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27、カテキンの話


今回取り上げるのは「カテキン」です。お茶に含まれるという事で有名ですね。このカテキンもポリフェノールのグループに含まれるフィトケミカルの一つです。お茶といえばもう一つ、「タンニン」という名前の成分が有名ですね。一説によると同じものとして扱われていたりすることもありますが、どこが違うのでしょうか。

タンニンとの相違点

まず「タンニン」ですが、これは「植物の成分で皮をなめす作用があるもの」なんだそうです。タンニンの働きは「たんぱく質と結合して凝集させる性質」だとされていて、これを「収斂(しゅうれん)作用」と呼ぶのだそうです。お茶を濃くすると渋みを感じる事がありますが、これはタンニンが舌や口の中の粘膜がもつたんぱく質と結合して収斂作用を起こすからだといわれています。こんな働きで皮をなめすんですね。

皮をなめす成分の総称ということなので、こちらの方がカテキンよりも範囲が広そうです。

「カテキン」の方はというと、「ポリフェノールのグループの一つで化学式がはっきりとしていて、それを骨格とする誘導体を含めた物質」ということでした。カテキンもどうやら複数の種類があるようです。構造が明確になっている物質なので、おそらくタンニンよりは小さなグループじゃないのかなという事が推測できますよね。

じつはタンニンと呼ばれる物質のほとんど(85パーセント以上)がカテキンに属しているということが分かっています。こんなところから、カテキンとタンニンは同じものじゃないのかという話が出て来たのでしょう。定義の上では全くの別物ですが、ほぼ重複しているという事実があるので、同じものとして考えても問題は無さそうです。

ワインの話題ではタンニンはよく出て来ますが、最近お茶ではタンニンっていう名前を聞かなくなりました。いったい何故でしょうか。

お茶にとって、タンニンはあまり良いイメージがなかったらしいんです。茶渋という言葉を聞いたことはありませんか。お茶を入れる湯呑みやコップ、急須を長く使っていると少しずつ黄ばんでくる現象です。

こういった汚れは今の時代なら中性洗剤などで洗い落とすことが出来ますが、昔は大変だったんじゃないでしょうか。茶渋といいながらも黄色や茶色ではなくて、昔は色が黒くなるなんてことも言われたようです。それに何よりも渋味の元ですし・・・。あまりイメージが良くなかったんでしょうね。

カテキンの効用

手軽に摂取できるカテキンですが、ここまで有名になった理由の一つはその効用があるからでしょう。ポリフェノールの一種ですから「抗酸化作用」があるのは分かるとして、それ以外にも「抗ウイルス作用」「抗がん作用」「血糖値の上昇を抑える作用」「肥満予防」等の働きがあることが分かってきました。虫歯や口臭を抑える働きもあります。

主な働きについて書いていきます。まずは抗酸化作用、酸素がストレス等で酸化されると活性酸素となり細胞を傷つけてしまいます。人間はこの活性酸素に対抗する酵素を持っていますが、加齢によってこの酵素の働きが衰えてきます。その結果、老化を促進してしまうのですが、カテキンには酸素が酸化されるのを抑制する働きがあるんです。そしてビタミンAや C、 Eなどはカテキンの抗酸化作用を促進させる働きがあることが分かっています。これ等のビタミン類は、普段から摂取するように心がけましょう。

次にコレステロールを下げる作用です。コレステロールは細胞膜やホルモンを作る原料ですから、体にとってはなくてはならない物質です。しかし、基準値より高すぎたり悪玉コレステロールが多くなったりすると動脈硬化につながり、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こすリスクが高くなります。カテキンは食事におけるコレステロールの吸収を抑える作用を持っているばかりでなく、その中でも悪玉コレステロールのみを低下させ、善玉コレステロールには影響しないという優れた特徴があります。

どうやら1回では書ききれない様なので、次回もこの続きを書く事にします。

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