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2021.5.17 「調布市道路陥没事故を受けて外環道工事の認可取り消し、工事の中止を求めると共に大深度地下特別措置法の廃止を求め、被害住民に徹底した補償を求める要請書」東京都知事、東京都建設局三環状道路推進部部長宛に提出

#外環道工事の中止を求める
※この文面と同じ文面を、国土交通省高速道路課にも提出しました

「調布市道路陥没事故を受けて外環道工事の認可取り消し、工事の中止を求めると共に大深度地下特別措置法の廃止を求め、被害住民に対する徹底した補償を求める要請書」

東京都知事 小池百合子様
東京都建設局 三環状道路推進部部長様

2020年10月18日、東京都調布市つつじヶ丘にて住宅地の真下が陥没する事故が起きた。
陥没は6㍍×5㍍×深さ5㍍にも及ぶ巨大な穴で、怪我人などはいなかったが、付近の住民に大きな不安を与えた。
その後、昨年11月3日に同じく調布市つつじヶ丘にて長さ30㍍×幅4㍍×厚さ3㍍もの今度は巨大な空洞、そして同じく調布市つつじヶ丘にて11月21日、長さ27㍍×幅4㍍×厚さ4㍍もの巨大な空洞が地中にて見付かった。
そして今年の1月14日、また新たに深度16メートル、幅4㍍×長さ10㍍×厚さ4㍍もの空洞も見付かった。
昨年から同地区にて地上と地中にこれほどの異変が続き、昨年の12月18日に工事事業者のNEXCO東日本が「因果関係を認めざるを得ない。住民におわびする」と正式に因果関係を認めた。
工事を始めるにあたって事業者側は近隣住民に「大深度では地上には影響はない」との説明で地権者に同意もなく工事を始めたが、この事業者側の説明は今となっては全く根拠がなかったもの、と言わざる
を得ない。
住民はシールドマシンが通過する八月中旬にはトンネル工事の影響を感じていたという。
毎日続く振動と騒音に悩まされ、自宅のブロック塀に亀裂が走る被害もあった。
住民の誰もがこのような陥没事故は「いつかは起きる」と感じていた外環道の工事だった。
この陥没、空洞以外にも一息吸えば即死するほどの酸欠濃度の空気(酸欠気泡)が地下の掘削現場から調布市を流れる野川に何度も湧いてきている。
この酸欠気泡も外環道工事が起因と事業者側は認めている。
今回の外環道工事の根拠となる法律の「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法(以下、大深度法)」は、いったい何を根拠に「地下40㍍以深は地上に影響が出る事はない」という仮説と共に立法され
たのか。
科学的根拠が伴い「地下40㍍以深ならば地上に影響が出る事はない」としているのならば、是非とも広く国民にその根拠を示していただきたい。
今回の陥没事故や、空洞、酸欠気泡はこの大深度法の前提が完全に崩れ去り、「地下40㍍以深ならば地上に影響が出る事はない」とする根拠が全く示せない状況になっている。
今後、陥没事故や空洞や酸欠気泡のあった地域以外もこれらのような被害が出ることは容易に想像がつく。
国交省、東京都とNEXCO東日本は今回や今後、事故による被害が出た場合はどのような責任を取るのか。
事業者のNEXCO東日本は、「家屋損傷があれば誠意を持って対応する」と発言しているが、資産価値の下落や、住民の健康被害にまでしっかりとした補償、住民の誰もが納得出来る補償をするつもりはあるのか。
赤羽国土交通交通大臣と小池東京都知事は3月29日(同月31日告示)に外環道の「都市計画事業施行期間延伸」を認めた。
この処分は、陥没事故を初めとする現在起きている問題についての国と東京都の無責任な姿勢を改めて示したものだ。
赤羽国土交通大臣と小池東京都知事が事業認可を認めて事業を行っている以上、国土交通省はもちろん、東京都にも連帯責任を負う必要性があると理解するが、事業者のNEXCO東日本は住民側が到底納得出来ない補償を提示した場合、国土交通省と東京都はどのように住民側を納得させ、どのような責任を取るつもりなのか。
当初道路工事計画が始まった1966年から現在は社会情勢が大きく変わり、今の人口減少社会による新規の道路工事は不必要性が高く、更に現在のコロナ禍で国民生活が困窮する中、総事業費約2兆4000億円もの巨額な金額を投入する意義は全く感じられず、まさに不要不急の道路工事だといえる。
国交省と東京都、NEXCO東日本は「所有権は侵してはならない」とする日本国憲法29条違反を潔く認め、科学的根拠がまるでないまま立法された大深度法の廃止と共に、外環道工事の認可取消し、外環道工事の全面中止を強く求めると同時に、今回損害の出た地権者、被害住民、不安を覚える地権者、被害住民に対しての徹底した、そして全ての被害者が納得出来る補償をするよう改めて強く求める。

東京都三鷹市 甲斐正康
       甲斐陽子

☝当日のライブ配信。他にも、コロナ関係の情報開示請求も行いました。

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