見出し画像

脱ペーパードライバーへの道 はじめてのひとり運転で世界が開けた

2018年春にカナダへ来て、3年が経ちました。その年の終わりには娘が産まれ、その後子育てに追われて……。と理由をつけて、避けていたものがあります。それは、車の運転

ペーパードライバーになったきっかけ

免許をとったのは20歳のころ。取得してすぐ、意気揚々と車を走らせました。しかし! 実家の車庫は狭く、車を入れるのにコツが入りました。しかも運転していたのはワゴン。初の車庫入れで、見事にガリガリ。一緒に乗っていた弟の驚愕の表情が忘れられません。めげずに再度でかけたものの、細〜い込み入ったクランクでガリガリ。これが決め手だったように思います。「もう、運転は向いていない」と、諦めました。しかも東京にいれば、電車とバスでほぼどこでも移動は可能。運転から足が遠のきました。更新だけは欠かさず行いましたが、完全に本人確認のために所持していたようなもの。もちろんゴールド免許です。

カナダで運転の必要性を痛感

しかし、カナダに来て状況は一変。カルガリーに移り住んだばかりのころは、バスと電車でなんとか乗り切っていました。が、子供が産まれてからというもの、まぁ移動が大変。さらに、コロナ禍で公共の乗り物は制限もかかり、車移動がどうしても必要になりました。こちらの友人も私が運転できないことをいつも気遣ってくれて、心苦しくなることも。いよいよ運転欲が高まりました。そこで、昨年の春の終わりから本格的に運転練習を開始したのです。

ちなみに、日本の運転免許からカナダの免許への切り替えは簡単。領事館で必要書類を申請して受け取り、所定の場所にもっていけば、30分もかからずに手続きは完了。こちらで運転免許試験を受けなくていいのは助かります。

いざ、運転

まず、本格的に運転をはじめる少し前に、こちらのペーパードライブ講習に参加しました。1回100カナダドル。2回お願いしました。意外に戸惑ったのが左右の逆。運転していなかったのに、感じるこの違和感。なんなんでしょう。すべてが左右逆なので、左折サインを出そうとすると、窓のワイパーが動き出す……。を繰り返し、ギャグのようでした。しかし、根気強い先生。ときには、何気ない会話からリラックスするよう促してくれました。終わりには、「ここまで運転できれば問題なし。あとは慣れだから。とにかくリラックスね」とのお言葉。よかった。

なかなかひとりで運転にたどりつけない

いよいよ今度は家の車で実践! 夫に助手席に乗ってもらい、近所のスーパーからはじまり、少し遠出して山へのピクニックへの運転もがんばりました。しかし、なかなかひとりで運転が踏み出せない。たとえば、とろとろしていると(そんなつもりは決してないのですが)、ビービーと後ろの車から容赦ない攻撃。こ、怖い。夫からも「次の春になるまでは、ひとり運転は難しいかもなぁ」なんて言われて、「そんなにかかるの‼︎」と内心思いつつ、もうすぐ1年がたとうとしています。夫の予想は大当たり。

ついに一歩を踏み出すときがきた

いかん。このままではいかん。ふたりめの子供が生まれるこの5月半ばまでには何とかせねば……。4月を前にいよいよ焦りが生じてきました。ついに、雪もとけたこのタイミングで、えいやっとひとり運転デビューを決意。目的地は、家から車で10分弱のスーパーまで。

混み合うこともないローカルな道なのでこれならいけるはず。と、選びました。「何かあったらタクシーで駆けつけるから」と夫。道はわかっているものの、念のためカーナビもセット。いざ!

あぁ、日差しが強い。走る時間帯を間違ったか。いやいや、焦るな自分。サングラスをかけて出発。途中、工事中のサインがあり、ドキドキ。後ろから車がきてドキドキ。下校時間とぶつかり、スクールバスの列に出くわしてはドキドキ。リラックス、リラックス。息をととのえます。何度か調整し、縦列駐車もクリア。何度となくきたお店なのに、ようやく到着したときの安堵と言ったらありません。

そうして店での買い物を済ませ、鍵を解除しようとドアに触れると、ドアがスムーズにオープン。あれ? そうなんです。着いて安心して、すっかり鍵を閉めるのを忘れていたようなんです。そういえば、いつもは夫がやってくれていたことが多かったかもしれない。少々驚くも、これくらいなんてことない。と、気を取り戻し、カーナビをセットして帰り道へ。少し慣れてきたのか、音楽を楽しむ余裕も出てきました。カーナビのとおりに進んでいくと、あれあれ? これはいつもの道じゃない。どこだろう? そうなんです。カーナビってば、大きくて広い道へと誘導しがちみたいで、大通りのせわしない道へといつの間にか入っていたのです(汗)。ひゃー「この道行くの‼︎」と思わず声が。慌てない、慌てない。何とか軌道修正し、いつもの道へと戻り、ほっとひと息。カーナビに頼りっぱなしもいけないな、と肝に命じました。

そうこうしているうちに、どうにか自宅が見え、駐車場へ。最後の難関は車庫入れ。注意深く入れて、停車。ドアを開けて確認すると、タイヤが思いっきり路肩に乗っかっている。いかんいかんと、バックしながら修正。最後の最後まで気が抜けませんでした。

よえやく家のドアを開けると夫と娘がお出迎え。で、できた。できた! この私でも、ひとり運転ができました。ようやく進んだ一歩。たった10分の距離でしたが私にとっては大冒険。ガチガチに緊張していたようで、気づけば両腕が筋肉痛のようです。

足りなかったのは、度胸。小さな一歩でしたが進みだすと、見えなかった世界が見えたよう。行動範囲を広げていこう。自信へとつながりました。ひさしぶりに感じた達成感です。

さぁ、次は、娘を連れて公園まで。この波にうまくのれるよう、来週には実践したいと思います。子供ふたりを乗せて、いろいろ出かけられるようになるまであと少し。夏の実現に向けて、このまま突っ走ります!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?