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おそらくYesと言ってもらえる提案書のつくり方|WEBサイト編

こんにちは、石川康裕( @IshikawaUxui )です。UXUI設計と戦略デザインをしています。

今日は「提案書を書く必要がある」という一部の界隈の人向けて書くニッチなエントリーですが、社内の新規事業づくりなど、場面によっては役立つんではないかと思ってnoteにしてみます。

あくまで僕の勝ち方に則って書きますが、戦績もいいので、自信はそれなりにある、という感じです。

そして、出し惜しみなくテクニックをすべてさらけ出すので、9,000字近くの長文です。ご容赦をば。

なお、タイトルで「おそらくYes」と書いたのは、政治的理由ですでに勝者が決まっているなど、そもそも勝負になっていないケースもあるので、「おそらくYes」としました。

さて、長編エントリーですが、いってみましょう!

0.基本原則のおさらい

 「提案する」というアクションにはいくつか基本となる原理原則があります。案外知らないという方が多いので以下にまとめます。

◇そもそも「提案」というアクションの主目的と主要結果(=OKR)
 自明すぎて整理しない方が多いですが、僕は都度書くことを推奨しています。書いてみると、案外重要なことが抜け漏れたりしているからです。
提案における主目的は「ディール(取引の成立)」です。それに対する主要な結果は「クライアントの要望を多く満たしている」「チームに対して魅力を感じてもらう」「我々の譲歩可能な条件内である」の3点です。どれかが抜け落ちてはWin-Loseとなり成立しません。
クライアントの要望を整理し、抜け漏れなく答えつつ、自分たちが譲歩できる範囲を明らかにし、不条理な契約にならないようにする。そしてプレゼンを良きものとして、魅力を感じてもらう、という必要があります。

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◇提案におけるNG
 提案するにあたりやってはならないことはいくつかありますが、その中でも即落選になるタブー級のものだけを紹介しておきます。

プレゼン当日
・テンポが悪い/練習してない
・制限時間を超えても話してる
・そもそも主旨がずれてる
プレゼン準備
・コンセプトや戦略について一切議論をしない

ちなみに、勝ちたくないプレゼンの場合は、上の4つをすべて叶えると高確率で即落選なのでオススメです。

◇狙うパーセプション(感情想起)は「素晴らしい!一緒に働きたい!」
 前項のOKR部分でも記載しているように「チームに対して魅力を感じてもらう」というのはとても大事なことです。多少の落ち度があってもチームに魅力を感じたので勝利したケースが実際にあるので、ここは本当に重要だと思っています。
さて、どうしたら「一緒に働きたい!」と思ってもらえるでしょうか?ヒントになるのはプレゼン後の感想です。実際に勝利したプレゼンでは後日クライアントから「プレゼンそのものが飽きず面白かった」「学びが多かった」という感想をもらえます。プレゼンテーションに発見と驚きを加えるようにしましょう。

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◇大前提としてプランニングが充分されてはじめてプレゼンができる
 いいプレゼン資料があれば、いいプレゼンになると思いがちですが、まったくそんなことありません。資料デザインも素晴らしく、話もうまいけど落選に至ったケースはあります。提案は大きく分けて「プレゼンテーション能力」と「プランニング能力」で構成されますが、プランニングこそが重要です。飲食店に例えると、プレゼンは盛り付け・内装・接客、プランニングは味です。味は大切です。プランニングをしっかりとしましょう。

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僕自身がプランニングする際に以下のエントリーで紹介しているフレームワークで最近は整理しているので参考に見てみてください。

◇提案は「段取り」がキモ
 よい提案は段取りで決まると言っても過言ではないです。タイムバッファをとったスケジュールになっているか、デザイナーがデザインに向き合う時間を設けられているか、印刷・製本の日程を設けられているか、練習時間は確保しているかなど、スケジュールをきちんと整備できていないと、場当たり的でグシャグシャな提案になります。

以下は参考までに、自分が提案する場合に、どんな風に段取りを組むのか、考え方をgifアニメにして載せてみます。

逆算の例

1.まず資料なしでプレゼンをしよう

 ここはとても重要なので強調しますが、いきなりパワーポイント資料を作る人は負ける人です。いきなりスライドを作らないでください。

本当に勝ちたいのであれば、まず話す原稿作りが大切です。そして原稿を作る際に最も効果的なのは「まず資料なしでプレゼンをする」です。

◇スライドがなくともプレゼンはできるし、受注もする
 もう少し正確に言えば、スライド資料なんてなくても口頭で提案して受注できます。落語と同じです。音声だけで想像させ、音声だけで納得させることはできます。スライド資料はあくまで補助。重要なのは「言葉」です。

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◇とりあえずソラでプレゼンをする効用とは
 いきなり風呂場なり、一人になれる場所でプレゼンをすると気づく点が多数あります。「どの程度コンセプトが煮詰まっているか」「抜け落ちている話がないか」「提案の核となる魅力はどこにあるのか」「そもそも何を伝えるべきなのか」などがわかってきます。そもそも内容が詰まっていると、ソラでプレゼンが軽快なテンポでできますが、まったく詰まっていないときはプレゼンなんて全然できません。
どのレイヤーの話を詰めねばならないか、ヘルスチェックになるので、まずはソラでプレゼンをしましょう。

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◇コンセプトや戦略といったプランニングはどうしたらいいの?
 提案するウェブサイトの目的や提案先によって千変万化するので一概にこうだとはいえませんが、例えば「ママ層が使うヘアケア系商材のキャンペーンサイト」であればターゲット層とうまくコミュニケーションができている事例を因数分解して戦略を再構築すると、短期間で的を射たプランを組むことができます。類似したコミュニケーションの好事例を分析するというのが最もヒントになるのでオススメです。

また、前章でも触れていますが、プランニングの際に僕自身が現在使っているフレームワークはこちらでも紹介しているので参考にしてみてください。

2.原稿を起こそう

 ソラで話してみると、大まかに話す順序・話す内容が見えてきます。話しながらメモをした言葉を起点に、原稿を起こしてみましょう。仕上がりイメージは粗めでOKです。

テキストエディタなど、編集のカロリーが低めのテキストツールを使って書きなぐりましょう。僕は大概テキストエディタをプレーンテキストモードで用いてます。

Dropbox PaperやEvernoteなどもいいんですが、ブラウザで稼働するエディタはついfacebookなどSNSを見てしまって集中力が途切れるので、完全にオフラインで、その他のアプリケーションを全部終了させてテキストエディタだけに専念します。

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3.絵コンテを書こう

 原稿が出来上がったら「この話のときはこんなスライドを見せたい」という要求が浮かんできます。掲載内容とレイアウトを、大まかに把握する意味でも「絵コンテ」が有効なので、多少下手くそでいいのでペンで簡易的にスライドの絵を描いてみましょう。

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◇少し小さめに絵コンテを描くほうがいい理由
 つい不慣れな方は「1スライドに多量の情報を掲載する」という状況に陥りがちです。大きな画面でスライドを表示させながら編集すると、ついやってしまうものです。
少し小さめに絵コンテを描くと、描けることに限りがあるので「この画面ではユーザー推移のグラフだけにしよう」などと、選択と集中をしやすくなります。少し小さめな絵コンテは「語りすぎ・盛り込みすぎ」の抑制につながるので、ぜひ絵コンテを描いてみてください。

4.スライド内の資材の発注準備をしよう

 プレゼンテーションの絵コンテを描いてみると「ここのスライド内のウェブサイトデザインはデザイナーさんにお願いしよう」だったり「AWSのサーバー構成図はエンジニアさんに頼もう」という、自分だけでは描けない資材が何なのかがわかります。

◇提案でインパクトのあるものだけに絞ってオファーをしよう
 よく「心配だから」「念のため」という安心感のために無駄な量の画面デザインをさせたり、モックアップのコーディングをさせたり、ひたすら提案書の分厚さを作りたいがため事例集めをさせるディレクターさん/プロデューサーさんがいますが、結構クライアントとして提案を聞く側に回ると、その滑稽さはヒシヒシと感じてしまうものです。言い方選ばずに言えば「このチームはあんまり地頭良くなさそうだから一緒にはやりたくないな」と思ってしまいます。
加えて、エンジニアリングチームも「これ意味あるの?」と疑念を持つと、クリエイティブの質が下がる傾向にもあります。
提案で話すときに、相手にインパクトを与える資材に絞ってオファーしましょう。

5.スライドの雛形をデザインしよう

 ここで一旦リフレッシュも兼ねてスライドの雛形(テンプレート)デザインをします。「なぜこのタイミングで?」と思うかもしれませんが、いい感じの雛形ができると、めっちゃ編集意欲が湧くんです。いわばモチベーションマネジメントをして作業能率を高めるという寸法です。これを僕は「バイキルト!」と思ってやってます。笑

◇主に用意するのは?
 実際にプレゼン時につかうレイアウトは以下の通り4つだけと、多くはありません。パワーポイントのテンプレート編集画面を開くと、たくさん出てくるのでたくさん準備しなきゃ、となりますが、4つで充分機能します。

1.表紙:言わずもがな提案書の顔です。シンプルにデザインしてもよし、画像をつかって少し華やかにするもよしです。
2.セクション見出し:章の区切りに登場させるスライドです。「2章 サイトデザイン」など、話の緩急をつける意味でも必要になります。
3.タイトルのみ:基本的にはタイトルのみスライドを用意して、あとは内容に応じてある程度自由にレイアウトするので、これさえあればいいです。
4.強調テキスト:これは任意です。プレゼン上級者になると章内でテンポを変えるときに「本当にユーザーが喜ぶ機能とは?」や「ここで前回のMTGの振り返り」など大きめのテキストを使ったスライドを使います。プレゼンで章内での転調ができそうであれば用意しておきましょう。

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◇抑えておくと良い細かい点
「神は細部に宿る(God is in the details)」とも言いますが、細かな点にも雛形作成時に配慮をしておきましょう。ここで配慮をするとレバレッジが効いて後々よい効果が出て来ます。

A.フッター
スライドのフッターには「書類名」と「関係者に限り配布」などの注意文を記載しましょう。書類名の記載は万が一クリップやホチキスが外れたときになんの資料だったか特定しやすくするためです。
B.ノンブル(ページ番号)
何ページ目の話かを質疑応答時にしやすくするためにもページ番号は付記しましょう。先述同様にバラけたときにも整理しやすくなる効用があります。
C.フォント
自前のPCでスライドを投影したり印刷が行える場合は気にする必要はありませんが、先方のマシンでスライドを投影する場合は「フォントがなくて崩れてしまった」という場合があります。発表する環境に応じてフォントは考慮しましょう。
D.先方のロゴ
利用する場合は安易に利用せずに先方のロゴガイドラインに準拠しながら利用しましょう。このあたりの配慮があると嬉しくなるものです。
E.自社のロゴ
提案が複数社の場合「これってどこ社のだっけ?」となりがちなので、できる限り遜色ない範囲で全ページにロゴを配置しましょう。
E'.代理店のロゴ
間に広告代理店などが介在する場合は「代筆して」と頼まれる場合があり代理店ロゴを入れる必要があったりします。抜け落ちると激怒されてマウンティングされ消耗するので忘れずに掲載しましょう。
※提案書かけない上にタダで書かせようとしてる代理店側が悪いんだけどね
F.フォーマットのバージョン
これも発表するマシンの問題で考慮すべき時があります。先方のマシンで対応しているのが「.ppt」で「.pptx」がダメな場合があるので念のため確認しましょう。おそらく、今はレアですが。
G.スライドの画角
発表する環境によって変わって来ます。4:3のプロジェクターで見せるなら4:3で、16:9のモニターなら16:9で、印刷物ベースならA4サイズで作成をしましょう。画角が最適というだけで見え方が変わるので留意しましょう。

6.スライドを作ろう

 ここまで来てようやくスライド作成を始められます。すでに絵コンテがあるので、まずは絵コンテに沿ってタイトルのみのスライドをバシバシ作成していきます。「ほほー今回は32スライドか」などとヴォリュームを実感します。現状はオファーして届いていないデザインやサーバー構成図などは「ここにTOPページPCのデザインが入ります」など図形で掲載箇所を確保しておきましょう。

このセクションでの趣旨は話終わってしまったので、小ネタとしてWEBの提案書でパワポ上で完成させるスライドについて一例をご紹介します。

◇与件整理
結構大事なセクションで、前日ここに特化してエントリーを書いているので参考にご覧ください。左側に先方が話していたことを描き、右側に提案コンセプトを描きます。

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◇推移グラフ・推移表
なんらかの数値コミットが必要なウェブサイトの場合はグラフで示す必要があります。あるいはこれまでのPV数推移分析などでも登場してきます。パワポにはグラフ挿入機能があるので、思いの外つかえるので未経験の方にはぜひオススメです。

◇ターゲットのデモグラフィックデータ
 これは少しビジュアルに示してあげたほうが伝わります。そして一回作ると使い回しが効くのでオススメです。加えて「この人たちクールね!」と思わせることも、少しできます。少しだけ。

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◇概算スケジュール
 詳細なスケジュールはスプレッドシートやBacklogのガントチャートなどを用いるほうがいいですが、大まかな粒度のスケジュールはパワポで十分です。表ツールと図形の組み合わせで示せるので、大まかに大振りに示しましょう。

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◇サービスモデル
 ビジネスモデルとまではいきませんが、ウェブサイトの提案の場合は、ユーザーがウェブサイトにどんなアクションをするのか、ウェブサイトからどういった価値を手にするのかなど、サービスモデルとして整理する必要があります。これはピクトグラム画像+コネクタ+テキストボックスで大概が表現できるのでパワポでまとめましょう。

7.発注した資材をガッチャンコしよう

 パワポでスライドを並行して作成している中でデザインやサーバー構成図やキャッチコピー案など、分業して制作を進めて来た資材がポツリポツリと集まって来ます。適宜レビューをして提案書に入れ込みましょう。

特にデザインやキャッチコピーについては複数案を見せる場合があるので、見せ方に工夫は必要です。

◇ウェブサイトのデザインの見せ方のコツ
 ファーストビューを見せて、その後俯瞰したページ全体を見せるようにしましょう。ページ全体も無理くり縮小して全図を載せては見えないので、「〜」波ダッシュのような図形で区切り、分割して見えるサイズで掲載しましょう。ちなみに私の場合はA3でZ折にして別紙でデザインを見せるようにしています。加えてモニターやプロジェクターで見せているときは、Adobe XDで作成したプロトタイプを動かしながら見せています。このほうが臨場感があり、クライアントを惹きつけやすくもあります。

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◇キャッチコピー案の見せ方のコツ
 原則として「1コピー1スライド」です。複数のコピーを1スライドに盛り込むと誤解される場合があったり、伝わるインパクトが薄まります。
また、テクニックレベルですが、コピーはスライドに大きめかつ太字で掲載するとガツンと伝わります。一人歩きした時に備えて説明文を添える場合は、級数をグッと小さくして、自然とコピーに目がいくようにしましょう。

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8.資料ありでプレゼンをしよう

 ほぼ完成に近い状態になりましたが、ここで安心してはいけません。この状態で改めてスライドを使いながらプレゼンをしてみるとぶつかる大きな壁があります。それは「時間切れ」です。

大概の提案には持ち時間というものがあります。「今回は発表15分で質疑応答10分でお願いします」と、あらかじめ提案には時間制限があります。

ちなみに、時間制限がどれだけ大事かというと、提案を聴く側に立って思ったのですが「制限時間すぎても提案が終わらないプレゼンは『頭が悪いな』という印象を与えるんだ」ということでした。

資料を使って、実際の持ち時間を意識しながら頭からプレゼンをしましょう。なんなら、動画を撮っておくといいです。僕の場合は動画で撮って見直したら「えー」と「ちょっと」というキーワードが多くてうざいことに気づいたので、録画は本当にオススメです。

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◇話す言葉をコンパクトにする
 こういったリハーサルをしてみると気づきますが、高確率で持ち時間を超えます。僕の場合、超えてしまう一番の要因は「話が長い」という理由でした。話す言葉を、修飾語などを削りコンパクトにし直すと、だいぶキュッとなり、時間に納まってきます。

◇それでも制限時間を超えてしまう・・・
 それでも持ち時間内に全てのスライドが話せそうにない場合は、次章「9.一部のスライドを末尾におくって間引こう」をご査収ください。

9.一部のスライドを末尾におくって間引こう

 相手の疑問に答える意味でも、消すに消せないスライドがあったりします。そんなときに使う奥の手として「Appendix(付録)化」という方法があります。

最後のスライド次に「Appendix」と書いたセクション見出しを用意し、それより後半に「プレゼンする際は話す時間がないけど質疑応答で使いそうなスライド」などを送り出します。

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実際にこれもプレゼンを聴く側に立って思ったことですが、質疑応答に軽妙に答える際に、ささっとスライドも表示してくれる方がいます。正直言って「天才!」と思いました。

質疑応答に着目して追加でスライド作成をしてAppendix化するのも言ってといえば一手ですので、オススメです。

10.元データと別に、表示用PDFデータと送付用PDFデータを用意しよう

 これはテクニックレベルの話なので手短に。普通に考えたらここまででデータ作成は終わりなのですが、僕の場合は念のためモニタ表示用PDFデータとメール送付用のPDFデータを用意します。

◇モニタ表示用PDFデータ
 万が一にパワポデータがクラッシュして開けない、Googleスライドで作成したけどネットワークが繋がらない、など不測の事態はあります。こんなときを想定してモニタ表示用のPDFデータを書き出しておきます。パワポもGoogleスライドもPDF書き出し機能があるので、活用しましょう。

◇送付用PDFデータ
 ほぼ確実に「メールで発表データをもらえますか?」と言われ、「データが重くてダウンロードできません」というお決まりのくだりがあります。ここで外部ストレージサービスを使う方もいますが、ファイルサイズを縮小化したPDF書き出し機能で事前準備することは可能です。30MBのでーたを3MB程度にすればメール添付も可能です。事前に縮小版PDFを準備しておきましょう。

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11.印刷製本をしよう

「へ?印刷製本?プリンタで出力でいいでしょ?」と思われたそこの方、先述の通りプレゼンは「神は細部に宿る(God is in the details)」です。もちろん他社も発表に際して印刷してホチキス留めした資料を持って来ますが、本気で勝つ人たちは、ここも一味違います。

◇表紙を良質紙に印刷し裁ち落とす
 ガチな人たちは表紙も手を抜きません。ちょっと気の利いた会社案内の表紙のようなデザインをしてきます。しかもキンコーズなどでA4ノビに印刷して裁ち落としまでします。こういう品質、実際に心がグラっときます。

◇保存用に2つ穴を開けている
 クライアントが大手で書類管理が紙ベースの場合に、相手のことを慮って、直ぐにファイリングできるように2つ穴を開けて提出する場合もあります。ちょっとしたこれも心遣いですが、印象は変わります。

◇ガチすぎる会社はリング製本までしてくる
 これは実例でありますが、自社にリング製本の機械を置いており、本気で提案する際はリング製本をするという会社もあります。そんな会社で製本してましたが、印象がグンと違うとのことでした。表紙が汚れないようにクリアのPP板を1枚目に持ってくるなど、もはや「本」でした。

さいごに

 過去に勝利したプレゼンの共通点を公開しますが、以下の通り。

・提案の話を聞いたその日に段取りに着手していた
・自分のありったけをブッこんだ
・提案先企業の事業改善や業績アップになれという気持ちで臨んだ
・デザイナーさんには比較的無理のない制作期間ととコンペ費をだした
・風呂場で何度か練習した
・相手の顔を見ながら理解するテンポにあわせて話した
・楽しそうだった

たった10分前後のプレゼンに、これだけの準備をして想いを込めるというのが、勝利を引き寄せる黄金律だと言えます。

過去に以下のような記事も書いているので、勝ちたいプレゼンがある方はあわせて読んでみてください。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

おまけ(ぼやき)

「あくまで提案なんで提案に関する稼働費はだせなくて」という案件は、原則お断りしております。そういう態度の人が1人でもいるチームが勝てると思えないし、役務の提供を受けながら賃金を払わないのは、違法ですからね。


サポートいただけたら、嬉しくて本屋に行くと思います・・・笑