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入院手術へ、はじめの一歩〜前編〔卵巣腫瘍+開腹手術 道々の記⑥〕

レディースクリニックで紹介状を書いていただいた翌日、さっそく紹介先のがん専門病院へ、外来の初診予約の電話を入れました。特に医師の指名はなかったので、あっけなく、翌日の午後に予約が取れました!

紹介先の病院へ…

2021年11月17日、紹介先の病院での婦人科外来の初診は、午後早い時間からの予約でした。初めて足を踏み入れる病院の様子を、少しでも事前に知っておこう…と、院内のレストランでお昼を食べることにして、付き添ってくれる夫とともに、早めに病院に向かいました。

まずは患者支援センターの初診窓口へ。紹介状と保険証を提出して、受付を済ませました。診察券と呼び出しカード、予約票、A4サイズの院内専用フォルダーを渡されて、呼び出しカードのブザーが鳴ったら、カードの案内に従って婦人科外来へ行ってください、と、館内の案内図に赤ペンでマークを入れてくださいました。

この病院は、数年前に新しく建て替えられていて、館内はとても綺麗で清潔。レストランやコンビニエンス・ストア、小さいけれどカフェもあります。患者と付き添いの人なら利用できる、駅と病院間のシャトルバスも運行しています。待合室やソファーもゆったりとしていて、壁面に飾られているタペストリーやちょっとしたアートワークも、なかなかセンスが良く気が利いています。がん患者さん(もしくは、がんの疑いのある患者さん)や付き添いの人が、少しでも利用しやすく、くつろげるように配慮されていると感じました。

ランチの後、物珍しげに館内を眺めていると、呼び出しカードのブザーが鳴って、外来エリアに移動。身長・体重・血圧を計測してから、婦人科の待合ブースに向かいます。

いざ診察!!

もう一度、ブザーが鳴って、婦人科外来の診察室の近くで待機。…そしていよいよ私の番がやってきました。ドアを開けて名前を名乗ると、本人確認のため生年月日を確認されます。担当医は、A先生(男性、私と同じ年代くらい?)でした。付き添いの夫も一緒に入室します。

紹介状に目を通されているA先生に、MRIの画像データの入ったCDをお渡しし、先生からの質問にお答えしていると「MRIのデータを読み込んでいる間に、まずは内診で拝見しましょう」と、カーテンの向こうの内診台のあるコーナーへ。

今後の入院手術と治療を想定している病院だけあって、消毒~内診・直腸診~経膣エコーと、かなり念入りに診察されます。

「細胞を取ります」「2回、チクッとします」と言われ… たぶん最初は子宮頸がん検査用、そして2度目は子宮体がんの検査用だったらしく、2度目は器具をかなり奥まで突っ込まれ、辛くて痛くて、ショックでした。(内診と経膣エコーまでは想定していたけれど、ここで子宮頸がん検査と子宮体がん検査の細胞診までされるとは…想定が甘かった私がバカでした。。涙)
内診の最後に、もう一度、消毒されて、衣服を整え、診察室のテーブルで、再度、先生と向き合います。

入院の予約

A先生のお話をざっくりまとめると… 
・子宮の上に13cm程度の大きな塊があり、左右は不明ですが卵巣腫瘍です。
・超音波検査やMRIの画像診断の所見からは悪性ではなさそうですが、良性か悪性かの判断は、術後、摘出した臓器の病理検査で顕微鏡による画像診断の結果によります。
・閉経後の卵巣腫瘍は、たとえ良性でも癌化しやすく、除去手術をした方が無難です。
・万が一、悪性の場合も考えて、この後、CT検査で他臓器へ転移の有無等をみます。

このような説明をされ、「入院および摘出手術をすることに異存がなければ、今日、この診察の後すぐに入院前検査を受けていってください。入院の予約を入れます」と、おっしゃいます。「え!もう入院の予約ですか?」と思わず声をあげると、「入院の予約をしないと、検査は受けられません」とクールなお返事。…躊躇するいとまもなく、入院手術に向けた準備が進んでいきます。

CTについては、この日、病院内のCT検査の予約枠に空きがなかったそうで「近隣の指定医療機関で検査を受けてきてください。1週間後の次回の診察までに結果が届くような日程で」と、検査依頼書を書いてくださいました。

診察の最後に、患者の血液や体液から病院の職員が感染することを防ぐ目的で…ということで、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)の検査をする旨の説明を受け、同意書にサインをして、診察室から退出しました。

入院前検査

診察室を出たあと、呼び出しのブザーに導かれるまま、病院内のあちらこちらで、さまざまな検査を受けました。採血/採尿/心電図/胸部レントゲン/胸腹部の超音波検査/肺機能検査など。

これらの検査の中で、特に印象に残ったのは肺機能検査でした。肺活量と、努力性肺活量という2つの検査があり、このうちの努力性肺活量の検査が、なかなか苦しかった。。。
検査室の外で待っている時から、検査技師さんの大きな掛け声が漏れ聞こえていて、どんな検査なんだろう…と思っていたのですが… いざ自分の番になってみると、検査機器につながれているマウスピースを咥え、鼻をノーズクリップでつままれた状態で、深〜〜く息を吸って、一気に吐ききる、という検査でした。そのとき、検査技師さんが、タイミングを見計って掛け声をかけてくれるのですが… 

「楽に呼吸をしてください」
「はい!胸いっぱいに吸って、ずっと吸ってー」
「一気にはけなくなるまではいてー!」
「はいて!はき続けて!最後まではききって!!」
「もう一息!フーっとはいて!もう一息!!」
「どうしてもはけなくなったら、吸ってください。終わりです。」 

「肺機能検査を受ける方へ」FUKUDA DENSHI

…こんな感じです。私は、1回目うまく吐ききれず、もう1回やらされました。

検査技師さんは、患者さんを奮い立たせるために、目一杯大きな声で、まるで叫ぶような掛け声です。
…ふと、想像してみると… 午前も午後も、今日も明日も明後日も… 
同じ検査を、同じ窓のない検査室で、相手こそ変わるけど、同じように繰り返されているんだなぁ… 勤務のローテーションがあるにしても、大変なお仕事だなぁ…。 偉いなぁ…。 
……私には、絶対に勤まらないなぁ……。

先生方や看護師さん達はもちろんですが、様々な検査技師さん達の縁の下の力持ち的な働きに支えられて、私たち患者は治療を受けられているんだなぁ と、つくづく感じ入ってしまいました。(つづく…)


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