フルリモートの開発チームで成果を出すコツ
COVID-19の影響で本日からリブセンスではリモートワークが推奨されました。早々の決断とルールの一部改定など、アジリティの高い対応には感謝感謝。
・・・・なのですが
どうやらフルリモートでの開発やプロジェクトの進行に慣れている方はかなり少ないことがわかったので、2012年からリモートによる開発体制で成果を出してきた人間として《コツ》を書いてみます。
リモートワーク歴
2012年に入社した会社がニアショア開発だったので、宮城/岩手/青森/北海道/福島/秋田/宮崎/広島/京都・・・、とエンジニアさんが点在していたので、リモート体制で進行するのが常でした。
最後の案件は、広島/宮城/岩手の3拠点+東京という体制で、東京側はディレクション機能のみでした。
そんな中でも億単位の大型案件を収めるなど、成果は出せておりました。
リモートのコツ 10ケ条
試行錯誤した中で、自分に課してたルールは以下の10個でした。
1. エンジニアの稼働時間を拘束しない
2. プロジェクトの進捗だけ観察する
3. 目的は必ず共有
4. アプローチの変更(アドリブ)を歓迎する
5. Slackによる問い合わせには即レス
6. デリバリー期日を厳守する
7. オファーするときはなるべく「テレカン」
8. なるべくドキュメントにして渡す
9. テレカンでは画面共有を多用する
10. なるべくスクショを多用して目線を合わせる
少し解説
1. エンジニアの稼働時間を拘束しない
「何時に始業で終業時刻も予告して。そして逐次報告して」
すごい初期にこんなアプローチをして失敗。エンジニアさんそれぞれ都合があるし、調子もあるので、やりこむ日もあればできない日もある。なので稼働時間を「8hやってください!」という感じで拘束するのはパフォーマンスを下げるしチームワークが低下するのでやめました。
2. プロジェクトの進捗だけ観察する
読んで字のごとくですが、稼働時間をウォッチしなくなった代わりに、タスクの消化状況、個別プロジェクトの進捗を観察しました。停滞しているものがないか、進行しているのは何か、backlogとslackをみて進捗を見ていました。
3. 目的は必ず共有
指示やお願いをする際に「目的」を共有していました。どうしてもオフラインで一緒にいるわけではないので、説明が漏れていた場合のフォローに即座には反応できないので、依頼内容が自走するようにしたいため「目的の共有」を必ずするように心がけてました。
4. アプローチの変更(アドリブ)を歓迎する
遠隔での開発となるとそう簡単に相談したりはできないので、エンジニアさんなりに「オファー内容をもとに組んでみたけどうまくいかない」というとき、別のアプローチを試みます。
逐次相談できる環境じゃない中での、エンジニアさんなりの最善策なので、基本的には歓迎して経緯を聞くというのがとても大事だと思ってます。
5. Slackによる問い合わせには即レス
「わからーん!」というときにSlackでエンジニアさんは質問するわけなので、それにはなる早で返事するようにしてました。というのも、エンジニアさん・デザイナーさんは、テンションが上がってるそのときにやり抜きたいので、半日寝かしたりすると「ん?あぁーあれかー、あとでみときまーす」と急にレイジー(怠惰)になるのです。不思議な生態です。が、そんな種族なんだと、気分屋なんだということを肝に命じて、即レスするようにしています。
6. デリバリー期日を厳守する
これは当たり前ですが、ディレクターからの定義書や資材などがタイムリーに届かないと進行は遅滞するしテンションも下がるので厳守するようにしてました。
7. オファーするときはなるべく「テレカン」
これは面倒でもなるべくテレカンで話した方がいいです。新しいお願い事は、Slackだけで完結できたら吉ですが、高確率で誤解や不十分な伝達で終わってるケースがあり、これは反省した部分でした。
SlackやGoogle Hangoutなどテレカンツールはあるので5分でもいいので音声で伝えましょう。
8. なるべくドキュメントにして渡す
オファーする際のマナーとして、なるべくドキュメントにして渡すのも心がけてました。というのも、大半の時間エンジニアさんのそばに自分はいないので、変わり身としてドキュメントを渡す事で、間違いなく確実にオファー内容は伝わります。
9. テレカンでは画面共有を多用する
といってもドキュメントをガチガチに毎回作るのは結構大変です。なので「画面のここを〜」という、こそあど言葉(ここ・そこ・あそこなど)で伝えたい部分がある場合は、画面共有で画面をシェアした状態で、マウスポインタなどでぐるぐると示しましょう。
特に軽微な修正かつ急いでいる場合などはテレカンで画面共有がベストです。
10. なるべくスクショを多用して目線を合わせる
「自分がイメージしているものが相手に伝わっているわけではない」という前提に立つことがリモート体制では重要になります。テレカンの画面共有と同じく、スクショ(スクリーンショット/画面キャプチャ)を用いて、どこの話か、どんなニュアンスか、ビジュアルに伝えるように努めると、しっかりと伝わります。
とどのつまりは「コミュニケーションのおもてなし」
ここまで書いて気づきましたが、リモートだからこそ遠隔地で働く相手を慮って、伝え方、伝える内容、タイミングなどを適切にしようという「おもてなしの心」が必要になるんだなと。
面前で会っていると、つい疎かになるのがコミュニケーション。
言ったつもりになり、聞いているだろうと慢心し、見てるだろうとケアしない。
こんなことが平気で起きてしまう。
今回を機に、伝えることが容易ではなく、そして大切だって事に気づく人が多くなるんではないか、と思っております。
おまけ
以下のツイートをしたらnoteにして!というオファーがあり、急いで書いたエントリーでした。不備・誤字・脱字ありましたら、こっそり教えてくださいませ・・・。
サポートいただけたら、嬉しくて本屋に行くと思います・・・笑