見出し画像

出産経験にて幸福を学ぶ

私事ではありますが、先日第2子を出産いたしました。約3100gの元気な男の子です。
予定日より6日超過での出産でした。

久しぶりの新生児は小さくてほにゃほにゃで可愛くてかわいくて。その存在から毎日しあわせを貰っています。

次男の出産は、長男の出産とはまた違った出産経緯で、得るものがたくさんあった素敵な思い出となりました。
あんなに長男の時には苦しんだ出産経験が、こうも前向きなものに変わるとは。長男を産んだばかりの当時の私に伝えたとしても到底理解出来ないことでしょう。
長男の出産経緯については下記noteに少し綴っています。



長男の時は完全破水した後、微弱陣痛のため促進剤使用という経緯での出産でした。促進剤使用のためか陣痛があまりにも痛くて痛くて痛くて。終始叫び続けた苦い思い出があります。そのため身体疲労も半端なかったです。いま思い返しても恥ずかしい記憶です。

今回は自然陣痛からの分娩スタートになったら良いなぁと、ひっそりと思っていました。今回が最後の妊娠予定なので、後学のために自然な陣痛を経験しておきたいというあまり褒められた動機ではありませんが。促進剤での陣痛と、自然な陣痛は痛みが違うとおっしゃる方がいたので、そこからの純粋な興味ですね。


今回は私のその思いを叶えるかのように、自然陣痛からの出産となりました。
結果、陣痛中は極めて冷静に叫ぶことなく過ごす事ができました。陣痛を呼ぶために敢えてスクワットしたり、歩き回ったり、陣痛の間欠期にはウトウトする余裕もあるほどでした。長男の出産時には考えられないことです。
以前よりも出産について理解を深めていたこともあると思いますが、これには自分でも驚きでした。
産院で採用されているソフロロジー式分娩法が自分に合っていたのもあると思います。助産師さんにも冷静ですね、と言われるほど。これは嬉しかったですね。

ただ、この冷静さも分娩台に登るまででした。
陣痛間隔がなかなか短くならないため、助産師さんが内診グリグリ、もとい卵膜剥離をしながら子宮口全開、胎児娩出まで介助してくれたのですが。これが本当に痛かった。前回も今回も陣痛時は腰部の砕かれるような痛みが強かったのですが、助産師さんの介助が入るとその痛みが更に増すので呼吸法だけでは痛み逃しが出来ず。結局、子宮口全開になってからはたびたび叫んでしまいました。

あまりに痛すぎて途中からソフロロジーの音楽なんて全く耳に入ってこなくなりました。ソフロロジー修行が足りませんでした。
特に胎児の頭が子宮口の途中で止まり挟まったときの痛みは、今まで経験した中で一番辛い痛みでした。いま思い出しても泣きそう。
助産師さんが上手、上手!と何度も繰り返して褒めてくれなければ多分心挫けてたと思います。今回担当してくださった助産師さんは飴と鞭使いがとても上手な方でした。圧倒的感謝です。


色々ありましたが、今回は陣痛中を自分なりに良い形で過ごすことができたり、いきみ方を助産師さん指導のもと意識して自ら実施できたり、胎児が娩出される瞬間をしっかり見せてもらったりと(胎盤もしっかり見せて貰いました!)、出産する側もたくさん関わることで自分らしい出産が出来ました。

長男出産時に感じた、流されながら産まされたに近しい他人本位な出産経験と違って、医療者との共同により妊婦が出産にしっかり向き合えたことから自分主体な出産となり、結果として満足度の高い出産経験になったのだと思います。
バースプランはこの時のためにあるのだろうな、と今なら分かります。ただ、今回の産院ではバースプランは提出せず、適宜助産師さんにお伝えしていく形ではありましたが。


全てが思い通りになることなんて世の中ありません。叫ばない静かなお産を目指していた、今回の私の出産経験ひとつをとってもそうです。
それでも主体となる側の主観的な希望と、支援者となる側の考える最良の選択、支援者側の客観的な希望を、それぞれ折り合いをつけつつ共同していくことにより患者(今回であれば妊婦)の幸福度、QOLを高めていく。
これが医療の目指す一つのウェルビーイングの形なのだと思います。
今回はそのことをたくさん勉強させてもらえた、学びの多い経験が出来ました。

出産経験を良いものにしてもらいたい、という強い思いを産院のスタッフさんたちから随所にて感じました。今回お世話になった産院は、非常にホスピタリティの高い産院なのだと思います。


なんか結局難しいこと書いてしまっていますが。
とりあえず久しぶりの0歳児との生活、育児を楽しんでいきたいと思います。

#創作大賞2024 #エッセイ部門

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?