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9月29日三鷹市議会第三回定例会 「2024年問題によるトラックドライバーのさらなる処遇改善のため貨物自動車限定の高速道路料金負担の見直しを求める意見書(案)」 審議 

9月29日に行われた三鷹市議会令和5年第3回定例会にて、「2024年問題によるトラックドライバーのさらなる処遇改善のため貨物自動車限定の高速道路料金負担の見直しを求める意見書(案)」が審議されました。
提出者は会派・「きらりいのち」伊沢けい子議員。賛成者は会派・「きらりいのち」野村羊子議員、同・石井れいこ議員。(以前の投稿で、提出者野村羊子議員と誤って投稿いたしました。大変失礼致しました)

意見書案第34号「2024年問題によるトラックドライバーのさらなる処遇改善のため貨物自動車限定の高速道路料金負担の見直しを求める意見書(案)」

働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律は、労働者がそれぞれの状況に合わせて柔軟に働き方を選べる社会の実現を目的にして、2018年に成立し、2019年4月以降順次施行される。
その中で物流業界では、以前より課題であったトラックドライバーの長時間労働の改善を目指し、2024年4月1日以降、自動車業務の年間時間外労働時間上限が1,176時間から960時間になる。
しかし、次のような課題が懸念されており、これを「2024年問題」と呼ぶ。 
一点目は、トラックドライバーの不足である。
日夜、荷物の移動で生活を支える物流、運送業界は業務の特性上、長時間労働が常態化しやすい業種であり、ドライバーは、時間外手当を受け取っているケースが多い。だが、2024年以降、時間外労働の上限規制が適用されれば、稼働時間が減り、その分賃金も減少する。賃金が減少すれば離職率が高まり、トラックドライバーが不足する。
二点目は、時間外労働規制時間内では輸送が追いつかなくなることである。
現在はトラックドライバーの長時間労働により国内輸送は支えられている。なぜなら、運行上、荷主の都合により荷待ち時間が発生したり、積込みや荷下ろし等もドライバーが行わなければならない場合があったりして、運行時間以外の作業時間が長時間となる。長距離での運行の場合、時間外労働規制によりドライバーの労働時間が規制されると、直接荷物を届けることが不可能になる。野村総合研究所によれば、2030年時点で全国で35%の荷物が運べなくなると試算されている。
物流とは、日本の経済を支える血管であり、トラックドライバーが減少するということは、物流が滞るということであり、大きな社会問題に発展する。
以上の問題を解決するには、流通コストの低減、労働環境改善のため、より高速道路の活用が必要であると考える。しかし、物流業界では運ぶ側が高速料金を負担することが前提となっているため、運送会社やトラックドライバーはコスト削減のため、高速料金を利用するのを極力控える傾向にあるのが現状である。
マスコミなどで報道される機会の多い深夜の高速道路料金所での渋滞の問題は、深夜の高速道路割引料金を活用するためであり、結果的に運転手が睡眠時間を削り、長時間労働となる。すなわち、深夜料金の見直しや高速道路の速度制限の見直しなどではなく、高速道路料金そのものの負担軽減が必要である。
よって、本市議会は、国会及び政府に対し、物流業界の2024年問題の時間外労働対策と社会インフラを担うトラックドライバーの処遇改善を図るため、貨物自動車限定の高速道路料金の無料化を求める。
上記、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

意見書(案)提出者、会派「きらりいのち」伊沢けい子議員

賛成人数11人
賛成議員
伊沢けい子(きらりいのち)
野村羊子(きらりいのち)
石井れいこ(きらりいのち)
谷口敏也(民主緑風会)
高谷真一郎(民主緑風会)
おばた和仁(民主緑風会)
岩見大三(民主緑風会)
栗原けんじ(日本共産党)
前田まい(日本共産党)
紫野あすか(日本共産党)
大城美幸(日本共産党)

反対人数15人
反対議員
吉田まさとし(自由民主党)
池田有也(自由民主党)
加藤こうじ(自由民主党)
土屋けんいち(自由民主党)
太田みつこ(無所属)
吉野けんさく(無所属)
山田さとみ(都民ファースト)
原めぐみ(都民ファースト)
成田ちひろ(無所属)
佐々木かずよ(公明党)
赤松大一(公明党)
大倉あき子(公明党)
粕谷稔(公明党)
中泉きよし(日本維新の会)
蛯澤征剛(参政党)

賛成少数、否決

反対討論・佐々木かずよ議員(公明党)
反対理由
1.多額の予算が必要となる
2.他の車との不公平感
3.問題の根本解決には至らない

「貨物自動車限定の高速道路料金見直し」が今現在行える政策の中で最も現実的な2024年問題の対策であると個人的には考えます。
国の緊縮財政推進、プライマリーバランス黒字化目標により、多くの予算が削減され、国民の総貧困化が進んでいます。
2024年問題を突き詰めていくと、農業離れやインボイス制度、非正規雇用の増大など、「弱者切り捨て政策」「社会的な弱者の淘汰」の国の新自由主義政策推進に行き着きます。
新自由主義脱却、積極財政推進として、「貨物自動車限定の高速道路料金無料化」を行い、新自由主義脱却を目指す。
トラックとは大事な社会インフラです。
トラックが止まれば日本経済は経済は即止まります。
インフラに投資するのは当然のこと、新自由主義推進により、国が疎かにしてきたことです。
先ほどから何度も言っていますが、弱者切り捨て政策、弱者淘汰の政策が進んでいます。
本当の問題解決は、新自由主義脱却です。
新自由主義とは「働く労働者をコストとみなす」「資本市場の規制緩和、公共事業の民営化、緊縮財政」が代表的と言われています。
世界的な新自由主義の波に飲み込まれる現在、政府が積極財政に転換し、運送業界だけでなく、国が働く労働者をもっと大切にすることが、本当の問題解決になります。
その第一歩が、「貨物自動車の高速道路料金無料化」と考えます。
実際に現場で業界の事務方の人間と話すと「賃金交渉は行っているが、荷主がなかなか応じてくれない」「トラックGメンに相談することはなかなか出来ない。後でバレたら仕事を切られる。切られる理由なんて後付でなんとでも言える」とほとんどの人間は言います。
この意見書(案)に反対した議員さんには、是非とも一度でも現場に足を運んでいただき、トラックドライバーの現状を机上だけでなく、リアルに感じてほしいと切に願います。

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