見出し画像

訪問看護師がNetflix『今日もあなたに太陽を~精神科ナースのダイアリー~』 を観て思うこと⟡.·*.

久々の連休なわたくし⟡.·*.
そのうち1日は、観たいと思っていた韓ドラを一気にみてやろうと、朝早く部活の娘を送り出し、朝早くからテレビの前に鎮座。

途中になっていた
『今日もあなたに太陽を~精神科ナースのダイアリー~』をイッキ見した。

精神科に勤務することになった看護師ダウンが、精神病棟の中で出会う世界と傷ついた人々と織りなす様々なストーリーを描いたドラマ⟡.·*.

私は訪問看護師で、主に退院後の患者さんの体調管理や必要な医療ケアを、自宅に訪問して行うという仕事をしている。

訪問看護では様々な患者さんがいる。
小児~高齢者。様々な疾患、癌終末期、難病、慢性心疾患、認知症etc..…多岐にわたる。
そして、精神疾患の患者さんも多い。
私はこれまで精神科での勤務歴はない。
今勤務している訪問看護ステーションは精神疾患に特化しているわけではない。
けれど、身体的疾患病名で訪問看護に入っても、既往で精神疾患のある方は意外と多い。
そのため必然的に関わる事が多い。

このドラマを観て、まず、病院で働く看護師の姿と精神科疾患の患者さんの看護について、とても現実的に描かれていると思った。
リアルな医療ドラマだなと⟡.·*.

看護師の葛藤、過酷さ。
医療者の関わり。病院の役割…
精神疾患のある方の社会復帰の難しさと家族の思い。社会の偏見。

精神疾患についてや、看護師の関わり方が改めて勉強になるドラマでした⟡.·*.

精神疾患のある方は退院してからこそが重要と思う。
薬で症状をコントロールし落ち着いても、日常生活を過ごすのは、例えるなら
登山とか長距離マラソンと同じような感じと思っている。
今、関わっている患者さんたちも1歩進んで3歩下がるを繰り返しつつ、前に進んでいる。

ドラマでも病院を出て、外の世界に身を置く事の大変さを描いていた。

ドラマで妄想にとらわれるキム・ソワンという患者さんがいて、主人公とのエピソードが印象的。
私が看護師2年目位に出会った患者さんが頭に浮かんだ。忘れられない患者さんの1人。
私も主人公とキム・ソワンと、同じような経験をした。
ただ体調不良と不眠の訴えで入院してきた患者さん。回復してきて、外泊を希望した。
そのまま外泊中に自ら命を絶ってしまった。
その時は私もまだまだ看護師としてはひよっこで、ただその事実にショックを受けた事は覚えている。
今となっては、
その方が重症なうつ病だったのかな。
精神科に任せる必要のある患者さんだったな。と振り返る。
そして、その方がどうしてあの時外泊を希望したのだろうと考えたりする。

精神疾患は治らない、なったら終わり、関わりたくない、人に言えない……
まだまだ偏見があるのは事実。そんな認識の世の中で、患者さん自身もなかなか人に話せない。その家族もそうだ。
私も訪問看護師として働くまでは、とても恥ずかしいし、情けないが、怖いとか避けたい気持ちがあった。
今、訪問している患者さんと関わる中で、偏見はなくなり、もっと話をして、何を考え思っているのか知りたいと思うようになった。

精神科訪問看護を行う上で必要な研修があり、その中で今でも関わる時に意識している言葉がある。
『患者の情動の変化に目を向けて下さい』
という言葉。

身体的疾患に多く触れていて、痛い・苦しいがはっきりしている患者さんと長く向き合ってきた自分には、最初は何だか難しいなと思っていた。

会話がキャッチボールのように続かない事も、何も話してくれない人もいる。
そのような中で、部屋に入った時の感じ、感情やふとしたしぐさに目を向けると、あれ?今日は何か違うかも。と向き合っているうちに気がつく事がある。

症状がコントロールされて退院したが、薬をやめてしまい戻ってしまう人。
幻聴・幻覚が残っていて、それと常に闘いながら向き合っている人。
社会復帰をし、周囲に理解を得ながら頑張っている人。
退院後の不調を家族に理解してもらえず、苦しむ人。
孤独に病と闘わなければならない人。
得体の知れない不安で家から出られない人。
常に不満・怒りにとらわれてしまっている人。ドアさえ開けてくれない人。 様々です。

それでどうサポートするかなのですが、
サポートします!って言うより、
寄り添う事が大切だなと日々思っていて。
このドラマを見ていてもそう思う。
これが簡単そうで、なかなか難しい。
看護師たるもの、何かしてあげなきゃ!
何か変えなきゃ!と奔走したくなる。
けれど、それではうまくいかなくて。
静かに寄り添っていると、相手から話をし始めたり、ヘルプを求めてくれる事がある。

―  私たちは患者の心に
                        波を動かす事しかできない ―
ドラマのセリフ。
本当にそうだと思いました。

ドラマでは愛情・母親(家族)にもフォーカスしていたと思います。
なかなか関係が近すぎると、逆に話せなかったり、分かり合えなかったり、うまくいかないこともありますよね。

日常生活に戻った時に、寄り添う事ができ、緩衝材的な役になれるのが訪問看護師なんだろうと改めて思う。

   ―正常と非正常の境界線で生きている―

このドラマの最後、主人公チョン・ダウン看護師のセリフ。

チョン・ダウンは自分も心を病んでしまいましたよね。その姿の演技が素晴らしかった。近くで生死を目の当たりにする医療者も、心身に不調をきたしてしまう事は、珍しい事ではありません。やっぱり人間です。

チョン・ダウンは師長の言葉に感化されて、看護師を続けられました。
あのシーンは私も泣けてしまいました。
感情を出して、本音を話す。
それがなかなか難しいと思う。←ができないと、やっぱり心は辛くなる。
訪問看護では患者さんの家族には言えない本音を聞く事が多いです。
家族の苦しさを聞く事もあります。

今は色んな働き方や学び方ができる世の中だし、社会福祉も充実している。
無理だと思ったら、根性論なんてものは投げ捨て、難しく考えず離れる勇気も必要と思う。自分の意思を大事にしてほしい。
ドラマでも言っていた、
     『ヘルプミー!!』&『NO!』
って言える事が大きな1歩になると思う。

健康で元気でいられるって事がやっぱり大事⟡.·*.
生きている意味とか、そんな事は考えず、疲れたら眠る、お腹が空いたら食べる、太陽を浴び、笑って泣いて、1日1日を過ごす。
毎日それができていればOKかなと。
思います(´˘`*)
それが当たり前だけど、何だか簡単ではない事もありますよね。
訪問看護師としては、患者さんもそのような時間・日常が、当たり前であるように一緒に伴走して行かなきゃなと思います𖤣𖥧𖥣𖡡𖥧𖤣
         
           ⟡.· ⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯ ⟡.·

このドラマを通して色々な事を思い、感じ、改めて看護師という存在についても考えさせられました⟡.·*.         もう1周みたい感じ。

大変長くなりました…<(_ _٥)>
最後まで読んで頂い方がいましたら、
ありがとうございました⸜(◍´˘`◍)⸝ ‎





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?