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第三回 お金の使い方について

リセールバリューと付加価値の話

 一見、賢いお金の使い方というのは、リセールバリューというカモフラージュがされてることが多い。

補足:リセールバリューとは、モノを買った後の売却価値を指す。

使ったコスト以下の価値しか生み出していないリセールバリューは、損失が発生している事実を正当化しているに過ぎない。一方、使ったコスト以上の価値を生み出したリセールバリューは、投資・投機の畑の考え方に分類されます。もちろん、リセールバリューがあるに越したことはないですが、差益が割に見合うかどうか計算してみてから消費することが大切と考えてます。

例えば、スマホAを10万円で買って、2年後のリセールバリューが5万円だったとして、リセールバリューの低いスマホBが4万円で買えて2年後のリセールバリューが5000円としたら、後者の方が金銭的な勘定でコストパフォーマンスが良いと言えるでしょう。
スマホAに使った実質コスト:5万円
スマホBに使った実質コスト:3.5万円

では、この例からスマホBを買うべきかというと、それは時期尚早な判断です。なぜなら、付加価値という考え方があるからです。

スマホの実質コストに加え、ユーザー体験という付加価値が差額の1.5万円にということになります。1.5万円多く支払ってでも欲しいユーザー体験ならお金を出す選択肢も出来ます。

尚、このスマホの例はAppleとAndroidスマホを模したものです。

かつて、ユーザー体験が粗悪なAndroidスマホが量産され時代は、ユーザー体験という付加価値にお金を出す構図が存在しました。今は、Androidスマホも安定感を期待出来るので、昔と比べた付加価値は小さくなりました。尚、お金の価値と付加価値を天秤にかけたときにどちらの選択をするかは各々の価値観次第であり、賢いお金の使い方の考え方自体は各々の付加価値を受け入れるかどうかの正当化バイアスからなる幻想にすぎない。

補足:正当化バイアスとは、自分の行動を正当化しようとする心理を指す。

馬鹿なお金の使い方について

 賢いお金の使い方は、主観的に判断できる一方、馬鹿なお金の使い方は客観的に判断が出来ます。必要な経費を差し引いた支出の中で特に理由も考えずに使った額や低確率の博打が馬鹿なお金の使い方になります。理由を考えずにモノを買うとその維持管理費と場所代を対価として支払うことになります。低確率の博打は全損リスクを自ら進んで選ぶことになります。

馬鹿なお金と趣味の堺は難しい問題です。

大抵の馬鹿なお金の使い方は趣味に紛れるので、趣味を否定されたような感覚に陥る人も多い。しかし、趣味を否定する意図はなく、多少の使い方を変えるだけで余分なコスト対価や勝率の改善ができると言いたいのです。

例えば、理由もなく趣味で使えそうなモノを買う人と、使う明確な理由があって買う人とでは、維持管理費や場所代の認識は異なり、後悔の少ない選択肢になります。
そして、低確率の博打で予測不可能な宝くじを買うのと、過去のデータから一定の確率で予測可能な競争型の博打(競馬、競輪、競艇など)とでは、勝率は違ってくるでしょう。

どちらの例にも共通することとして、一度考えた上でお金を使うことの大切さがわかると思います。

もちろん、宝くじで夢という付加価値を買うのなら、正当化バイアスが働く賢いお金の使い方をしたという錯覚に満足する人もいるので、そこは多様なお金の価値観があるということにしましょう。

まとめ

 コスト・パフォーマンスと付加価値を天秤にかけた時、各々の正当化バイアスが上回る方の選択肢を選ぶことが正解でしょう。ただ、使い道を決めずにモノ・サービスを買うと、後悔することも多いため、とにかく一度立ち止まって考えることが大切でしょう。

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