ピンクのバラ

恋愛のエキスパートに教えてもらったこと


パリでシングル生活を送っていた頃、どういうわけか、自称「恋愛のエキスパート」と名乗る女性に出会ったことがありました。


詳細はよく覚えていないのですが、彼女はプロとしてコーチングやカウンセリングなどを提供している方だったと思います。


どこで、どうして、その女性と出会ったのかが、全く思い出せないのですが、彼女と一緒に、誰かのアパルトマンで開かれていたソワレに参加していたときのことです。

(今、記憶を辿ると、その女性とは元々の知り合いではなくて、そのソワレで偶然出会ったのだと思います。)



なぜか彼女は私のことをすごく気に入り、私の横にぴったりくっついて、パーティーに参加している人たちを一人一人観察しながら、彼女の恋愛に関する薀蓄(うんちく)を、ずっと語り続けてくれたのです。

あの男はダメだとか、あの女性は美人だけどモテないタイプだとか、鋭い指摘がバシバシと出てきて、なるほど〜といちいち目から鱗だったのを覚えています。



(終わりかけの薔薇を、茎を短く切りながら最後まで愛でています。)


彼女の辛辣だけど的をついた人物観察は、本当に面白くて、私はソワレそっちのけで、彼女の話を聞いていました。


パーティーに来ていた男性が話しかけてきてくれても、この子はダメよと保護者のように追いはらい、もっといい男がいるからこれでいいのよと、その恋愛エキスパートは私の耳元で囁くのでした。


もしかしたら彼女は当時の私と同年代か、もしかしたら年下だったかもしれないのですが、まだウブなパリ初心者の私を守ってあげようと思ってくれたみたいで、姉御肌な感じで、しかもマシンガントークで、参加者たちをこき下ろしていく様子がとても面白かったのを覚えています。

そんな恋愛エキスパートのコーチが目に留めた女性がいました。

彼女は、私の腕を強く引っ張りながら


見て! あの子よ、あの子。

彼女はすごい。

すごく愛されていて、彼氏はもう絶対彼女を離さないわね。


と、私の耳にキスする勢いで囁きました。

振り返るとそこには、どう見てもパッとしない美人とは言えない女性が、数人の男性に囲まれて、すごく自然体でリラックスしていたのです。


そのパーティーは、特に出会いのためのパーティーではなくて、何のパーティーだったのかは覚えてないのですが、カップルで来ている人もたくさんいて、友達同士の男女混合のグループや、もちろん一人参加の人もいたと思います。


おそらく誰かの送別会か何かで、友達の友達みたいな感じの人もたくさん来ているみたいな会でした。


フランスに住んだことがある方はお馴染みだと思いますが、こちらでは、よくフェットと言われるパーティーが開催されて、友達が友達を連れてくるので、主催者(ホスト)が知らない人もぞろぞろといっぱい参加しているのは普通のことなのです。

話が逸れてしまいましたが、恋愛エキスパートが太鼓判を押したその「愛されモテ女子」なのですが、本当に全然美人じゃなかったのです。

どちらかというと特徴のある個性的な顔立ちで、美人好きの私の好みではありませんでした。

でも、エキスパートが見ていたのは、そこじゃなかったのです。


彼女が観察していたのは、周りの男性たちの態度だったのです。



特に、彼女の彼氏と思われる男性(イケメン、しかもかなりの)の彼女に対する尊敬と憧れの眼差しを、エキスパートは見逃さなかったのです。


しかも、その「愛されモテ女子(不美人)」は、彼氏を放っておいて、他の男たちに囲まれて、楽しそうに談笑していたのです。


恋愛エキスパートの彼女は、その様子を見て、私に


見習うのはあの子よ。

あっちの着飾ってミニスカートをはいて、男に喋りかけていってる女になっちゃだめよ。


「愛されモテ女子(不美人←しつこくてすみません)」は、確か黒いスラックスかなにかで、服装も地味だったような気がします。


ちなみにパリでミニスカートを履いているのはロシアや東欧から来た女性かツーリストくらいで、こちらでミニは娼婦のスタイルだと思われているので、生粋のパリジェンヌは、お尻が見えるようなミニは絶対はきません。


膝上くらいのスカート丈ならOKですが、冬ならロングブーツなどを合わせて露出を抑えた方がエレガントです。


夏なら生足ですが、筋の入った日焼けした脚でないと、これまた残念な感じになるので、パリのマダムたち、特に高級住宅街に住む富裕層のマダムは美しく日焼けすることと程よい筋トレにとても熱心です。

エキスパートがそのモテ女子を通して言いたかったことは、男性と付き合い始める前の態度だけではなく、付き合った後の態度においても、自分軸を持ち、気に入られようと媚を売るのではなく、自然体で接するということ、会話が楽しいものであるということ、男性がリラックスして一緒にいれるということ、そしてハイメンテナンスでないということだったと思います。

最後のハイメンテナンスでないことというのは、私が付け加えたのですが、ハイメンテナンスでないとはどういうことか、思い違いされている方もいらっしゃるかもしれませんので、これについては後日、詳しく書いてみようと思いますが、それは決して、男性に尽くしたり喜ばれるようにすることではありません。


先ほどの「愛されモテ女子」は、手に持っていたグラスか空になると、周りの男たちの誰かが、何が飲みたいか聞いてあげて取りに行ってあげていましたし、彼女から目を離さない彼氏も、そんな様子を微笑ましく見ていて、いざとなったら、俺が彼女の好みを一番知っていると言わんばかりに、恋する男の目でずっと彼女を見守っているのです。


そんなふうに男性から世話を焼かれる彼女ですが、彼女はハイメンテナンスではないのです。


ハイメンテナンスとは、こうしてほしい、ああしてほしい、誰々の彼はこうしてくれたのになどと、パートナーにダメ出ししながら、自分にも満足していない要求の多い女性のことです。


恋愛エキスパートが私によく観察するようにと勧めた自然体のその彼女は、自分の容姿にもコンプレップスはないし、イケメンの彼氏がパーティーで他の女性と仲良くなっちゃうのではないかと心配して、べったりくっついていたりはしていませんでした。

そんなことより、彼氏の友達も自分の友達も、初めて出会った人たちとも、自然に会話して、その場を自分で楽しんでいるのです。

そんな彼女はきっとありのままの自分を認めている自己肯定感のある女性だったのだと思います。

その後、その「愛されモテ女子(不美人)何度もごめんなさい」と取り巻きの男性たちのグループの仲間に入れてもらい、一緒にお酒を飲みながら会話に参加したのですが、話していると不美人だと思っていた「モテ女子」がどんどん魅力的に見えてきたのです。

ちょっと顎がしゃくれた個性的な顔立ちも、全然キュートでないと感じた学校の先生みたいなシンプルな黒のスラックスも、彼女の醸し出す自然体の雰囲気と、取り巻きの男性たちや彼氏の温かい目線などを間近で見ていると、どんどん魅力的に見えてきて、彼女がモテる理由がわかったような気がしたのでした。


どんどん茎を短くして行ったので、今はガラスのコップで楽しんでいます。


ずっと記憶の彼方にあったこの話ですが、玉手箱の読者さんから恋愛相談を受けていて、ふとこの話を思い出したので書いてみました。


ちなみに、ずっとエキスパート女史がボディガードみたいに私から離れなかったので、参加者の中には私がレズビアンの女性にずっと口説かれているのかと思った人もいたそうです。(笑)


彼女のおかげで、その日は新しい出会いはありませんでしたが、なんだかすごく大切なことを学べたような気がしたソワレでした。





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元記事:恋愛のエキスパートに教えてもらったこと(ミカリュス・ブルガリスの心の薬箱)April 30, 2018 00:30:00 テーマ:恋愛・結婚

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