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【書評】『「高血圧は長生きできない」という医療のウソ』

武田邦彦『「高血圧は長生きできない」という医療のウソ』

Kindle 版で読んだ。本書(日本文芸社、2013)は、絶版の『新聞・テレビは「データ」でウソをつく』(日本文芸社、2013) にもとづいて制作されている。Kindle Single くらいの分量だが、中身は濃い。高血圧の問題に関心がある人は読んで損はない。この内容を読むには、絶版書を古書店などで探すことを除けば、事実上、この電子書籍しかない。

結論をいえば、タイトルに偽りはない。高血圧と寿命とは因果関係がない。それどころか、むしろ、著者の主張によれば、「高血圧のほうが長生きする」という。

著者の議論を支えるのはサイエンスの論理である。あるいは、見方によれば、哲学の原理ともいえるかもしれない。

高血圧は一般には医師の領域と考えられている。今日のように、〈高血圧=病気〉という認定のもとにとらえれば、当然そうなる。しかし、その前提はそもそも正しいのか。

本書はさまざまの創見に満ちているが、中でも相関関係と因果関係の違いを指摘しているところは重要だ。往々にして、相関関係があれば、そこに因果を見る議論が多い。が、それは正しくない。

科学者が医療のことを論じるのはとんでもないと思っている人にこそ一読を勧めたい。

#書評 #高血圧 #寿命 

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