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肝機能検査、GGTの話

何の略?

GGTと書くと「何の略?」と思われるかもしれませんね。しかし、γGTPと書けば、「あ~、あれか」と分かる人も多いんじゃないでしょうか。そう、あれです。アルコール性の肝障害を起こした後のフォローでよく用いられる項目、そしてアルコールの節制で必ず指標に使われてきた項目です。

もともとは「ガンマ-GTP」と読んで表記は「γGTP」でしたが、表記しやすくするといったことや国際的に取り決めを作ったことなどから、現在ではGGTと書くかGTとするか、どちらかが多くなっています。日本では慣例でしょうか、一部の例外を除くとアルファベット3文字で表現するものが多いので、これもGGTと3文字を使うことが多いようです。また、正式には「γGT」とされているようです。

どんな項目か

臨床検査ではよく用いられる項目の一つで、本日の表題の通り肝機能検査の一つとして認識されている酵素項目です。一般に血液を用いて(実際は血清ですが)測定されます。どのような物質に働きかけてどんな作用をするか等はとてもややこしいので省略しますが、ざっくりと表現すると「肝臓や腎臓でアミノ酸の代謝に関係している」ということになり、血清で調べることができるのは、肝臓の細胞から出たGGTの活性値です。

GGTはアルコール摂取との関係が深いようで、飲酒の量に応じて肝臓に作られます。そのため、アルコール摂取のあるなしで数値の上限が変わって来るともいわれています。ということはアルコール性の肝障害の時にもしっかりと反応するという事につながりますので、フォローの診察を受ける時に指標として用いられることにもなります。そして診察を受ける場で主治医がGGTの数値を見ては「またアルコール飲んだでしょう」と、温かくもキツイ指摘を受けた経験がある人も・・・。

もう一つ、GGTは胆道系の様子を知るための指標という役割も持っています。肝胆道系酵素と呼ばれるグループの一つでもあり、胆道で石が出来るなどの理由で閉塞が起きた時にも、血中の数値が上昇します。このグループの検査項目としては、ALPやLAPが知られていますが、最近はLAPを測定する機会が大きく減ってきており、どの医療機関でもほぼLAPの検査結果を必要とすることが無いようです。胆道系の石などであれば条件にもよりますが、腹部エコー検査や放射線検査などを行なうことで、直接確認することも出来るようになってきていますから。

異常値の扱い

GGTについては数値が異常になったからと言って、何か自覚症状が表れるわけではありません。肝臓が沈黙の臓器だという事も有りますが、自覚症状が無いと自分でも分かりませんので、特に会社員の人は健康診断を利用するとよいでしょう。毎年定期的に行われる健康診断では、GGTは必須項目として必ず測定して結果を判断する項目になっていますので、これが参考になります。

実際に測定してみないと分からない項目ですから、気になる場合は医療機関で相談してみるという方法が良いかもしれません。

その際には必ず基準値(または基準範囲)と呼ばれる数値がありますので、それを参考にします。ご本人の飲酒にもよりますが、多くの場合は数値で60とか70とかの程度に収まることが多いです。定期的に行われる健康診断では、数値によっては保健指導を受ける場合が出てくるかもしれません。もし100を超えているようであれば、医療機関を受診して詳細を調べておいたほうがよいでしょう。


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