アイドルの自尊心 ~対面イベントの話

わたし自身は対面イベントに参加することに興味がなく一生行くことはないけど、参加した方のレポはよく知らないアイドルであっても微笑ましく拝見している。(偽造もあるようだし正確ではないこともあるというのは前提として)

よく考えたなぁと思うような面白いやり取りだったり、アイドルも涙ぐむ心のこもったメッセージを伝えていたり。その場にいなくても人柄や臨場感が伝わる素敵なものをたくさん目にする。

しかし、ごくたまにモヤモヤした気持ちになることもある。

実社会だったら確実にセクハラとされたり、男性ファンが女性アイドルに対して行ったら非難されそうな質問やリクエストを目にしたときだ。

現在、某事務所で起きていた性加害問題がとても関心を集めている。

そんな状況下で、ファンからアイドルへの、女性から男性への、セクハラ的なエピソードがとても楽しげに、1ミリの罪悪感もなく拡散されているのを目にしてなんだか複雑な気持ちになった。某事務所の事件から学んだり感じたりしたことはなかったのかい?

アイドルとファンだから、アイドルから手を握ったりしてるから、女性から男性に対してだから、気をつけなくてもいいことなのかな?
それが1件だけじゃなく何度も繰り返されたら若いアイドルの心にどんな影響を与えるんだろう?
ファンだと名乗ったとしても、ホテルや自宅に侵入する個人はただの犯罪者なんだから、対面イベントでセクハラする個人もただの変質者でしかないのでは?スタッフはそういうとこ気にしないの?
まぁでもセクハラと感じる基準は人それぞれだろうから線引きが難しくはあるのかもしれないな…

湧き上がるモヤモヤにnoteを書かずにいられなくなった。

ちなみに、わたしが対面イベントに興味がないのはお金を介さないと成立しない1対1コミュニケーションの場が死ぬほど苦手だからだ。

以前noteに書いたことがあるが、キャバクラの体験入店は2日と持たず、お見合いパーティーのサクラも辛くて仕方がなく1回でやめた。仕事という名目で、興味のない不特定多数と会話して気に入ってもらわなければならない状況に、何か大事なものが削られる気がした。振り返ってみるとそれは自尊心だったのではないかと思う。(どんな人にも興味を持って接することができ、楽しくお仕事できる方もたくさんいるのはわかってます。) その逆のこちらがお金を払うパターンも同等かそれ以上にきついだろうし、まったくやりたいと思わないタイプなのだ。

そんな人間なので余計にかもしれないが、セクハラ的イベントレポを目にする度にアイドルのメンタルが心配になる。言いたいことを言い、やりたいことをやり、言いたくないことは言わない、やりたくないことはやらない。そういう自由と余裕が彼らにありますように。

個人的な感覚だと、知らないおじさん・おばさんに要求されたら嫌なことは、アイドル、というか恋人でもない他者全般に対してしない方がいいのではないかと思う。

知らないおじさんから「好きです」と気持ちを伝えられるのはいいけど「告白して」「プロポーズして」と要求されるのはきついし、接触系の○○してとか、性的なことを連想させる質問(恋人と寝る時~みたいな)は無理すぎると感じる。恋愛対象を異性(または同性)に限定したような質問も、未だにそういう失礼なことする人いるんだとびっくりする。がっつり色恋的なやり取りを期待してる人はそういうサービス前提のお店に行くべきだし、パフォーマンスが本業のアイドルに求めるのは酷なのではと思ってしまう。

アイドルというのはたくさんの愛やお金と引き換えに何をしてもいいオモチャではないはずで。どんなときも一個人として尊重されていてほしい。

そういうレポが悪気なく拡散されれば自分も同じようにやりたいと思う人が出てきちゃうのはわかる。でも、対面イベントでコミュニケーションをとる人は、相手がどう感じるか、いったん自分と赤の他人に置き換えて考えみてほしい。こちらは相手をよく知っている感覚であっても、向こうからしてみれば人となりも何もわからない他人なのだから。

ネットの誹謗中傷が与える影響に敏感な人は多い一方で、対面イベントの心労は軽んじられている気がしてならない。かなりきついと思うんだけどな。事務所がハラスメント防止とアフターケアをしっかりしてくれたらいいのだが。

せっかくの対面イベントでは、アイドルとファンの双方が心から楽しい時間を過ごせるよう願うばかりだ。



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