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eスポーツはスポーツである!ゲームが競技になりうる理由とは?


eスポーツ・・・「エレクトロニック・スポーツ」の略称であるこの言葉は、コンピュータゲームやテレビゲームをスポーツ・競技として捉える際に使用される名前です。近年eスポーツ産業は急速に発展を続けており、現在の世界の競技人口は、1億人を超えると言われています。


しかしながら、世界的に有名なゲーム会社を数多く抱えていながらも、日本ではeスポーツの発展が他国に比べて遥かに遅れをとっており、「eスポーツ後進国」とも呼ばれているほどです。その原因の一つとして、国内では、

eスポーツはスポーツではない

と、テレビゲームを競技として捉えることに否定的な意見が散見されており、その理由としては、

・スポーツとは、体全体を使うものであり、ゲームはそれとかけ離れている
・運が介入する要素が大きすぎる
・ただテレビゲームで遊んでいるようにしか見えない

などが挙げられています。


しかし、僕はここで断言させていただきたいです。


eスポーツは、れっきとしたスポーツである!

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なぜならeスポーツには、スポーツに似通う要素が多く存在するからです。今回の記事では、eスポーツがスポーツになりうる所以を説明していきます。

1.eスポーツには、肉体的鍛錬の要素が存在する。


そもそもスポーツの定義とは何でしょうか。『広辞苑』には、以下のように記載されています。


スポーツ【sport(s)】
陸上競技・野球・テニス・水泳・ボートレースなどから登山・狩猟などにいたるまで、遊戯・競争・肉体的鍛錬の要素を含む身体運動の総称。(広辞苑 第六版)


つまりスポーツとは、幅広く身体運動を指す言葉であり、かつ遊戯・競争・肉体的鍛錬の3つを含んでいれば、スポーツだといえるということになります。一つずつ見ていきましょう。


遊戯・・・

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eスポーツは間違いなく楽しいものであり、遊びの要素が含まれています。


競争・・・

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eスポーツの大会は、種目で競い合って勝敗を決めるものであるため、これもクリアしています。


肉体的鍛錬・・・・・・・

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ありゃ?


そんな要素ないんじゃないの?と思った方もいらっしゃるかもしれません。


ところがeスポーツにも、肉体的鍛錬の要素は存在します。


eスポーツのプレイヤーが鍛えている肉体の部分、それは、


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脳です。


「肉体」と言われると、「肉」という漢字から筋肉をイメージしがちだと思いますが、脳も当然、肉体の一部なのです。


eスポーツで勝つためには、動体視力、反射神経、思考力など、脳を用いたあらゆる情報処理能力が高くなくてはなりません。

実際、世界のトップレベルのプロゲーマーの、視界の中に入ったものに関する情報処理能力は、フィジカルスポーツのアスリートのそれを凌ぐとも言われています。プロのeスポーツプレイヤーたちは、ゲームに勝つための能力を身につけるために練習を繰り返しながら、「脳」という肉体を鍛え続けているのです。


2.eスポーツは、実力が大きなウエイトを占める


eスポーツをスポーツと認めるべきでないという理由の一つとして、「運が介入する要素が大きすぎる」といったものがありました。が、これは非常に大きな間違いです。


皆さんが、来週テニスの試合をするとしましょう。

絶対に勝たないといけないとなったら、今何をすべきでしょうか。

とにかくテニスの練習をするべきですよね。

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では、eスポーツの試合で勝つためには、事前に何をすべきでしょうか。当然、練習するべきです。


eスポーツとは、テレビゲームをスポーツとして捉える際の言葉というのは、先ほど説明しました。しかし、この世に存在する全てのテレビゲームが競技種目として採用されているわけではありません。それについては様々な理由が考えられますが、一番重要なのは、そのテレビゲームを競技として成立させることが可能か、です。

ジャンルとしては、格闘ゲーム、シューティングゲーム、パズルゲームなどが主なeスポーツの種目となっています。これらのゲームはいずれも、勝つためには緻密な操作や高い情報処理能力が必要となり、実力差を如実に反映させることのできるものとなっております。

更に、eスポーツの大会では、ゲーム内の設定を変更したり、大会独自の制約やルール設定を行うことで、可能な限りランダム要素を少なくできるように工夫されています。

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運の要素が強いじゃんけんや、すごろくなどと違い、初心者がプロのプレイヤーに勝つということは人生における全ての運を使い果たさない限り不可能と言っていいでしょう。

eスポーツでは、実力がなければ勝つことができません。実力が高い方が勝ち、低い方が負ける。フィジカルスポーツにおいても同じことが言えますね。


eスポーツは、ランダム性を極力排除することにより、ゲームを競技として成立させているのです。


3.eスポーツは、ファンへ熱気、感動を届けてくれる


サポーターを増やすためにスポーツになくてはならないもの、それは人に感動を与えることではないでしょうか。eスポーツにも、そういった要素がもちろん存在します。


以下の動画をご覧ください。


こちらの動画は、アメリカで行われた『Super Smash Con』と呼ばれるスマブラの中でもかなり大きなイベントでの試合動画になります。

この動画で対戦している日本人プレイヤーは、「若き天才」、「スマブラ最強高校生」とも言われているザクレイ選手。弱冠17歳でありながら、ゲームに関する知識、多くのキャラクターを使いこなせる高い順応力、相手の動きの多くを見てから行動できる反射神経、あらゆるスキルがトップレベルであるところから、日本最強のプレイヤーと呼ぶ声も多くみられます。

対するはメキシコ出身の世界最強プレイヤー、MkLeo選手。彼もまたスマブラの競技シーンで若き天才と呼ばれており、二人の対戦は全スマブラファンがとても注目しているカードでもありました。

試合は2-2のフルセットにまでもつれこみ、(格闘ゲームのトーナメントは、2本先取か3本先取のルールで行われることが多い。)迎えた5戦目、お互い譲らない展開となりましたが、惜しくもあと一歩のところでザクレイ選手は敗れてしまいます。

膝を崩し悔しさで床を叩くザクレイ選手。

高校生にも関わらず、常に冷静で落ち着きと貫禄を持ったプレイヤーと言われているザクレイ選手が、試合でここまで感情を露わにしたのは初めてのことです。必死に練習し、研究し、ゲームを愛しているからこそ、取ったリアクションなのだと思います。画面を通して見てみても感極まるものがありますね。

それに対し、健闘を称えるコメンテーター

拍手喝采をする現地のスマブラファンの方々

スタンドアップオベーションしている人も見受けられます。

eスポーツは、これほどまでに人を魅了させるエンターテインメントであり、スポーツ観戦と同じく熱気、感動を与えてくれるのです。


おわりに


いかがでしたでしょうか。

日本のeスポーツの発展は、多くの人がeスポーツを「たかがゲーム」という考えから「競技」と捉えることで大きく前進すると僕は考えています。

この記事を読んで、一人でも多くの読者の方々が、eスポーツのスポーツとしての側面に着目していただけたらと思います。

最後まで読んでくださりありがとうございました!

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