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地域創生の型No.2 地域のオープンイノベーション

2005年にシンクタンクに入社して以来、スタートアップ支援施策に携わり全国のスタートアップ支援を見てきて地域創生に向けた処方箋を簡単ではありますがまとめました。地域創生の型No.2は地域のオープンイノベーションです。

①地域からスタートアップが続々生まれ、②地域に根付いてもらうための型「新産業創出力」については、地域創生の型No.1スタートアップによる地方創生モデルに書かせていただきました。スタートアップが②地域に根付くために必要な要素として、「わざわざそこにいる理由」をしっかり構築することが重要です。では、わざわざそこにいる理由とは何か?東京にはない地域の特徴や強みがそれに当たります。例えば、地場産業や地域中核企業は重要な地域の強みであり、彼らのDX推進や彼らとのオープンイノベーションが進む環境を整備し、彼らと協働するスタートアップを誘致・育成することも1つの手段だと思います。
そこで、我々はあるべき地域のオープンイノベーションの型を考えました。


問題意識:「アクセラ疲れ」VS「スタートアップ疲れ」

オープンイノベーションやアクセラレータプログラムが日本でスタートした2010年代の前半頃以降、大企業を中心にオープンイノベーションの一環としてアクセラレータプログラムに取り組みが広がり、簡易アクセラレータプログラムのようなものが大企業のみならず多くの地域中核企業や地方自治体にも広がり、並行してあちこちでピッチイベントが開催されるようになりました。良いことである反面、本質を理解しない方々がブームに乗っかるかのように取り組んだ結果として、スタートアップ側からは「アクセラ疲れ」「PoC疲れ」という不満が聞こえ、企業や自治体側からは「スタートアップ疲れ」がささやかれるようになりました。なぜか?おそらくお互い成果につながらないことが多いからだと思います。
地域で本当に成果につながるオープンイノベーション環境とは何か?
地域中核企業や地域を支える産業界を集め、彼らと共に成果にコミットしたオープンイノベーションに取り組む環境を整備することにより、魅力的なスタートアップを全国内外から集結させ、地域の産業力を強化するとともにわざわざそこにいる理由のあるスタートアップ企業を誘致・育成することができると考えています。

産官学民4者による共創(クアトロヘリックス)モデル

これまで国内でも産・官・学連携強化が図られ、その重要性が理解されてきました。北欧では、これからのイノベーションにはユーザである市民を加えた産・官・学・民の4者による共創が必要であると考えています。クアトロヘリックスとは、4重らせんという意味ですが、産・官・学・民の4者によるダイナミックな連携が重要だとしています。

クアトロヘリックス


このあたりは私の前職の同僚であった中島健祐さんの受け売りですので、詳細はこちらをご一読ください。

北欧モデルを日本にローカライズするにあたり、私たちは4者の中心にスタートアップを据えることが重要だと考えました。「共創」とは、言葉は美しいですが、その共創を率先してドライブするのは誰か?という、所謂「ドライバーズシートに誰も座りたがらない」問題が発生し、共創が進まず、立ち消えてしまう。そこには、着想や技術力、スピード感を有するスタートアップの存在が必要だと思っています。

当社が考えるクアトロヘリックス

共創に必要なこと

私たちは、産・官・学・民の4者による共創が重要であり、その中心でドライバーとなるスタートアップの存在が重要だと考えています。では、「共創」する上で重要なことは何でしょうか?大前提として重要なことは2つです。

①熱量の高い人

まずは、「人」です。よく、人が大事といいますが、何が大事かというとその人が熱量高い人かどうかだと思っています。熱量の低い人が千人、一万人集まっても何も始まりません。逆に、どんなに少なくても熱量の高い人同士が集まれば、何かの行動が起きます。
量より質にこだわることが、とても価値のあることなのだと思っています。

②共感

もう1つ大切なことは何か?それは「共感」です。
「解きたい課題」「創りたい社会」「取り組むテーマ」への共感があるからこそ、共に創りたいと思います。ハードルが高ければ高いほど、どれだけ共感を集められるかが重要だと思っています。

クアトロヘリックスキャンプ(4重らせん合宿)

これまで述べてきた事柄を実装し当社が独自に開発したプログラムがクアトロヘリックスキャンプです。
少し言語化すると、以下3点に拘り設計しています。
1.地域の強みを生かしたテーマ(わざわざそこにいる理由)
2.参加する「人」の熱量(特に地元企業と自治体)
3.共感を産み、共創につなげる2日間のプログラムと思考のフレームワーク
基本的には「段取り八分、仕事二分」で、段取り八分はとにかく忍耐力が重要ですが、仕事二分は瞬発力が試される面白いお仕事です。
今後は、更に我々だけではなく、地元の人々を巻き込み、「再現性」と「拡張性」のあるプログラムに進化させていきます。

ご参考までに、第2回クアトロヘリックスキャンプin北九州の当日のタイムテーブルはこんな感じです。プログラム構成だけでは再現性が低いのですが、展開します。

参考)第2回クアトロヘリックスキャンプin北九州タイムテーブル


さいごに

長い目で見れば、魅力的な仕事があることこそ若者を惹きつけまちの賑わいを取り戻す事につながります。そのためにも、その地域の新産業になり得るスタートアップを創出し育て地域と共に発展してもらうことが重要です。
私たちは、地域創生に向けオープンイノベーションを推進し、あるべき社会の社会実装にコミットしてまりいます。

また、社会課題解決型5方良しスタートアップと全国の熱い自治体職員の出会いの場「7minutes」も開催しています。
登壇希望のスタートアップと自治体職員の皆さまも募集しています。ぜひ、ご連絡ください。

https://forideal.jp/event/880/


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