着席してから5秒で食事が出せる秘密
未来食堂の小林さん(元IBMエンジニア)へのインタビューがおもしろい。
見出しは「エンジニア視点」となっているけれど、私には「数学の目」と思えた。出身は東工大理学部数学科で、やはり、と思う。
数学はいろんな分野で思わぬ役にたつ。
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ここからは詩学の話。
私がずーっと取組んでいる詩学(poetics)は、かなりの部分が数学だ。
詩の構文の取り方はいろいろな路線がありえ、その中から順列組合せで一番おもしろいもの、興味深いものを選ぶ。
韻律は分類の学(taxonomy)で、その中身はほとんど数学だ。標準的なパタンとどれだけのずれがあるか、強勢の数が行ごとにどう変わるか。強勢の倒置が何番目の詩脚でおきるか。ぜんぶ数字が関係する。
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いつもFumさんの記事で未来食堂の話を楽しく興味深く拝読していたけれど、背後にこれほど数学があるのが驚きで嬉しくもあった。
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5秒で食事が出せる秘密は次の通り。メニューが日替わりでひとつだけであることに加え、茶碗の数やご飯の出し方(12席で6つのおひつにご飯を入れて、客に好きな量をよそってもらう)もある。
通常の飲食店では席数×2倍が目安と言われる茶碗を、座席の5倍近い55個用意。余裕を持たせることで、ランチのピーク時に洗い物に時間を取られないようにした。飲食店の常識に捉われない手法で作業効率を高めたことで、いまでは客が着席してから5秒で用意し、10秒以内に食べ始めることができるようになった。
おもしろい。
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