なぜ「ボールを長く持つ」のか考察してみた
プロジェクトの途上で時折「ボールを持ちすぎ」という問題に直面する。自分自身も長く持ってしまい支障をきたしたりしているので、なるべく再現しないように「なぜ長く持ってしまうのか」をキチンと考察して整理すると随分スッキリしたのでメモを公開。
発生段階は3つ 【受取】【処理】【引渡し】に分類できる
ボールを渡した側からすると単純に「回らんなー」くらいにしか見えないけれど、ボールを受け取る側の目線で捉え直すと発生段階が3つに分類でき、それぞれ理由が異なっていた。
◇1.ボールの受取時で発生する
そもそもうまくボールを受け取ることができてないから長く持ってしまってるケース。正確には「きちんと受け取れていない」という状態なので、そもそも処理ができない・・・。
◇2.ボールの処理時に発生する
これは何らかの理由でプロセスに大幅に時間がかかっているからボールを長く持ってしまっているケース。プロセスに時間がかかるからなかなかボールを回せないのだ。
◇3.ボールの引渡し時に発生する
ボールを次の人に渡す際に何らかの理由でまごついて時間が経過してしまい長く持ってしまってるケース。処理が終わったボールを渡したいんだけれどもうまく渡せなくてボールがまだ手元にあるのだ。
1. ボールの受取時に起きる問題は「渡し方が下手」か「受け取り方が下手」
◇雑なパス問題
これは渡した人が悪いです。そもそもオファーとして内容が不十分なのに「渡したからあと宜しくねー」という場合に起きがち。年々「いや分からないので受け取れないです」と突き返す勇気が増しているので、この種の理由でボールを長く持つことはなくなりましたが、若手時代には「これでどうしろっていうんだよ…」と途方に暮れていました。。
オファーが雑だな、と思った場合は5W2Hで足りない部分を質問ベースでSlackで返しつつ、「お返事いただいてから着手しますね(^^)」とボールを一回返すと健全かと思います(経験談)。
◇キャッチできたフリ問題
つい分からないのに見栄を張ったり、強がったりして「大丈夫わかってます」的な対応をしてキャッチできたふりをしてしまい、結果ボールの意味がわからず着手できずにいるケース、時々あります。現在はないけれども…。
若手時代にあんまりにも上司や外注パートナーに叱られすぎて、ボールが回ってきても「わかりません」と言えずになんだか知ったかぶって大丈夫感だしてしまってました、が、これってダメなんですね…。結果的にボール持ちすぎて叱られます笑
2. ボールの処理時に起きる問題は「良い手狙いすぎ」か「技量不足」か「やり忘れ」
◇満点狙いで凝ったことやろうとしてる
妙に凝ったモノをつくろうとしてプロセスに時間かけ過ぎてしまうケースがある。かっこいいスライドだったり、凝りに凝ったワイヤーフレームだったり、満点・完璧をねらうと陥るのがこのケース。
たしかに手としては良い手かもしれないけれども、結局時間に間に合わなければ意味ないんだ、というのは経験で学びました。加えて、そんなときほど「木を見て森を見ず」なので、スライドはかっこいいけど要点をおさえてなかったり、ワイヤーは凝ってるけど重要な要件定義が漏れていたり。。
◇そのタスクにまだ技量が追いついてない
ボールは確かに受け取れてるが、慣れていない・得意じゃないという理由でプロセスに時間がかかり過ぎるケースがあります。
「スケジュール表をつくっておいて」
新人の頃はよく言われましたが、Excelで作るのに慣れてないものだから、2〜3日はゆうに時間を使ってしまっていました。
技量が追いついてない問題は一朝一夕で解決しないので、とかく自分がキャッチアップするか、得意な別の人にアサインし直しをもとめるのがベストでしょう。
◇単純に着手し忘れていた
まだマシなやつです。これはリマインドすれば済む話なので一番マシですが、忙しい時は多発するので注意は必要です…。
3. ボールの引渡し時に起きる問題は「パス出して良いか分からない」か「パスの回し先が分からない」
◇自分の中でパスを回していいレベルか判断できない
この仕上がりでパス回したらキレられるんじゃないか?と思って、一旦できるとこまで終えてても回せてないケース。恐らくできたけれども、これでいいのか分からないで、手元で転がしてしまってる状況は、これも若手時代に起きやすいですね。
「ラフですが一旦だすんで確認お願いします!」という、一旦ボールを上長なり次の方に図々しく回す術をもつか、上長が「一旦今の段階のを不完全でも見せて〜」とカットインするかで対処するのが妥当なケースですね。
◇誰に渡せばいいか分からず寝かせてしまう
仕上がったけれども誰に送れば良いんだ?というケースですが、これも若手が起こしやすいケースです。こういう時はシンプルに上長やプロジェクト責任者に一旦投げちゃいましょう。きっと適切な方に中継してくれるので。
まとめ. ひとえに人を責めず問い合わせること
ボールを受け取る方も、ボールを渡す方も、ボールの長持ち問題に出くわしたら自分から相手に問い合わせよう。(という文化が常であってほしいと願っている)
ボール持ちすぎ問題では長く持った人が「なんで持っちゃったのよ?!」と責められがちですが、上記の通り、監督する側でなんとかできる部分は多いし、分解するとボールを渡した人の問題もあったりする。
一緒のチームメンバーなので、対話で乗り越えたいものです。
終
サポートいただけたら、嬉しくて本屋に行くと思います・・・笑