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性別を巡る悩み 映画「リリーのすべて The Danish Girl」を観て

子供時代の初恋の相手の性別が異性か同性かが自分がマジョリティかマイノリティか決まる最初の分岐点かもしれないと思ったら、ほかにまだ奥深い分岐点があった。

それは、心と体が一致しているかどうかについて。こっちのほうがより複雑だ。

今世紀に入って少しずつ世界的に理解されつつあるトランスジェンダーだけど、この映画は百年ほど前の実話からインスパイアされて作られた話。

既婚男性が偶然女装をしたことをきっかけに、女性「リリー」になる道を選ぶ。

と書くとシンプルだけど、実際そこに行きつくまで本人も妻も友人も苦悩する。理解できる気持ちと理解しがたい気持ちと関係性の変化等々、複雑だから。当時は理解できる医者がそもそも少ないし。

実話の方は、正転換手術前に2人は別れるようだけど、映画では妻も手術に付き添う。リリーにお願いされて。

クイーンの映画で、フレディ・マーキュリーが元奥さんを親友として頼っていたシーンを思い出した。別れた後だけど。実際はどうかわからないけど。

大人になってから違う性別になりたい悩みはなかなか想像しがたい。けど、気付いてしまったらもう戻れない気持ちはわかる気がする。

女装への差別よりも、変化する気持ちや変わらない愛情等心の動きに焦点をあてた映画。

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