見出し画像

BTSはなぜ国境を越えたか - ド新規ARMYによる考察

2020年末から急速にBTSにハマったド新規ARMY・Michelleです。今日はなぜBTSがガチの世界規模で愛されるに至ったのかを新入りファン目線で考えてみたいと思います。

K-POPについてもマーケティングについても素人なわたしがつい長文で語りたくなる「ファン体験」「熱量」を想像してみてください…そのパワー、恐ろしいでしょう?


1.ファンへの信頼に基づいたウェブ戦略

わたしがBTSにハマりだしたきっかけは、他の多くのファンと同様にYouTube。MVや公式が発表している動画以外にもファンが作成したコンテンツが無限に存在しています。

もともとK-POP文化は著作権、肖像権に対してかなりゆるいところがあるようで、マスターと呼ばれる一部のファンが個人的に撮影したアーティストの写真を使ってグッズを作成・販売することもあるんだとか。当然ながらライブなどでファン個人が撮影した写真・動画をSNSに載せるのは当たり前に行われています。(そもそもライブが撮影禁止なのは日本くらいだと思いますが)

アーティストの肖像権侵害によるマイナス作用よりも「ファンによる情報と熱狂の拡散」というプラス作用を選択しています。

当然ながらテレビ局等のの制作映像については著作権が生じるため、安易に映像を流用することはできません。しかし、BTSの所属事務所は関連会社で番組を制作し、テレビ局を介さずウェブ配信しています。それについては流用に対して規制をかけていないようで、世界中のファンが自分たちの言葉で字幕をつけて拡散しているのです。

また、そのコンテンツも音楽番組では伝えきれないメンバーの人となりが伝わるような内容で、飾らないありのままをたくさん見せる=人々から愛されやすい素材を提供しています。

事務所側は英語字幕すらつけない動画を配信することも多かったのですが、ファンが代わりにその仕事をしています。ファンは動画をYouTubeにアップすることで推しの宣伝になり、自分のフォロワーも獲得できてWin-Win。(但し、アーティストご本人が自分の肖像権についてどう感じているか、今後どのように感じるかは少し気になるところでもあります。)

それとは真逆の戦略をとったのが、日本の某・タレント事務所かと思います。長らくウェブメディア上にタレントの画像をアップすることを禁止していましたよね。(よく影になってたなw)

画像の悪質な利用(アイコラ問題等)、悪質業者による無断商用、自社製品(ブロマイド等)の売上毀損など、禁止にした理由はいくつか考えられますが、そのどれもが「ファンへの不信」というところにいきついてしまうなと思います。業者はファンではありませんが、買うのはファン。ファンの良識を信頼できていたらまた違った対応になったでしょうか。

2.「消費者」の枠を超えた主体的なファンダム

これはBTSのファンだけにとどまらずK−POP全体に言えることだと思いますが、ファンが能動的に様々な活動をしています。

メンバーの誕生日にお祝いの巨大広告を出す、ファン名義で慈善事業に多額の寄付をするなど、そのスケールには驚くばかり。音源やグッズを購入する、ライブに行くなどの消費活動以外の「応援」方法をファン自ら生み出しているのです。

これはK−POP以外ではなかなか見られない現象ですよね。とりわけBTSファン(ARMY)は規模が大きいので社会に対する影響力もBTS経済圏で動く金額も相当なものだろうと思います。

昨年、BTSメンバーの本名を使用したフィクションの映画が制作されると発表されました。かつてMVで演じられたその役柄はそれぞれ殺人、暴行、薬物乱用など深刻なテーマを抱えており、その登場人物たちにメンバーの実名をつけ別の俳優が演じるという内容でした。それに対し、BTSファン(ARMY)は「深刻な反人権的行為を糾弾する」という声明を出しました。BTSである前にひとりの人間であるメンバーへの悪影響が懸念されたためです。これを受け制作は一時中断となりました。ファンダムの影響力の強さが伺えるエピソードです。

突然ですが、皆さんは生きていて「主体的に取り組みたい」と思えることってどれくらいありますか?積極的に手を挙げたいこと、ぜひ自分にやらせてほしいと言えること、そういう機会があるってすごく幸せで満たされた気持ちになるなってわたしは思うんです。

世界中の人に「わたしも関わりたい!」と言わせることができる、そのチャンスがあるって…BTS…すごい…

BTSメンバーは常にファンへの感謝の気持ちを口にしています。また、自ら率先して様々な慈善活動を行っています。与えられるのを待つだけではなく自ら主体的に動くファンを育てたのはアーティスト側の姿勢かもしれません。

3.多様性が叶えた最強のチームづくり

デビュー時はメンバーのほとんどが未成年。彼らのプロデューサーであるパン氏は彼らに「喧嘩を恐れないこと、そしてどんなトラブルも7人で解決すること」と指導していたそうです。例えばメンバー2人が喧嘩した場合でも、解決のための話し合いは7人で行います。

それはすなわち「衝突を恐れずに自分を表現すること」そしてそれにより問題が起きたとき「常に自分以外の6つの視点を知る」ということです。

多感な時期の少年たちは衝突が多かったようですが、この習慣によって、自然と人や物事を多角的に捉えることができるようになったのではないでしょうか。

歌やダンスが上手い人、楽曲制作に秀でた人、魅せ方が上手い人、リーダーシップを取れる人、明るく雰囲気を盛り上げる人など、メンバーの個性は様々。何かひとつの物差しで優劣をつけることなく、お互いを尊敬し合っているのがインタビューなどでもよくわかります。

それぞれを尊重して得意分野を活かす=短所を補い合うことができ、結果として「チーム力」が上がる…汎用性のある理想的なチームづくりではないでしょうか。やっぱり人は苦手を克服しようとするするよりも、得意を磨いて助け合うのがいちばんだなー!

BTSはK-POPアイドルの中でもオールペン(メンバー全員のファン)が多いと言われているそうですが、それも納得。わたしも誰ひとりとして欠けてほしくないし、全員が大好き。本当にね、ARMY友達とのやり取りでいちばん多いのは「尊い😭😭😭まじでもう尊みしかないんだよ…

メンバーがお互いを尊敬して大切に思っている、その姿勢は人種や言語なんかすっとばして見ている側にも伝わります。人類の共通言語はLOVE…

ここから先は

2,687字 / 7画像
推し活をきっかけとした自分との対話をまとめています。

海外在住の大人ARMYがBTSを通じて感じたこと・考えたこと。90記事以上読める買い切りのマガジンです。【不定期更新】

この記事が参加している募集

サポートのお気持ちいただけたら嬉しいです‼︎大好きなコーヒーを買って、飲みながら記事書きますね♡