見出し画像

コスパとタイパ、そしてムダパ



今回は、今というか少し前に流行った「コスパ」「タイパ」について考えてみたので、小池と編集部からお送りします。

現在は、いかに短い時間で効率よく物事を遂行するかが重要な時代となっています。
仕事もDX化し効率をあげる。

経営をしている立場からすると大賛成です。

また、配信される動画なども日に日に短くなっています。
ショート動画がたくさん生まれていますし、私も視聴しています。

コスパとタイパとは

ここで一度、コスパとタイパの定義を見直してみましょう。

コスパ・・・いかに小コストで効果を出すか
タイパ・・・いかに短時間で効果を出すか


図を見ると、コスパやタイパを上げるには、二通りの方法があることがわかります。
一つ目は、パフォーマンス(分子)を大きくする
二つ目は、かけたコストや時間を小さくする

これでいうと、現在はパフォーマンスを大きくするという意識よりも、いかにコストや時間を削減できるかに重きを置いている気がします。

会社でいうと、売上を伸ばしにいくよりも、経費を削減することに力を注ぐ
という感じでしょうか。

いずれにしても、これらはいかに効率的に行動するかが重要なのだと思います。

ムダパとは何なのか

ここで、ムダパを定義したいと思います。

ムダパ・・・無駄なことをした時間やかかったコストに対して、どれだけのパフォーマンスを得られたか

図でいうと、↓のような感じになります。

ここでよくご覧いただきたいのが、パフォーマンスです。
これは、無駄なことをした時だけで得られるパフォーマンスなので、
無駄な時間を費やした時に得られるパフォーマンスは、限りなく0に近いのが一般的とします。

スポーツはコスパやタイパが良いのか

これはどうみても悪いです。
人生をかけてスポーツをしている人間が言うので信憑性が高いと思います。

ある意味、スポーツを追究することは、最上級の無駄行動になるのではないかなと思います。
じゃあなんで、スポーツをし続けているの?と思いますよね。
ここは後ほどご説明できればと思うので、一度サッカーを例に例えてみましょう。

競技者である以上、24時間サッカーのことを考えています。
また、プロになるまでにとてつもない時間を練習に費やしました。

さらにサッカーの試合は、おおよそ一週間に一回なので、練習含め六日間はサッカーのためだけに使っています。
我ながらゾッとするくらいの時間を、サッカーに使っていることが分かります。

そしてそのパフォーマンスは、週に一回の試合結果で判断されます。
勝てばいいですが、負けた時は悲惨です。

選手としてお給料をいただいているのに、結果を出せないとなると、
自分がそのために費やした時間が無駄になりますし、なにより応援してくださったファンの方の時間を奪ってしまうことになります。

タイパという側面から考えてみると、勝てば100、負ければ0みたいな世界です。

サッカーのタイパ= パフォーマンス(結果)/ 試合のためにかけた時間= 0/ 6日間= 0

これが現実です。

学業や部活動もそういう一面があるような気がしています。

自分が望む結果を得られればいいですが、最後の大会で勝てなかった、受験に失敗してしまった。
三年間の集大成が一回で100か0になる。こんなにも厳しいものなのかという気がします。

すべて無駄だったのか

大人になって振り返ってみると、決して無駄な時間ではなかったと思う方が多いのではないでしょうか。

それが、どれだけ自分の時間を犠牲にしてきて、結果が上手く得られなくてもです。

そこには何か見えない力が存在しているようです。

唯一無二のストーリーは無駄から生まれる

私たちが考える、見えない力の正体の一つをご紹介させていただきます。

それは

無駄と思われる時間から

最高のストーリーが生まれる。

ということです。

サッカー選手も、多くの下積みや日々の練習があり、
試合に出ることができます。
人生の大部分をサッカーにかけて、結果を出すからこそ共感を得られるのかなと考えています。
ファンの方も、自分のことのように喜んでくれます。

逆に、効率を重視して全然練習をしないで試合に望むようなことがあれば、
ファンの方も気が付くでしょう。

誰も応援してくれなくなると思います。

多くの時間を捧げて努力し、負けの壁を乗り越え結果を出すことで、感動が生まれ共感してもらえる。
そこにはアスリートの人生が反映されたストーリーがあるのだと思います。

チームとしても似たようなことが言えると思います。
何年も勝てずに上のカテゴリーに進むことが出来なかったチームが、10年ぶりに優勝したら、そこには10年間という時間が作ったストーリーが生まれます。
感動も達成感も大きくなり、未来にわたって語りつがれる物語になります。

少し内容をかえて、
こんどは学校生活の話をしてみましょう。

部活や勉強も、結果が出なかったときはすごく悲しいし、すべてを否定したくなります。
これは、当たり前の感情だと思います。

ですが5年、10年経った後に振り返ると、
頑張ったこと自体が美しく見え、多くの学びがあったと回想します。
当時は望む結果が得られず、タイパが0のはずなのに。

さらに、そこで学んだことは、
仲間との絆、助け合いの精神、ワンチームの大切さ、努力することの大変さや報われないこともあるという現実的な学び、苦しいけど頑張った受験勉強、忙しい中やりきった学校行事など、

かけがえのない宝物になっているはずです。
無駄になるかもしれない時間を全力で生きること

これが青春というストーリーなのだと思います。

私がサッカーを続ける理由もこういうところにあるのだと思います。

将来の影響を軽視している

これはすごく大事なことだと思います。
よく使われがちな
「コスパ」「タイパ」
すごく近い未来の話をしがちなのかなと感じています。

本を読もうと思ったけど、
時間がもったいないから目次や口コミなどを拾って、
全体像だけつかめればいいや

という読書方法は、ういた時間で他のことができるようになります。

ですが、ゆっくり時間をかけて読むとどうでしょうか。
著者の人生感を知ることができますし、文章を読む力や書く力も上がります。

今日という一日だけ見ると確かにタイパは悪いですが、
積み重ねていくことによって、
10年後には論理力、共感力、文章力などに明るい人材となるでしょう。

10年間という長い時間軸で考えたときに、途轍もなく大きなパフォーマンスを得られるということです。

いま無駄と感じていることが、将来のパフォーマンスにいい影響を及ぼす可能性があるというのは意識していきたいものです。

時間軸を長く設定する。
これがポイントです。

緩急をつける

普段は自転車や車で向かう駅や職場でも、たまには
歩いて行くのはどうでしょうか。

そうすることで、普段は見えない周りの景色を味わうことができます。草木の匂いをかぐことができます。四季を五感で感じることができます。

車の運転と同じで、ゆっくり走ると周りが見えるのですね。

結局のところ、
コスパとムダパのバランスを取った生活を送る
ことが大切だと信じています。

それは、生活に緩急をつけること
とも言えます。

平日の食事は、時短メニューですませますが、
休日には、時間をかけて好きな料理を作ってみる、

平日の読書は、電車のなかで拾い読みで終え、
休日には、読んでみたかった本をゆっくり読んでみるのもいいかもしれません。

ここで勘違いしないでほしいと思うのは、水を飲まないで練習を続けるとか、一日中ボール拾いをし続けるという話ではないのです。

あくまで自分で決定できる選択肢があったときに、何を自分として選ぶかという意思決定の話を中心にしているつもりです。

深掘り思考につながる

時間をかけるメリットは、
物事を深く考えられることだと思います。

私たちは、これを深掘り思考と呼んだりしていますが、時間をかけてゆっくり深く考えれば、経験や知識がたまっていきます。
そしていずれは、それらが横のつながりを持ち始めて、瞬時に的確な判断が出来るようになるのだと思っています。

以上、ムダパについて長々と語ってしまいました。
何度も言うようですが、決してコスパやタイパが悪いということではありません。

限られた時間の中で、何を選択するか、
この自らの意思決定が大事なのです。

「これは本当に無駄なことなの?」
一度立ち止まって、自問自答してみるといいと思います。

最後に

もしも、ムダパを学ぶとするのであれば、
今、ムダと思える行動が、将来的にどれほどのパフォーマンスを得られるかを定量的に分析していくとかは楽しそうですね。

そのムダと感じる時間が、将来への投資になっている可能性があり、いつか花開くかもしれませんね。

やっておいてよかったと思えるような意思決定が出来るよう、応援しています。(誰を?)

【Instagram】KI Football
https://www.instagram.com/ki_football_jp/
【YouTube】KI Football ch
https://www.youtube.com/@KIFootballch-yg6uq