サイレント・ベル 2020/12/19 Sat
こんにちは、葛飾区亀有にある「絵と言葉のライブラリー ミッカ」のスタッフ、塚田です。
“パラソルシアター”そして“うみのむこうのそのまたむこう”に続いて、普段行っている、えほん劇場とはまったく違う『サイレント・ベル』という読み聞かせのイベント行いました。
今回は読み聞かせと演劇が融合したような“えほん劇場”でした。
ファンタジックで壮大なクラシック音楽だったり、冬のひんやりとした空気を感じてもらえるような曲を流したあとで読み聞かせを行いました。
そして、いつもとの違いは何よりもスタッフ3名が行っているということ!
ストーリーテラーと登場人物を違うスタッフが担当することで、より深く世界観や絵本のもつ空気に触れていただくことができたのではないでしょうか。
【サイレント・ベルが生まれたきっかけ】
なにか冬のイメージに合う絵本がないかとミッカの中かを何周かうろうろしまして。
たまたま手に取った絵本が急行「北極号」でした。
なんとなく表紙に惹かれたんです。
本を開いてみると、まずはその素晴らしいイラストに心を鷲掴みにされてしまいました。
なぜが美術館で絵を眺めているような不思議な感覚でした。
読み進めていくと“クリスマス・イブの夜中に“”ふわふわと雪が舞っていた”など、イメージにぴったりの一冊でした。
ファンタジーな作品、急行「北極号」を主軸とし、一人のサラリーマンを主人公にした、どこか身近に感じるストーリー、ゆきの日を加えた2冊で構成。
子どもの頃には聞こえたはずの、サンタクロースのそりについている鈴の音。
いつの間に、それがどんな音だったのか思い出すことができなくなった鈴の音。
この2冊の絵本との出会いが、えほん劇場スペシャル『サイレント・ベル』誕生のきっかけです。
1冊目:急行「北極号」(あすなろ書房)
作・絵: クリス・ヴァン・オールズバーグ 訳:村上 春樹
えほん劇場で行った作品の中で一番長いお話でした。
正直、楽しんで頂けるかイベント当日まで不安でしたが、お話を読み進めていくうちに、急行「北極号」がもつ世界観に引き込まれ、シアターの空間ごと絵本の世界に迷い込んだような不思議な体験でした。
2冊目:ゆきの日(白泉社)
絵・文:菊田まりこ
このお話の登場人物は、雪の日が待ち遠しい子どもたちと、子どもの頃は雪の日が待ち遠しいかったサラリーマン、そして、謎のおじいさんです。
シアターにサンタクロースのそりの鈴の音が鳴り響くと、周りをキョロキョロと見渡すお子さんの姿が可愛くて、読みながら、ほっこりとした気持ちになりました。
【ちょこっとこぼれ話】
イベントの本番中、音響を担当したスタッフが録音された声が再生される場所とは違うところで再生ボタンを押してしまったり、スポットライトの明かりを点けるタイミングを間違ってしまったり、なにやらいろいろあったようです。
わたしは気にせず読み聞かせを行っていましたが、当の本人はずっと「やってしまったぁああああ」と、思っていたようです。
そのスタッフは急行「北極号」の最後に鳴り響くサンタクロースのそりについている鈴の音色を、音叉(おんさ)を鳴らすことで表現してくれていたのですが、毎回ド緊張だったようです。
例えるならクラシック音楽の演奏で最後に鳴らすシンバルのような感じです。
毎回、その音叉が一番緊張すると言っておりました(笑)
もう一人のスタッフは、急行「北極号」でページのめくり、そして主人公の少年を。
ゆきの日ではサンタクロースのおじいさんを見事に演じてくれました。
実は、ゆきの日に出てくる車掌さんも彼女が担当していたんですよ。
セリフとしてはたった一言でしたが、思わずクスッとしてしまう何とも愛くるしいキャラクターで、演じてくれました。
三者三様、個性豊でちょっとしたトラブルは笑い飛ばしてしまう3人ならではのイベントでした。
えほん劇場は“生もの”
何が起こるか分かりません(笑)
そんなところも一緒に楽しんで、今後もご覧いただければ幸いです。
ミッカスタッフ 塚田啓太
絵と言葉の本だけを集め、ライブラリー、シアター、ギャラリー、アトリエを内包した子どものための小さな図書館。
【住所】東京都葛飾区亀有3-26-1 リリオ館7F
【アクセス】JR常磐線 亀有駅南口 徒歩30秒(東京メトロ千代田線直通)
【開館時間】10:00~17:30
【おやすみ】月曜、第4木曜(祝日の場合は翌日)
【Tel】 03-6662-4315
【入館料】こども(小学生以下)無料/中高生・保護者 200円
※16歳以上のみでの入館はできません。お子さまと一緒にお越しください。
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