親が嗚咽するという場面。

最後のひとときは母の腕の中で。心のこもった楽器演奏もある看取りの様子が映される。なんと今度は父親が遺体(と思われる分厚く洋服を着込んだ状態)を抱っこして、お礼を言って家族で医療施設を去る場面までが映された。

またときが経って、かわいらしいお弁当がお供えされた遺影を前に、幼い妹が無邪気に話し掛け手を合わせる。


医師と両親が、死の概念をどのように子どもに伝えていくか話し合う場面が忘れられない。

4歳という年齢から言って、死への恐怖は大人とは違ったものになる、と担当医。そんなことは考えてみたことがなかったが、確かにそうだ。

○○ちゃんは頭が痛いから、もしかしたらお空に先に行くことになるかも知れないけど、後からパパとママと兄弟みんなも行くからね、先に行って、ママたちを待っててね、と伝えてます、と母親。

担当医はいいですね、もしかしたら、

お空に行く日が別々で、○○ちゃんのほうがもしかしたら先になっちゃうかもしれないけど、誰が先にお空に行っても、家族はずーーーっと一緒だよ、別々の場所でも家族は一緒で、離れないんだよ、と表現してあげても、子どもにより安心感があって良いかも知れません、と医師。

そっかー。先に行ってひとりで待っててねと言われるより、ママたち家族もずっと一緒だよと説明された方が、子どもの心にとっては安心感が強いかも。小児病棟では、細かい心のケアがなされるのだな、と繊細さに驚き納得した。


生命の話し。そんなドキュメンタリーをなんの気なくYouTubeで見ました。


そして私が思ったこと。


これを、この医師の死に対する心構えの、子ども向けの表現を、うちの普通の生活に組み込もうと思いました。漠然とですが、誰もがいずれは亡くなる訳で。我や先、人や先。家族であっても、お互いに永遠のお別れを言えない場面もあり得ることです。

なので、今までは絵本を読んで、ママはもしも死んでもオバケになって○くんを隠れてずっと見てるから、探してママを見つけてね!○くんからもし見えなくても、ママは死んでもずっとママの方からは○くんを見てるから大丈夫。

悪いことしても見てるし、頑張ってるのもちゃんと見てるよ。こういう言い方で今までは伝えていました。

それに加えて、今度は、パパママ○くんの3人がお空に行く日が、もしも別々になってしまっても、お空と地上で別れていても、その間もずっと家族は一緒だよ。絶対離れないよ。こういう言い方を、付け加えてみようと思いました。

いずれくる死への心の準備と、子どもの安心感、長い目で見たときの家族の幸せのためです。

昨日だったか、息子が急に、ねえママ、親より先に死んだ子どもは地獄に落ちるの?と聞いて来ました。どうしてそんなことを?と思ったら、閻魔大王の描かれた日本の地獄絵本を、本棚から久々に引っ張り出して読んでいました。

息子が4歳か5歳ころに、様々な小さな問題行動が続き、どうすればいいのかと、しつけにほとほと悩み、一時帰国のときに買って当時、恐ろしい絵を見せながら読み聞かせたものです。

早死にした子どもは閻魔様に会わないといけない、といった表現があったらしいのですが、そのことは私は忘れていました。

その絵本の中の場面では、子どもが危ない遊びをして命を落とさないよう、命を大切にするように諌める内容のようでした。

これに加えて、小児がんの子どもや、どうにもならない事情がある場合はそんなことにはならないのよと、教えてみるのも良いかもしれません。

いつか死ぬと常に覚えておけば、今の3人家族の日常も当たり前だけど期間限定の幸せなのよと伝えておけば、より命が輝くと、生きていることは、特別で大切な、今だけのことだと感じられて、いいかも。積極的に生きられるかも。


先祖から続く命を与えられていて、身体に痛みもなく、食べて寝て遊んで学校にも行かせてもらい、大好きな家族と暮らせているというそのシンプルな日常に、より感謝を噛み締めながら暮らせるかも知れない。子どもにはすぐには伝わらなくても、少しずつ話してみようかな、と思いました。

YouTubeと絵本から、そんなことを大晦日の夜中に考えてみました。


昨年3月以降、先が見えない、ストレスで仕事が手につかないと感じたことも、何度かあったパンデミック元年の生活でした。

それに先立つ1月2月は人間関係のストレスで帯状疱疹になり体重が増え一気に体調が崩れていました。


でもよく考えたら、まだまだ幸せでした。在宅勤務、オンライン授業に感謝。ただ夫と子どもと今を生きられていることに感謝なのでした。

息子も毎日突拍子なく、超おもしろいし。


今を大切に。

今のサイズの息子をハグできるこの期間限定の幸せ。

寝付きが悪く、お腹に乗せたら寝てくれて、わたしも寝ていられるので、そうやって幸せに寝ていた頃が懐かしい。今も時々お腹や背中に乗ってくるが、もう重たくて潰されそうなほど。

ママはあなたがいつも大好きです! 

今も、死んでから後も、ずっと愛してます。

伝えていこう。






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