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37、アリシンの話


アリシンって?

アリシンとは含硫化合物の一つで、ニンニクやネギといった香りの強い野菜に多く含まれている成分です。もともと生の状態ではアリインという名前の物質で、別に香りが強いわけではありません。そうなんですが食品として切ったり加熱したり潰したりといった調理を行なうことでアリインが分解されてアリシンに変化するんです。

ニンニクに代表されるようなものですから、どんな効果があるのか想像がつきますよね。疲労回復を助け、病気から体を守る働きがあります。何しろピラミッドを作った労働者たちが大量に消費したというのですから、疲労回復の効果が一番目立ったようです。

疲労回復の効果

アリシンは糖の代謝を促します。体を動かすエネルギーを発生させるために必要なビタミンB1と結びつくことによって、その効果を持続させる作用があるんです。ビタミンB1は疲労回復を助ける上で欠かすことのできない成分で、不足すると疲れやすくなったり動悸や息切れなどの症状も出て来ます。実際に疲労回復効果を前面に出したドリンク剤には、必ずビタミンB1が含まれているくらいですから。

生活習慣病を予防する効果

今の時代、日本人は生活習慣病に悩まされています。その原因の一つとして挙げられるのが「コレステロール」ですが、いくら体に必要なモノと言われても摂りすぎてしまえばいけません。食生活の変化によって血液中のコレステロール濃度が高くなると、様々なリスク(心筋梗塞や脳梗塞など)が上昇します。アリシンにはこのコレステロールの上昇を抑える働きがあります。

もちろんフィトケミカルの一つですから、抗酸化力もあります。こちらも生活習慣病の予防に役立っています。

血糖値の上昇を抑える効果

アリシンには、血糖値の上昇を抑える働きがあります。この働きによって糖尿病を予防するうえで効果を発揮します。先にアリシンがビタミンB1と結びつくことで~と書きましたが、これによって疲労回復だけでなくインスリンの分泌を促すために、血糖値の上昇を抑える効果をもたらすんです。

実際にはその他にも、いろいろな働きが知られています。例えば「血流をよくする働き」や「感染症を予防する働き」、「食欲を増進する働き」などが挙げられます。

摂取の方法

では、このアリシンはどうやって摂取すればよいかということですね。生のニンニクをかじる? それはないでしょう。無難なところでいけばサプリメントかもしれませんが、出来れば食事で摂り入れたいものです。

アリシンが含まれている食品として身近にあるものといえば、ニンニクやネギを挙げることが出来ます。その他では玉ねぎやニラなどにもアリシンが多く含まれています。最初の方で書いた通り、アリシンは細胞を壊すことでアリインが変化してアリシンになりますので、いろいろな調理の方法を駆使することになりそうですね。油を使って調理すると、アリシンそのものが壊れにくくなるとも言われています。だから? 油でいためたような調理法が良く用いられているんですね。

玉ねぎなんか切っていると刺激的な香りで涙が出てきたりしますね。そんな時は換気扇を回してください。


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