お金と引き換えの人生? 何を目指し何のために働くのか
NHKの朝ドラ「虎に翼」。
毎朝楽しみにしているnoterさんも多いと思う。
日本で初めての女性弁護士、裁判官、裁判長を務めた三淵嘉子さんをモデルにした物語は、女性のみならず混とんとした今を生きる私たちに多くの示唆を与えてくれるのではないだろうか。
伊藤沙莉さん演じる猪爪寅子のまっすぐな心、しなやかで強い信念、心に響くセリフがちりばめられていて毎回涙している。
女性の問題は女性の手で。
困っている人のお役に立ちたい。
私利私欲のない寅子の姿。
働くとはどういうことなのか。
自分の人生に与えられた時間を
何のためにどのように使うのか。
私自身が問われているように感じてしまい
背筋を正して観てしまう。
私は弁護士になろうと思ったことはないけれど
誰でもなれるほど簡単ではないことは理解している。
その弁護士が、今の日本では増えすぎてしまって、資格を取っても生活に困る場合もあるのだそうだ。挙句の果て、犯罪に加担する人まで出ているという。
詐欺被害にあった人たちに、お金をとりもどします、救済しますともちかけて、着手金だの、手数料だの、いろんな名目をつけてお金をだまし取る手口。
勿論、ごくごく僅かな人たちの悪行である。
でもー、容易ではない試験を突破したにもかかわらず、どうしてそんなことを、あなたの志は何だったのですかと問いたくなるのは、私だけだろうか。
業種は違うが、似たような構図に思える事件が起きている。
お子さんが亡くなられたのは、歯科医師の過剰な治療が原因ではないかというものだ。
麻酔治療が必要な虫歯は一本も見当たらなかったという検死結果がでている。
今、小児歯科治療は過剰治療になりやすく
簡単な治療よりも、診療の点数の高い治療方法に走る傾向があるという。
歯科医院の数はこの40年で2倍に増え
コンビニよりも多くなったことや、
少子化で子どもの患者数が減っている上に、
予防歯科の浸透で虫歯になる子どもが少ないことも影響しているというのだ。
亡くなられたお子さんはまだ2歳。
個人差はあっても乳歯が生えそろったばかりの年頃ではないだろうか。
カルテでは16本のうち14本も
治療が必要とされていただなんて。
過去にも同じような死亡事件があったそうだ。
その事件でお子さんを亡くされた親御さんの言葉が全てを物語っている。
「子どもの顔がお札に見えていたんだろうなと思った」
勿論、今の社会では生きていくためにはお金は必要だ。お金が悪いと言いたいのではない。
けれども、お金を得ることだけが目的になった時、ひとの人生を狂わせ、かけがえのない命を奪うことさえ起きてしまう。
そのことを忘れてはならないと思う。
ドラマ「Believe~君にかける橋~」が放映中だ。
吊り橋建設の現場で、設計上では指示されていなかった安価な資材を使ったことで完成を目前に橋は崩落。死傷者が出ることに。更には真実の隠蔽が行われていく。
これはドラマだけれど、現実社会でもデータの改ざんや隠ぺい工作等、組織ぐるみでの似たような事件は起きている。
「職業に貴賤なし」と言われるけれども、
どのような職業であろうと、まずは
その生業に就く一人ひとりの思いが
要になってくるのだと思う。
とにかく儲かりさえすればいい。
利益や効率ばかりを追い求める思考になっていないだろうか。
自分さえ良ければいい
利己的な思いになっていないか
自戒も込めて書いている。
自分ではない誰かのために、
持って生まれた特性や個性をどう生かして、
社会に貢献できるだろうか。
そのために、お互いの知識や技術をどのように高めていけるだろうか。
これが当たり前になれば
哀しい思いをする人はいなくなるはず。
一人ひとりの思いと行動の集積が
この社会をつくっていくのだと
私はそう信じている。
後に続く人たちのために
より良い未来を作るために
寅子が、懸命に生きて道を切り開いたように
新たな価値観を手に入れて、この先を生きる子どもたちに誇れる社会をつくっていこう。
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