[英詩]名句選(2)
※ 旧「英詩が読めるようになるマガジン」(2016年3月1日—2022年11月30日)の記事の避難先マガジンです。リンク先は順次修正してゆきます。
※「英詩が読めるようになるマガジン」の副配信です(旧 URL https://note.com/michealh/m/m37ffaece6d2e)。コメント等がありましたら、「[英詩]コメント用ノート(201610)」へどうぞ。
この継続課金マガジンは月に本配信を3回配信します。そのほかに副配信を随時配信します。本配信は〈英詩の基礎知識〉〈英語で書かれた詩〉〈唄われる英詩〉の三つでだいたい構成します。「忙しい現代人ほど詩的エッセンスの吸収法を知っていることがプラスに! 毎回、英詩の実践的な読みのコツを紹介します」というキャッチフレーズでやっています。
さて今回は、英詩の名句選の第2回です。ごく短い詩行なので気楽に読めます。原詩と日本語訳に簡単な解説をつけます。お楽しみください。
第1回はこちらです。Walt Whitman, 'Leaves of Grass'; Nayyirah Waheed, 'remember'; Margaret Atwood, 'Variations on the Word Sleep' の3篇です。
なお、短い詩行では物足りず、もっと長い詩を読みたいなどのリクエストがある場合も、コメント用ノートにお書きください。
今回は文字通りの「名句選」です。英語の俳句2016年受賞作を特集します。
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アメリカ俳句協会が毎年秀句を選んでいます。2016年の受賞作を眺めてみましょう。
一席
window . . . to window . . . and back . . . the cat
二席
spindrift . . .
I go where
the story takes me
三席
drifting snowflakes
the police car’s ascent
up our driveway
いかがでしょう。まずはご自分で味わってみてください。
私はまた後で出てきます。
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(参考情報)
Harold G. Henderson Memorial Haiku Award の2016年の審査員講評も参考になります。
この賞は41年目を迎えました。今年の応募作は674句。
さまざまな句が集まりました。入選作に共通するひとつの特徴が「抑制」(restraint)だったと講評にあります。
これらの句を作ったひとはみな、必要なことを言うと、そこでやめる。
各句が提示する瞬間は、意味と、そこから感じとれる意義について、我々が探求し発見しにゆく入り口となる。
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一席
window . . . to window . . . and back . . . the cat
窓…から窓へ…また戻る…猫
Celia Stuart-Powles(Tulsa, Oklahoma, U.S.A.)作
4つの部分から成る珍しい haiku です。
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