沿岸を走る国鉄単線と狭い国道の向こうの沖に見える、ひょうたん型の島があった。

潮が引く時間帯に見える砂浜、そこを目がけて、本土側から泳いで行けそうな近さ。

潮で泳げない。危ないよ。今度うちの船で連れてったげるね、との約束も叶わないまま、再度の転校で去ったあの町。12歳の記憶。

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